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デフレ日本と同じ轍を踏むマクロン仏大統領、「誤った政策」で支持急落=児島康孝

なぜ「労働市場改革で失業率は下がる」は間違いなのか

一番、経済学者に欠落していたのは、「企業が人件費を同額投入し続ける」という前提を疑う姿勢です。つまり、賃金が下がって雇いやすくなれば、もっと雇用するというのが経済学者の前提となっているのです。

例えば、人件費を10億円使っている企業が、賃金の下落や非正規雇用への置き換えで、人件費を5億円にしたとしましょう。5億円の利益が増えました。

机上の空論どおりに、5億円分、企業が採用を増やせば雇用は改善するのです。しかし、実際はこの5億円は、内部留保や配当にまわり、それで終わりです。

人件費にまわっていれば、衣食住の生活費として消費され、景気を下支えする可能性がありました。しかし現実では、内部留保となって資金が滞留したり、海外の投資家に配当で支払われると、日本の消費にはまわりません

ですから、日本で円が不足してデフレ傾向が強いのも、それだけ市中で流通する円が減っていることを反映していますから、増刷して補う必要があるということにもなります。

株価の動きに例えれば「間違い」は明らか

また、雇用に関する話の間違いは、株価の動きに例えればはっきりします。つまり、経済学者や評論家が言っているのは、株価が下がれば「安いから株は買われる」と言っているのと同じことです。

株価が大きく下がれば、株は買われますか? 現実は逆ですね。株価が下がれば、もっと売られて、下がるわけです。暴落が起きたりもします。

現実では、むしろ株価が上昇している方が、株は買われるのです。

ですから、雇用に関しても、賃金が上昇して解雇が少ない方が、失業率が下がり、消費が拡大し、景気が良くなります

日本も夕張市をモデルにしたような構造改革を続けていると、ますます衰退し、生活コストの上昇経済は衰退住む人も出ていって減ってしまうという悪循環に陥ります。

それで、GDPが低迷して国力が衰退すると、日本は経済力の低下による国際的な地位低下で、周辺国の軍事的な脅威にさらされやすくもなるわけです。ですから、構造改革とリストラは、景気が良い時に行うべきものであるわけです。

Next: 今デフレかインフレかで、取るべき政策はまったく異なる

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