日枝氏の残留は「変われないフジ」の象徴
新しいことを取り入れられない姿勢は、人事に象徴的に表れています。
現相談役の日枝氏は、1988年にフジテレビジョン社長に就任してから実に30年近くにわたって会社の中枢に残り続けています。もはや、社内では誰も逆らうことはできなくなっているでしょう。
インターネットに押されているとは言え、地上波の力はなお絶大です。視聴率が10%も取れれば、瞬間的に1,000万人にもアクセスできます。インターネットでこれだけ達成しようと思ったら、どれほどの時間とお金と労力が必要か計り知れません。
現に、インターネットの覇者であるGoogleやAmazonですら、認知度を上げようとしてテレビ広告を打っているのです。これらの企業にありがたがられるメディアはなかなかないでしょう。
それだけの強みを持ってしても利益を生み出せないのなら、経営陣はあまりに無能としか言いようがありません。社長こそ代わりましたが、日枝氏はなお相談役にとどまっています。フジテレビが復活するには、まず日枝氏が退くことこそが最低条件ではないでしょうか。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2017年8月17日)
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。