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出光興産、資源部門で大幅な業績改善 4-6月期は経常利益61.4%増

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2017年8月21日に行われた、出光興産株式会社2017年度第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

2017年度第1四半期決算説明会

鷺島敏明氏:みなさま、こんばんは。出光興産の鷺島でございます。みなさまには平素より大変お世話になっております。この場をお借りしまして、御礼申し上げたいと思います。

また、本日はお忙しい中、この電話会議にご参加いただきましてありがとうございます。それでは、本日15時に公表いたしました、第1四半期の決算の内容につきましてご説明をさせていただきますが、冒頭に、先般実施いたしました公募増資に関しまして、ご報告をさせていただきます。

すでにご案内のとおり、当社は7月3日に公募による4,800万株の新株式発行をローンチしまして、6日間のマーケティング期間を経まして、7月12日に1株あたり2,600円で新株を発行する条件決定を行いました。

本公募増資の期間中、当社の大株主である創業家から新株発行の差し止め仮処分が申請されましたが、すでにご承知のとおり、東京地裁、東京高裁において、本公募増資の適法性を認める決定がなされ、7月20日に払込が無事完了いたしました。

本公募増資が完了したことによりまして、当社は1,195億円の資金を確保しております。この調達資金は、昨年末昭和シェル株式を取得した際に借り入れました、ブリッジローンの返済を目的の1つとしておりまして、増資完了後、7月末に約700億円のブリッジローンを返済しております。

また、本調達資金は2017年度中に商業運転を予定しております、ベトナム、ニソン製油所の生産開始までに要する原油購入等の運転資金や、海外の潤滑油事業、有機EL等の戦略投資に充当し、国内外の事業基盤の強化や、成長事業の育成を実現したいと考えております。

当社といたしましては、引き続き、企業価値の向上に向けて取り組んでまいりますので、株主のみなさま、投資家のみなさまのご支援を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

それでは、今から決算内容についてご説明をさせていただきます。お手元に第1四半期の決算説明資料があると思いますので、これに沿いまして、ご説明をさせていただきます。

原油価格の推移

まず、2ページ目。原油価格の推移でございます。赤い折れ線グラフが、2017年度の実績ということになっております。4月をピークに、6月にかけて下落基調ということでございます。

4月は52ドル30。5月が50ドル50。6月が46ドル50ということで、平均いたしますと49ドル80ということで、昨年の同時期、4、6月の平均が43ドル20でございましたので、昨年から比べると、6ドル60上昇しているということでございます。

7月の平均が47ドル60。8月の、足元ですね、これが50ドルをちょっと切るぐらいのレベルということでございますので、原油価格自体は6月を底に、再び反転上昇しているというような状況でございます。

円/米$為替レート(TTS)の推移

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それから、3ページ目。為替でございますけれども、4、6月の平均が112円10銭。昨年の4、6月の平均が109円10銭ということで、4、6月で見ますと、約3円の円安となっているという状況でございます。

総括

出光興産、資源部門で大幅な業績改善 4-6月期は経常利益61.4%増

それでは、4ページ目の総括でございますが、これは後ほど見ていただくということでございますけれども。ただ1つ、2017年度の業績予想につきましては、今年の5月15日に公表いたしました業績予想を据え置いておりますので、この点だけ申し上げさせていただきます。

概要

出光興産、資源部門で大幅な業績改善 4-6月期は経常利益61.4%増

それでは、5ページ目。概要ということで、ご説明をさせていただきます。まず、①、原油と為替でございますが、ドバイ原油については、先ほどご説明したとおりでございます。

ブレント原油につきましては、1、3月の実績でございまして、53ドル80ということで、前年対比で見ますと、19ドル90の大幅な上昇となっております。

それから、一般炭の価格でございますが、こちらも1、3月の実績でございまして、昨年対比で見ますと、32ドル20アップの83ドル20ということで、こちらも大幅な上昇ということになっております。

それでは、②の連結の損益計算書の概要をご説明いたします。まず、売上高でございますけれども、8,317億円ということで、前年同期対比で1,530億円の増収となっております。

営業利益ですが、346億円ということで、こちらも前年対比で見ますと、100億円の増益となっております。うち、在庫影響がマイナス60億円入ってございますので、在庫影響を除きました、いわゆる実態の営業利益ということでは、406億円となっております。

こちらは前年対比で見ますと、プラスの224億円ということでございます。こちらの内訳につきましては、後ほどセグメント別でご説明をさせていただきます。

それから、営業外損益でございますけれども、プラスの45億円ということで、前年対比ではプラスの49億円ということで、49億円の改善ということになっております。主な理由は、持ち分投資利益の改善ということで、とくに大きいのはLPGの子会社でございます、アストモスエネルギーからのエネルギーの利益が、上昇したということでございます。

それから、ここの営業外損益の中には、昭和シェル石油の持ち分相当の利益は入ってございますが、これにつきましては、のれん償却等による減額も計上しておりますので、トータルいたしますと、連結に反映している持ち分の利益は、若干のマイナスということになっております。

特別損益につきましては、マイナスの3億円ということで、あまり大きなものは出ていないということでございます。

当期純利益ですが、254億円ということで、前年同期対比で、70億円のプラスということでございます。在庫影響、ちなみに除きますと、295億円の当期利益になっていただろうということで、こちらも前年と比べて見ますと、155億円の改善ということになっております。

セグメント別情報①

出光興産、資源部門で大幅な業績改善 4-6月期は経常利益61.4%増

それでは、6ページ目に、セグメント別の情報に入らせていただきます。

先ほど申し上げましたとおり、合計欄、営業利益、346億円ということで、前年対比で見ますと、100億円の改善ということでございますが、その上を見ていただきますと、まず、資源部門でプラスの197億円。

17年1Qの実績が184億円ということで、前年がマイナスの13億円でございましたので、約200億円の改善ということになっております。それから石油製品が69億円ということで、前年対比で見ますと104億円のマイナスということでございます。

従いまして、ざっくり申し上げますと、合計で100億円改善しているんですが、資源でプラス200億円、石油でマイナス100億円というような状況でございます。

ちなみに石油製品でございますが、表面上の利益は、マイナス104億円ということで、前年対比で減益になっておりますけれども、在庫影響を除きますと、129億円ということでございまして、前年対比で見ますと22億円の改善ということになっております。

セグメント別情報②

出光興産、資源部門で大幅な業績改善 4-6月期は経常利益61.4%増

それでは、次のページで増減の明細につきまして、ご説明をさせていただきます。まず石油製品でございますが、マイナスの104億円ということでございます。

主な大きな理由は、一番最後に書いてございます、在庫影響ということでございまして、マイナスの126億円。これにつきましては、前年66億円のプラス要因であったものが、当年はマイナスの60億円ということで、差し引き、126億円の悪化ということでございます。

プラス要因といたしましては、石油製品のマージンの改善ということで、プラスの46億円。こちらにつきましては、前年対比で見ますと、約1円のマージンの改善ということになっておりまして、こちらの要因でプラスの46億円ということになっております。

原油価格、昨年と対比して上がってございますので、精製用燃料費等のコストアップが24億円、マイナスとして効いております。これら3つ併せまして、マイナスの104億円ということでございます。

次に石油化学製品でございますが、プラスの9億円ということでございます。まず、製品のマージン改善他でプラスの7億円ということでございますが、石油化学製品のマージンの改善自体では、プラスの13億円ございます。こちらは、シチレンモノマーを中心にマージンが改善して、プラスの13億円でございます。

一方、販売数量がプライムポリマー向けのポリプロピレン等が減販となっておりまして、こちらの要因がマイナスの6億円ということでございます。

プライム向けの販売が減ったというのは、プライムポリマー、今期SDMをやっておりまして、この影響によりまして、販売が減ったということでございます。

それから製造用燃料費他で、プラスの2億円ということですが、ナフサ価格上がっておりますので、製造用燃料費ではマイナスの4億円ございますが、タイムラグ、その他の要因でプラスの6億円ということで、差し引き2億円のプラス要因ということでございます。

続きまして、石油開発でございますけれども、プラスの83億円ということで、大きな要因は、価格要因ということでございます。

先ほど、実績のところで申し上げましたとおり、ブレント価格、前年と対比いたしまして、19ドル90上昇しております。これによる要因によりまして、プラスの80億円ということでございます。残りの3億円につきましては、操業費の減ということでございます。

続きまして、石炭・その他のプラスの112億円でございます。こちらもまず、石炭の価格要因ということで、プラスの126億円ございます。

石炭の価格、先ほど32ドル20上昇していると申し上げましたけれども、石炭の販売価格は、だいたい前の四半期の指標を参照して決定する比率が、非常に高うございます。

従いまして、この石炭は1、3月の実績を取り組んでおりますので、この1、3月の販売価格は、10、12月の前の四半期ですね。この四半期の価格をだいたい反映しているということでございまして。

その2015年と2016年の10、12月の平均の価格を比べますと、約40ドル以上の価格の上昇になっているということで、こちらの要因によりまして、126億円の価格要因が出てきているということでございます。

それから、為替要因他でマイナスの12億円ということですが、こちらの豪ドルが若干高くなっておりますので、これによる要因でマイナスの12億円ということでございます。

それから、その他調整ということで、マイナスの2億円ということですが、その他のセグメントにつきましては、プラスの5億円。調整でマイナスの7億円ということで、差し引きマイナスの2億円ということでございます。一応PLの説明は以上のとおりなんです。

決算関連 連結貸借対照表

出光興産、資源部門で大幅な業績改善 4-6月期は経常利益61.4%増

連結の貸借対照表を簡単にご説明したいと思います。17年6月末の総資産、2兆6,287億円ということでございます。17年3末対比で見ますと、129億円の減少ということでございます。

売掛債権、それからたな卸資産といった流動資産でございますが、こちらの原油価格が、3末対比と比べて下がっておりますので、こちらは減少していると。

同じく買掛債務につきましても、減少しているということでございます。流動資産で見ますと、現預金がプラスの502億円ということで、預金の積み増しということになっておりますが、こちらにつきましては、資金の前倒し調達をやっている関係で、現預金が増えているということでございます。

固定資産については、マイナスの101億円ということでございますが、こちらは償却と取得の差額分。これが主な要因でございます。償却のほうが、取得よりも多かったということでございます。

株主資本につきましては、3末対比で230億円のプラスということですが、こちらは今期の当期純利益の分が増加しているということでございます。

それから、欄外に有利子負債の残高を書いてございますが、1兆590億円ということで、3末対比で見ますと、66億円のプラスということでございますが、こちらは先ほど申し上げましたとおり、資金調達の前倒しをやっておりまして、現金を積んでいるということで、この関係で有利子負債が若干増えているというような状況でございます。

決算の説明は以上のとおりになりますが、当社の戦略投資案件の進捗について、ここで若干、報告をさせていただきたいと思います。

まず、今年5月に公表いたしました、当社と昭シェルのアライアンスの進捗状況でございますけれども。早速4、6月におきまして、スポット原油への共同調達、配線オペレーションの効率化等に取り組んでおります。

アライアンスによる今期への収益影響というようなものは限定的と見ていますが、早期に、年間250億円以上のシナジーを発揮できるように、昨年末、一旦停止しておりましたPMI案件の協議の再開ですとか、両者でのワークショップ、それからテーマ別の検討会等に、現在取り組んでおるところでございます。

続きまして、ベトナムのニソン製油所の進捗状況ですが、8月3日にニソン製油所向けのクウェート原油の積み込みを実施しております。8月末には原油線がニソンに到着するという予定でございます。

今後、精製設備の試運転というものを行いまして、現時点では、予定どおり2017年度中に商業運転に移行できる見通しでございます。今後もこの両案件につきましては、進捗があり次第、ご報告をしていきたいと考えております。私からのご報告は以上でございます。

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