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ビーグリー、売上の90%以上が「まんが王国」 2Q営業利益は6.2億円で着地

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2017年8月25日に行われた株式会社ビーグリー2017年12月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。

beagleeについて①

吉田仁平氏:本日上場後初めての決算説明になりますので、まずは会社のビジネスの概要について簡単にご説明できればと思います。

我々株式会社ビーグリーの社名の由来でございます。こちらは進化論のチャールズ・ダーウィンが世界航海で使った船の名前、Beagle号が由来となっております。

我々が会社として変化を前向きにとらえて、発見や成長を求めていこうという姿勢を社名に込めております。

beagleeについて②

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続きまして経営理念です。社名に通ずる考え方でもありますが、「固定観念にとらわれることなく、新しい発見と進歩を求め続ける」ということを挙げております。

Missionとしましては、「インターネットによって隠れた才能を持つクリエイターとファンを繋ぐことで、新たな市場、新たな顧客を開拓し、文化の発展に貢献する」と掲げております。

当社が主力としております漫画の配信サービスも、こういったMissionに基づいて行っています。

Visionでございますが、「グローバルで通用するコンテンツのプラットフォーム構築」と挙げております。現在我々のビジネスは国内のビジネスがほとんどを占めているわけなんですが、将来の姿としては海外展開を視野に入れております。

事業セグメント コンテンツプラットフォーム事業

ビーグリー、売上の90%以上が「まんが王国」 2Q営業利益は6.2億円で着地

続きまして、事業セグメントのご説明をさせていただきます。当社はコンテンツプラットフォーム事業の単一事業となっております。コンテンツプラットフォーム事業というのは、クリエイターの創作物を配信するサービスであったりプロジェクトと当社としては位置付けております。

コミック配信ビジネスについて

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ビジネスセグメントとしては2つありまして、1つはコミック配信ビジネス。こちらが「まんが王国」というスマートフォンでのコミックの配信サービスになるんですが、「キッカケつくる電子コミック」というのを合言葉としております。

一方で、それ以外のビジネスとして新規・周辺ビジネスということで、まんが王国がコミックを配信するスマートフォンのWebサービスと、非常にわかりやすいサービスのかたちをしておりますが、新規でのプロジェクトにおいては、それ以外の創作物も含めてさまざまな角度でプロデュースしてユーザーに届けていこうというくくりの中で、さまざまなパイロットサービスであったりプロジェクトを推進しております。

こちらまんが王国の概要でございます。まんが王国は現在9割以上がスマートフォンから成り立つ売上になっておりまして、月間の利用者数がだいたい水準値として約800万人程度。

こちらは携帯電話の頃からもう11年目のサービスになるんですが、読まれた電子コミックの量を単行本換算しますと、だいたい累計で6億冊ダウンロードということになっております。

出版社や作家さまとのライセンサー契約が合計で1,800契約以上ございまして、まんがのみで5万タイトル以上の品揃えとなっております。常時2,000タイトル以上の無料タイトルというのが1つの強みとなっております。

また、一部コンテンツに関しては、当社のほうからその他の電子書籍運営会社さまにコンテンツを提供するビジネスも行っております。

ビジネスモデル

ビーグリー、売上の90%以上が「まんが王国」 2Q営業利益は6.2億円で着地

続きまして、ビジネスモデルを簡単におさらいさせていただきます。

当社のビジネスモデルとその特徴なんですけれども、まず1つはコンテンツの仕入れの部分です。

通常電子書籍の販売サービスの場合には、取次会社さん、いわゆる問屋さんをはさんで作品を仕入れるケースが多いんですが、当社の場合は電子コミックを配信する・アーカイブするシステムですとか、電子書籍特有のビューアといわれるソフトウェアのソリューションは、実は自社で開発したソリューションを持っております。

電子ファイル制作でありますとか、契約管理といった煩雑な業務もあるんですが、そういったものもすべて社内でまかなえる体制になっておりますので、物理的にライセンサーの方と直接契約することが可能なかたちとなっております。

一方で、会員獲得の部分に関しましても、こちらも通常ですと広告代理店さんを使われるケースが一般的かとは思うんですが、当社はいわゆるネットメディアを自ら観察する体制と、ネットの広告クリエイティブを制作する体制をこれまた自社内に組んでおりますので、直接広告を出稿することが可能な体制となっていると。この2つがモデル的な大きな特徴だと思います。

まんが王国について

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続きまして、まんが王国のサービスをユーザーから見た時の内容と特徴についてご説明申し上げます。

1つ目に、「知る人ぞ知る良作に出会える電子書店」と挙げさせていただいております。もちろん有名なタイトルですとかメディア化されてるタイトルというのも、当社の中ではたくさん取り扱っておりまして販売も伸ばしてはいるんです。

昨今通常の出版技術の中で訴求しきれる作品量というか、そういったものがなかなか制約も多い市場環境ではございますが、知名度が決して高くなくても、非常に作品性が高くて読むとおもしろい作品は実はたくさんございます。

そういったものをネットの力で販促プロモーションをかけながら独自の作品選定でどんどん売り出して、むしろネットからヒット作を出すような販売の仕方というところで、ここまで実績を上げてきております。

2番目の特徴、「豊富なキャンペーンと使いやすさ」というところですが、作品名がそれほど知られていない作品を読み始めるきっかけといった時に、今だとコンビニでもなかなか立ち読みできる環境はございません。

ですが、無料の試し読みというようなものが何千タイトルと用意されている中で、タイトル自体を知らなくても手に取って読んでみて、興味を持って読み進める中で課金や入会に繋がっていくというかたちで、なるべくそういったキャンペーン、またはそういったユーザーの動きをスムーズに実現できるようなWebとビューアの一元的な開発を実現していくというところは1つの強みでございます。

3番目でございますが、当社のまんが王国はポイント形式の月額課金のかたちになっております。例えば月額で300~500円とかそういう金額でユーザーさまが金額を選ばれて、金額に応じたポイントが毎月お客さまに付与されます。

お客さまは作品を読みますと、読んだ分だけポイントが消費していくんですが、たくさん読んでポイントがなくなってしまったときには、翌月まで待つか、もしくはその都度購入してポイントを追加するかといったそういったかたちのサービスになっております。

ポイントの購入など、もちろんたくさんしていただくとボーナスポイントであったりとか、クーポンなどが戻ってきて、よりお得に漫画を読めるというようなサービスになっております。

ここまでが会社とサービスの簡単なご説明でした。

2017年12月期 上期実績(PL)

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続きまして2017年度12月期第2四半期の決算のご説明をさせていただきます。

売上で44億8,300万円。営業利益が6億2,200万円。のれん償却前営業利益で7億4,500万円。経常利益で5億9,100万円。純利益が3億7,000万円という結果となりました。

概ね計画どおりではあるんですが、営業利益に関しては1億円程度のプラスと。営業利益率が計画比に対して2.5パーセント程度良化しているという結果でございます。

2017年12月期 上期実績(PLグラフ)

ビーグリー、売上の90%以上が「まんが王国」 2Q営業利益は6.2億円で着地

こちらは、過去の年度実績との比較でグラフにしております。売上の増加は概ね半分折り返し地点で達成しているかたちです。

利益に関しては計画をやや上回る水準ではございますが、過去の年度と比べるとかなり順調に力は出せているのかなというところでございます。

2017年12月期 上期実績(BS)

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続きましてバランスシートです。こちらはご覧頂いているとおりなんですが、3月に東証マザーズに上場させていただいておりますので、その上場によって、公募増資で自己資本比率が47.9パーセントから63パーセント。財務体質としてはより良化したということが言えると思います。

2017年12月期 上期実績(CF)

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こちらはキャッシュフローです。キャッシュフローに関しても上場によるところで財務体質の改善が見られるといったところでございます。

続きましてこの上期のトピックスをいくつかご紹介させていただきます。

2017年12月期 上期トピックス①

ビーグリー、売上の90%以上が「まんが王国」 2Q営業利益は6.2億円で着地

まず1番目ですが、累計のダウンロード数の進捗でございます。

サービス開始から数えて、先ほど冒頭でも6億冊ダウンロードを2017年4月に達成しておりますけれども、4億から5億に達するところがだいたい10ヶ月くらいですかね。

5億から6億のところは7ヶ月程度で達成しておりますので、利用頻度の活性化というところは確認できているのかなと思っております。

2017年12月期 上期トピックス②

ビーグリー、売上の90%以上が「まんが王国」 2Q営業利益は6.2億円で着地

トピックスの2番目ですが、こちらは機能面の改善ですが、ビューアはいわゆる電子漫画を読むためのソリューションですが、左側の縦読みモードというのは他社さんなんかでもよく見られますが、今、スマホユーザーのニーズに答えるかたちで縦読みモードというのに対応しました。

この右側は、同時に対応しているんですが、恐らく他社さんにはない機能でございます。スマートフォンで漫画のページを1枚見るときに作品によっては結構セリフが細かったりして読みづらいというご経験がもしかしたらあるんじゃないかと思います。

そういったときに通常の場合ですと、指を2本でぐーっと拡大するような操作をしないといけないんですが、ちょっと煩わしいので、我々としては指を長押ししてちょっと当てるだけでその周辺が拡大する、いわゆる虫めがね機能をを追加しております。こちらのビューアは当社が独自開発をしたものです。

2017年12月期 上期トピックス③

ビーグリー、売上の90%以上が「まんが王国」 2Q営業利益は6.2億円で着地

トピックスの3番目でございますが、この上期に当社といたしましては様々なユーザーさんの利用頻度を活性化するような販促キャンペーンを実現するためのシステム改修、ならびに計画の調整をいうのを継続的に行ってまいりました。

例えば販促キャンペーンといったときには、こちら、たまたま例に出させていただきますが、ランチタイムに時間限定でポイントバックするような、そういった細かい改修にはなりますが、こういうものを日々積み重ねて改善を続けてきております。

右側はまんが王国が独自に行なった、他社では実施していない無料タイトルのキャンペーンなどの展開時のバナーです。

こういった独自の販促の向上などを図ってきております。

2017年12月期 上期トピックス④

ビーグリー、売上の90%以上が「まんが王国」 2Q営業利益は6.2億円で着地

続きましてトピックスの4番目でございますが、こちらは、この上期中に新たに契約させていただきました、ノース・スターズ・ピクチャーズというライセンサーさんでございます。

こちらは、『北斗の拳』とか『シティハンター』という非常に有名なタイトルを代表に、いくつか作品の権利をお持ちの会社さんなんですが、知る人ぞ知る良作の販売というところが1つの持ち味でもあります。

有名タイトル以外にもこういったかたちで販促を進めることで、いくつか紙ではあんまり知られていないような作品ですけれども、固定してきっちり販売実績をあげさせていただきました。

2017年12月期 上期トピックス⑤

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トピックスの5番目です。こちらはまんが王国ではない新しい取り組み。というのは、簡単な事例ではございますが「FUNDIY STORE」というサービスを開始しております。

こちらはもともと当社がパイロットサービスで行っているクラウドファンディングのサービスがあるんですが、そちらでのプロジェクトのノウハウと、ニーズの検索などから発案されたサービスです。

いわゆるセミオーダ—色紙ですとか複製原画といった、漫画さんやイラストレーターさんのそういった作品を販売するECサイトになります。

常時200タイトル以上の品揃えで、収益的に当社の決算に大きな影響を与えるレベルにはまだありませんけれども、一部コアユーザーにはきっちり支持されるというかたちでニーズの確認ができているというところでございます。

2017年12月期 通期業績予想

ビーグリー、売上の90%以上が「まんが王国」 2Q営業利益は6.2億円で着地

続きまして、2017年12月期通期業績予想についてご説明申し上げます。通期の傾向に関しては、当初の期初の業績予想どおりで変更はございません。

売上に関しては、91億6,500万円、営業利益11億2,400万円、のれん償却前営業利益13億6,900万円、経常利益10億8,200万円、純利益6億7,200万円というところを、きっちり実現してまいりたいと思っております。

それでは最後のパートでございますが、今後の事業展開と成長の可能性についてご説明させていただきます。

こちらは、電子書籍の市場調などで、みなさんご存じかもしれませんが、インプレスさんが出されている市場予測。ちょうど7月に更新されたものがございますので、そちらをご紹介しております。

電子書籍の市場環境

ビーグリー、売上の90%以上が「まんが王国」 2Q営業利益は6.2億円で着地

こちらの市場規模は、いわゆる電子雑誌は除いております。電子雑誌を除いたかたちで、昨年度の市場規模、約2,000億円弱。そのうちのだいたい8割程度がコミックだと言われておりますので、だいたい1,600億円ぐらいですかね。

という調査結果になっておりまして、今後のところもおおむね、年間の成長率でいきますと、15パーセント前後ぐらいの伸びになるんですかね。10パーセント強ぐらいなんでしょうか、そのぐらいの伸び率で今後も継続成長していくという調査結果が出ております。

コミック市場の環境

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こちらが実績ですが、一番下の濃い青がいわゆる電子コミックで、真ん中のパートが紙のコミック雑誌、一番上がコミックの単行本と。この3つを合わせてコミック市場と見立てた場合の、ここまでの市場推移でございます。電子が牽引して、コミック市場全体が伸びていると言うことはできるのかなと。

あとは、コミック雑誌が比較的減少が進んでいる感じがありますので、やはりそういったユーザーニーズの一部を、電子がカバリングしていくという構図になろうかなと思っております。

オリジナル作品による差別化

ビーグリー、売上の90%以上が「まんが王国」 2Q営業利益は6.2億円で着地

当社の取り組みとして、オリジナル作品による差別化を掲げておりまして、この上期から、まだ数タイトルレベルですが、オリジナル作品をまんが王国の中で配信を開始しております。

先ほどのところでもありましたが、通常いわゆる漫画の世界ですと、コミック雑誌で新しい作品がどんどん生まれて、それが単行本になっていくという、今までのコミックビジネスの流れがあったと思います。

やはりコミック誌の減少が進む中で、電子での漫画の配信サービスであるまんが王国としても、新しい漫画を提供する場としての位置づけというのを、今後きっちりポジションを作っていきたいなと思っております。

オリジナルタイトルを出していく活動については、競合の相手企業なんかもたくさんございますが、当社としては月額で、有料で漫画を楽しもうということで使っていただいているユーザーさんが多数いるサービスとして、よい漫画を購買する意欲のあるユーザーさんをたくさん抱えるサービスとして、他の漫画のアプリ系の無料サービスなんかとは、品質的に差別化できていけると嬉しいなと思っております。

今後の事業展開イメージ

ビーグリー、売上の90%以上が「まんが王国」 2Q営業利益は6.2億円で着地

こちらが、今後の展開のところを簡単にイメージ化しておりますが、クリエイターさん、今まんが王国のところで契約を進めているクリエイターさん、あとイラストレーターの方とかですね。

こういった方がたくさんいらっしゃいます。今まんが王国ですと、デジタルコンテンツ販売というビジネスにはなろうかと思いますが、物販やマーケティング支援というところもどんどん進められればなと思っております。

昨日ちょうどニュースリリースを出しておりますが、例えばスクエニさんのゲームのプロモーション案件で、イラストレーターさんと作品をアサインして、いわゆるマーケティング支援的な切り口にしていくというところを、今回は単発でやらせていただいております。

こういった動きも1つ、クリエイターさんのマネタイズの1つのパターンと言いますか、そういうかたちとして今後も盛り上げられたらいいなと思っております。

といったところで、この第2四半期の決算説明を終わります。ありがとうございました。

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