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世界同時サイバー攻撃の被害を防いだ「Traps」導入社数が拡大 IWI17年6月期決算説明会

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2017年8月4日に日本証券アナリスト協会で開催された、株式会社インテリジェント ウェイブ2017年6月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

2017年6月期 業績推移 上場来最高となる売上高を更新

井関司氏:それでは、インテリジェントウェイブ社の2017年6月期の決算について、ご説明申し上げます。

今日のお話の概要をまず。おかげさまで6月期、業績につきましては、売上高について、当社が上場以来、昨年に続き最高の売上を上げております。1つポイント。

2017年6月期 目標と成果

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6月期の目標は、私は「二兎追う」という言葉を使いまして、「事業規模を拡大しつつ、システムの信頼性を高めていく」ということを掲げておりました。

結果として、業績の規模というのは、事業規模は、先ほども申し上げました通り売上増加で、規模は拡大を果たせました。

しかし、システムの信頼性という面では、やはり若干大きめの不採算プロジェクトが発生しまして。後ほど詳しい話はしますけども、若干の営業減益を招いております。

中期事業計画

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今日は、中期の話についても、昨年今年と順調に業績を伸ばしてきましたけども、このペースをこのまま続けていけるかどうかというのは、やはり私どもにとっては、そういう事業計画がありきだと思ってます。

それを今度は計画どおりに実行することが、今の成長をさらなる成長に繋げていくと考えておりますので、この中期事業計画について今日は少し触れたいと思います。

一応、業績面では2020年の6月期には、売上高も3桁。105億円あたりに乗せて、営業利益についても、10億円を計画したいと考えてます。詳しくは後ほど申し上げます。

株主還元策を見直し

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同時に、株主のみなさまには、当然いろんな還元策がありますけども、配当については、この17年6月期につきましても、昨年に続き、1円の増配を果たしたいと思っております。

ただし、従来続けてきました株主優待については、今年で廃止をさせていただきたいと思っています。

2017年6月期 業績サマリー

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では、そこのあたり、少しずつ詳しくお話をします。

2017年6月期の決算です。先ほど申し上げた通り、売上高については、昨年の72億5,000万円から84億6,900万円ということで、17.5パーセントという高い伸びを上げています。

ただ、営業利益については、若干の不採算案件が少し影響したのか、4パーセントほど減益。ただし、経常利益、純利益についても増益を果たしておりますので、業績面では一応計画どおりに推移しているのかなと考えます。

2017年6月期 セグメントサマリー

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セグメントごとに見ましても、カード会社を中心とした金融システムソリューションも、売上面では大幅に増加しております。

ただし、営業利益面では、先ほども申し上げてますが、不採算案件の影響で、営業利益は4パーセントほどの減益となっております。

かたや、セキュリティ系のプロダクトソリューションにつきましては、売上高を25パーセント伸ばすという、非常に大きく成長しておりますけども、こちらは3.8パーセントの減益です。

サイバーセキュリティの世界は、非常に競争が激しくなっておりまして、機能面での比較はさることながら、価格面での比較も企業側、私たちにとってのユーザー側が非常に厳密に考えておりまして、厳しい価格競争の中におります。

ただし、結果的には、これだけ売上を伸ばすということは、勝率は高いんです。ただ、1個1個の利益面では、少し厳しいものも含んでいるということで、プロダクトソリューションについても、減益となっております。

顧客別売上高 上位3社 対前期比較

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特に金融ソリューション系の成長の内容としましては、上位3社の売上が、非常に伸びてきております。

1社目は親会社のDNPです。DNPは34期、実はスマートフォン決済。カード決済じゃなくて、スマートフォン決済のシステム基盤の受注を果たしまして、そのシステム基盤のフロントは私どもIWIで担っております。

おかげさまで今年の1月から、クレジットカード会社さん、順調にスマートフォン決済が伸びておりまして、DNPは今までのカードを製造したり、発行したりすることに加えて、システム開発部門にも、実績を伸ばしているということがありますし。

それと同時に、私どもIWIにも、特にフロントシステムについては、DNPからの受注により伸ばしております。

それからシステム開発会社の2番。実は、ご存知の方もいらっしゃると思います。カード会社は合併が続いておりまして、ここへきて、ブランド統合のための、システムの統合も進めております。

そうしますと、私どもが担っておりますフロントシステムが、実はバラバラの頃にも、私どもでフロントシステムは、作ってたんですけども、統合しても「フロントはIWIに任せよう」ということになって、今まさに今日現在も内部結合テストの真っ只中に入っております。

それが前期までの要件定義から、設計・開発の部門について、大きく売上を上げております。

それから、もう1つ、信販系のカード会社。これも、従来のシステムを刷新するということで、また繰り返すようですけども、こういう外部ネットワーク接続のゲートウェイ部分と言うんですか、フロントシステムは、私どもの高いシェア、実績に基づいて、確実にお取引をしていただけるものですから、ここについても、大きく17年6月期については、売上を伸ばしていると言えると思います。

金融システムソリューション事業 売上高

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当然、金融ソリューションシステムについては、売上の伸びは、ソフトウェアの伸びがいちばん大きいですけども、やはりハード面も、アプライアンスとしてハードも一緒におさめることも多くなってますので、ハード面でも伸ばしておりまして、売上高については、ソフト・ハードともに伸びていると言えると思います。

プロダクトソリューション事業 売上高

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そして、プロダクトソリューション。セキュリティ製品については、従来の「CWAT」。

要するに、内部情報漏洩対策製品、技術製品の「CWAT」は、少し伸びが鈍化しておりますけども、おかげさまで「Traps」というサイバーセキュリティ防御ソリューションと言うんでしょうか、このあたりはたいへん昨年に続き、大きく伸びています。

ただ、先ほど申し上げましたように、非常に価格面では、戦いが厳しくなってますので、若干利益面では厳しくなっている。しかし、ボリュームとしては、大変上げておりまして、助かっています。

プロダクトソリューション事業

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なおかつ、「Traps」に関しましては、IWIがもともとお取り引きの多い、金融機関のみならず、業種が非常に多彩にきております。

売上構成が去年、要するに16年6月期から、17年6月期に際して、金融業と言うよりも、情報通信業、サービス業、不動産であったり、電気・ガスのようなインフラであったり、多彩な業種で「Traps」の採用が、相次いでおります。

それがまさに、またいろんな価格競争につながっていくわけです。今まで取引のない業種になりますと、必ずしもインテリジェントウェイブの知名度はありませんから、まさに機能と価格で勝負するしかないわけです。

ただ、おかげさまで、こういう多彩な業種につきましても、非常に勝率が高く、ここ2、3ヶ月続いて起きています「WannaCry」という世界同時サイバー攻撃に関しても、「Traps」を導入している企業では、止められたと。

今まで「Traps」を入れても、あまり価値がわからなかったんだけど、今回の「WannaCry」を止めたことによって、「Traps」を入れてよかったという評価もいただいておりますので、いいのかなと思っております。

中期事業計画

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次に、今年から2020年6月にかけての、中期事業計画について、少し説明の時間をいただきたいと思います。

私は一応、中期事業計画のビジョンを達成するためのストラテジー戦略として、「進化3way」というキャッチフレーズを掲げています。

進化する上で、1つは「Road to 10Billion」。要するに100億円への道。できれば来年度、2019年6月期には、売上高100億円をめざしましょう。

それを達成するためには、今現在従業員が360名ほどおりますけども、メーカーじゃありませんから、人が開発をして、テストをして、お使いいただくわけです。

人間が作るものですから、人間を増やさなきゃいけない。増やすためには、採用とともに育成していかなきゃいけないんじゃないか。

ですから、育成するためのいろんな、実は7月1日付で、教育推進課みたいな研修課を作ったりしているんですけども、育成のためのいろいろな方法を、今検討しております。

そして、業務をもっと効率化・標準化しなきゃいけないんじゃないか。属人化していますと、その人にすべてよってまいりますから、なかなかやはり売上の規模は拡大できません。ですから、業務の標準化・効率化にも力を入れて、まさに生産性を上げなきゃいけないと。

それとともに、そういう育成した人たちが働きやすい、働きがいのある会社になりたいということで、風土改革。やはり、こういう開発部門というのは、どうしても夜間仕事が多いので、時間外というのが、自ずと増えてきます。

しかし、やはりもっともっと効率化、標準化により、生産性を上げて時間も削減していく。時間を削減するというのは、裏を返せば時間を作る。

そして、自分自身の働く以外の時間をつくろうということで、今、非常に働きがいや時間創出について時間をとって話し合うなど、なにかの制度を導入できるのであれば、そういう新しい制度も導入していると考えております。

中期事業計画

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売上の内容も、それとともに100億円のためには変わっていかなきゃいけないんじゃないかと。

金融システムソリューション事業については20年6月期には89億円まで伸ばしていきたいんですけれども、現在のカード系の開発案件のウエイトを少しずつ落としながら、昨年から始まってますクラウド系のサービス、ASPでいろんなサービスを提供しようとか。

金融系のフロントシステム以外の多業種に対して、新しいキラーシステムを提供していきたいと考えております。

中期事業計画 金融システムソリューション事業

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これがその内容となって、2020年6月期には現在のカード系の開発を半分以下にして、できればクラウドサービス、もしくは新規事業、AIとかIoTとか海外というものをキーワードに、こういうところのウエイトを広げる。

中期事業計画 金融システムソリューション事業

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それから証券系も、ここのところちょっと低迷してますが、少し領域を拡大して、ロシアの開発会社と組んで新しい業務システムまで足を踏み込もうと考えております。このあたりが実現してくれば、100億円も決して夢じゃないと考えております。

中期事業計画 プロダクトソリューション事業

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プロダクトソリューションについても、もちろんTraps等、他社製品を今まで以上に伸ばしていきたいですが、敵はさるもので、ハッカーたちも次々新しい手で企業のサーバー等にアクセスしてくるわけですから、常に新しいサイバーセキュリティ製品も導入していかなければいけません。

ですから、今、2、3ヶ月おきにサイバーセキュリティ先進国のイスラエルにセキュリティ本部の人間が足を運んでまして、新しいセキュリティ製品がないかということをウォッチしていて、つい最近も、1社新しいソリューションを導入しました。今まさに契約をしようとしているものもございます。

こういうものを上げていって、なんとか現在13億円のプロダクトソリューション事業も、2年後には16億円までに伸ばしたいと。

中期事業計画 プロダクトソリューション事業

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考え方につきましても、今までは技術商社、つまりイスラエルから仕入れて売るっていうことを中心に、商社的なことをしていた。でもそうすると先ほども申しましたように、少し原価がかかってるんです。価格競争だけは厳しいですから。

今、ソリューション本部が考えているのは、サイバーセキュリティの総合プロバイダーになりたい。

ただ単に仕入れるだけじゃなくて、運用のお手伝いをするとか、きちっとしたバージョンアップを果たしていくとか、要するに長期的にお使いいただけるようなサポートの機能を強めて、最新のハッカーたち攻撃手法はこんなんですよとかっていうようなコンサルティングも行います。

ただ単にTrapsのように仕入れて販売するだけじゃなくて、販売したあとのいろんな技術的なフォローですとか、情報の交流ですとか、そういうものを果たして、総合プロバイダーになっていくということが、売上を伸ばしていく秘訣なんじゃないかと考えております。

では、7月から始まってます2018年6月期の業績予想、売上のおもな取組みについてご説明を申し上げます。

2018年6月期 業績予想 増収増益予想

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今期、18年6月期は、通期で60億円を目指したいと思います。

前期が84億6,900万円まできてるわけですから、通期では90億円どころか95億円ぐらいというようないろんな方のご意見もございますけれども、わたしとしては前々期70億円台を果たし、前期80億円台を果たしました。

ですから、今期は90億円を果たす。結果として90数億円になるかもしれませんけれども、とにかく一旦90億円台というものを目指し、そして100億円の足掛かりをつくりたいと思っておりますので、目標としては90億円。

営業利益は、なかなかこういう業界で売上高営業利益率を10パーセントというのは難しいんですけれども、なんとかそこに近いところで8億5,000万円あたりを目指したいと思っております。

2018年6月期 業績予想

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金融システムソリューションについても通期で77億円、プロダクトソリューションについても通期で13億円というものを目標に掲げております。

とくにプロダクトソリューションについては、27パーセントという高い伸びを目標として掲げておりますけれども、今のとくにTrapsを中心としたサイバーセキュリティ製品の、多彩な業種からの引き合いを考えますと、このあたりの目標も十分に現実的だと考えております。

金融システムソリューション事業 売上高(計画)

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とくに金融システムソリューション事業については、従来のカード系のものも若干伸ばしますけれども、やはりクラウドサービス。

おかげさまでアクワイアリングという加盟店契約システムについては順調に契約者数を伸ばしておりますけれども、加えて不正検知、わたしどものACE Plusをクラウド化してサービスする、これも実はもう1社契約が決まってる上に、ご引き合いレベルでは2、3社きてますので、このあたりの伸びも期待ができます。

それから本来はNET+1(ネットプラスワン)のゲートウェイ機能だけを取り出したOnCore Switchが大変販売が好調でして、今までは実はアプライアンス製品としてものは納めてたんですけれども、メンテナンスとか考えたらできればクラウド系でサービス受けたいというユーザーがちらほら出てきました。

一応今データセンターのほうにOnCore Switchのシステムを入れて、それをASPでサービスするというのもすでに2社ほど候補があるものですから、このあたりは非常に伸ばしていけるんじゃないかなと考えております。

金融システムソリューション事業

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もともとの金融ソリューションシステム事業の根幹でありますカード系の開発は、おかげさまで先ほどちょっと申し上げましたブランド統合の開発が、実は今期がもっともピークの年になります。

つまり内部結合、外部結合というテストのプロセスになります。開発っていうのはテストのプロセスが一番人件費がかかりまして、今期たぶんカードブランド統合の開発案件で大幅な売上増が見込まれます。

次に不正検知についても、ここのところカード会社さん少し不正による被害が増加していると聞いております。

そのおかげで不正検知システムの見直しが非常に活発で、その際にわたしどものACE Plusの機能は、従来入れてる不正検知よりも勝るんじゃないかというふうに機能比較を非常に厳密にやり、POCというトライアルを何ヶ月間かにわたってやった結果、IWIのACE Plusのがいいだろうということで、実は従来の他社製品を使ってるカード会社さんが2、3社ほど切り替えが進んでいます。

そういう意味でACE Plusが再び非常に活性化する、なおかつ今回先ほど申し上げましたようにクラウドサービス、つまりデータセンターに置いておいてASPでお使いいただくというユーザーがまた1社、2社と出てきておりまして、こちらもやはり不正検知の売上増に貢献しております。

金融システムソリューション事業 クラウドサービス事業

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ここに書いてありますように、クラウドサービスについては従来の加盟店契約アクワイアリングは4社目を受注してます。不正検知も新規で1社で、たぶん2社ぐらい今期中に決まると思います。OnCore Switchは今のところ2社すでに内定をしております。

こういう会社さん、みなさん複数年契約でだいたい5年契約とか3年契約ですから、階段のように積み重なっていきます。従って、クラウドサービス事業は現在、実は今月だけを見るとまだ赤字なんです。投資のほうが大きかったですから。

しかし、今年度から来年度については単年の黒字はほぼ見込める、累積のものも3年後ぐらいには黒字化していくんじゃないかと期待をしております。

金融システムソリューション事業

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それから証券も、今までは要するに情報フィーダーというフロントシステムの本当に内のところだけ、ゲートウェイの部分だけやってきたんですけれども。

やはり証券フロントのもう少し業務システム、例えば証券会社さんでいろんな売買の画面とかございますよね。そういうWeb画面までの製作を含めて、フロント業務システムそのものも開発していこうと。

これは数年前から縁があるロシアのDevexperts社と協業で、現在開発のまっただなかです。2、3ヶ月前Devexpertsの技術者5人ほどずっとわたしどもの茅場町の本社に駐在して、一緒に要件定義を進めて、今は毎週テレビ会議で開発の進捗を確認しております。10月に一応完成の予定で、今からとくにネット証券さんあたりには新しいフロントシステムはいかがですかという紹介をしております。

こういうことが実現できれば、この絵にありますように既存分野というのはフロントのなかでも情報系の一部だけだったんですけれども、業務系まで入ってくれば証券業界との取引も非常に大きく増えると考えております。

プロダクトソリューション事業 売上高(計画)

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そしてプロダクトソリューションについては、当然Trapsのみならず新製品をどんどん導入することによって、まだ技術商社色が強いですけれども、13億円は十分に可能だと考えております。

プロダクトソリューション事業 イスラエル製品を追加、販売を強化

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なおかつ、イスラエルの製品がどうしても多くなってしまうんですけれども、すでにillusive社からDeception Everywhereという新しいサイバーセキュリティ製品の販売を開始しておりまして、実は大手の保険会社さんで1社内定寸前まできております。

それから、つい先月、この右側のayehuというところと、今はまだ契約は果たしておりませんけれども、Trapsというのは外からのサイバー攻撃を止める機能はあるんですよ。

止めるだけなんですよ。止めた後どうするの、と。

実はこのayehuというのはいろんな設定をすることによって、止めた後の処理の仕方についても自動的にいろんな対応をするというソフトウェアです。

Trapsのように止めるという機能と止めた後のことについても、こういうものも一緒に販売していければサイバーセキュリティにたいへん関心の高い企業さんにとっては有効なソリューションになるのではないかなと考えております。

今期採用計画(全社)

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そのためには、人材の育成、育成の前に採用をしないといけないということで、来年度の新卒もすでに30名を超えて採用が決まっています。

それから、中途についても毎月のように入っておりまして、今はすでに350名を超えているんですけれども、来春には400名を超える体制になると思います。

もちろん増やして、先ほど申し上げましたように育成しなければ意味がないし、育成した人が働きやすい、働き甲斐のある職場にもしていかなければいけない、そういうことを並行してやらなければこういう効果というのは上がってきません。

次世代を担う人材の育成

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ですから、やはり次世代を担う人材の育成という意味では、研修の制度をもう少ししっかりしていかなければいけないということと、PMを伸ばそうということで、新しい研修制度も作っていきたい。

それから、システムの品質も同時に上げていかなければいけないので、これは品質保証簿を2年前に作りまして、今こういうPASSというプロセスの評価システムを自社導入いたしまして、こういうものも繰り返しやっております。

それから、大型プロジェクトについては役員会というよりもボードの会議にかけて、その内容が適切なのか、コストがそれが適切なのかということをレビューする会議を毎週のようにやっております。

中期計画のこの18年6月期は初年度にあたるわけですから、どこまでのことができるかわからないですけれども、私としては、とにかく採用ですとか、中途での採用、それから新卒での採用も増やし、育成のためのいろいろな研修のプログラムをしっかり作る。

組織風土の進化

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それから風土改革、これは時間外を減らすことも風土改革の1つですけれども、なによりもやはり働いている人たちが1人の人に偏ることなく、できるだけ平準化した作業のやり方とか効率化みたいなものも、並行してやっていきたい。

初年度はそういったことがうまく進めていくような環境を作るということですよね。

中期的にはそれが実現・実行して、実現できていて、同時に業績が100億円、3桁の100億円を達成できるということが中期として果たせれば、今の計画が間違っていなかったと考えます。

私からは以上です。

藤澤由裕氏:では、続きまして私から終わった決算の話と、それから今期の予想について少し補足をさせていただきたいと思います。

金融システムソリューション事業 営業利益

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資料に従って進めていきますが、まず営業減益ということが前期ありました。、営業利益の中身の分解ということで、スライドを1枚用意しました。

ご覧のとおりでありまして、こちらは金融システムソリューション事業についてなんですが、約10億円の増収を果たしたわけですが。

その分約3億3,500万円の利益というのがここに計上されておりますが、この分がその他の減益要因によって、オフセットされたということが言えると思います。

特に不採算の案件、開発のプロジェクトについての案件なんですが、赤字が約5,000万円出ましたし、また、クラウドサービス事業の損失と言いますのは、昨年にはなかった金額になります。

もちろん当初において約マイナス1億円弱ぐらいかな、ということで予算を目論んでいたんですが、結果的には1.6億円強ということで損失が膨らんだ形になっています。

また、採用活動を強化しているということもありますし、その他の条件が重なりまして、これは販管費についてですが、約1.2億円、人件費の関係で費用が増えております。

そういった条件を合わせて、結果的に減益になってしまいましたということになります。

それから、特に前期については第4四半期の実績があまり思わしくなかったことがございます。

第4四半期実績 対前期比較

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これが全社の対前期の比較になりますが、まず売上の面から見ますと約9,000万円増収があったわけですけれども、中身と言いますのは主にソフトウェア開発の増収というところで全体を引き上げていると言えると思います。

ただし、このソフトウェア開発の14億6,900万円の売上の中に、私が先ほど申しました、赤字の案件が含まれておりまして、その赤字については第3四半期において前倒しで引き当てを立てております。

ですから、結果的に、計画としては引き当てを超える赤字は出なかったんですが、14億6,900万円の売上に対して約1億4,000万円の赤字の案件が含まれていると。

つまり、第4四半期においてのこの1億4,000万円の売上は、利益が出なかった案件ということになります。

したがって、通常ですと1億4,000万円の開発案件であれば数千万円の利益が出てもおかしくないんですが、そういったものが出てこなかったということがありますために、第4四半期の利益の水準というのは例年に比べて低くなっているということになっています。

加えて、若干経費増があるなどということもありましたので、第4四半期の実績としては当社通例に比べて少し芳しくなかったということが言えると思います。

第4四半期実績 対前期比較

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費用のところなんですが、例えばですが、外注費が増加しているという現象もあります。

もちろん外注費の増加が直ちに損益の悪化につながるということにはならないんですが、対前期で見ても2億円強伸びているということで、かなり大きな伸び方になっていますし、また、クラウドサービスの費用であるとか、こちらは直接損益に影響がありますが、費用の増加であると。

あと、販管費についても営業利益に影響があるわけですが、増加がみられるということで、全体としてこういった費用増も観測されたために、第4四半期の業績は通常よりも低く収まったと、着地したという状況がございます。

勘定科目 対前期比較

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それから、少しトピックが離れますが、まず終わった期の勘定科目、BSの科目についてなんですが、これは短信でもご覧いただけると思いますが、主な変更点として、この固定資産のところ、ソフトウェアとかソフトウェア仮勘定の増加が著しいわけです。

これは中身のほとんどがクラウドサービスの資産になります。

6月末終わったところで、有形資産・固定資産を合わせて、だいたい12億円程度のクラウドサービス向けの資産を計上しておりまして、こちらの償却費の負担であるとか、そういったものが今後とも継続的に発生するということが見込まれます。

それから、外注費については前期と今期とで、終わった期とその前の期との比較でたいへん大きく伸びているわけですが、もちろん売上が伸びているということが背景にはあるわけですけれども。

終わった期について言いますと、仕掛の残高で6億5,800万円ということで、大きな水準になっていまして、これは先ほど来お話ありましたけれども、ブランド統合の大型の開発案件にかかる仕掛の増加ということで、増えていると。

それに対応する外注費の増加が計上されましたということです。

それから、販管費については実績としてこういう形で出ていますということになります。

業績予想

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今言った仕掛の話とも関係があるんですが、今期の上期の売上の出方と言いますか、これは業績予想としては上期の42億円としか開示していませんけれども、概ね今のところ第1四半期と第2四半期のバランスというのがこんな感じになるのではないかなということで、参考までに提示をしております。

ここで申し上げたいのは、前期の売上の出方と今期の売上の出方が違ってきますということをあえてお知らせしたいと思っていまして。

その趣旨は、第1四半期に、四半期中、9月までに順調にいけばですが、大型のブランド統合の案件が売りあがる予定になっていまして、それが入ってくるために、第1四半期の売上の規模が例年よりも膨らむということが予想されています。

したがって、先ほどの仕掛というのはこちらで1部解消されるということになるわけですが、おそらく第1四半期に限って言えば、結果的にたぶん増収増益ということで今期はいけるのではないかと思っています。そのようにご理解いただきたいと思います。

それから、今期も採用の増加であるとか、そういった状況を背景にして、販管費も少し増える見込みになっています。

14億2,900万円に対して、16億円弱くらいと今のところ見積もりを持っていますけれども、経費の増加ということがありえると思います。

金融システムソリューション事業 クラウドサービス事業 収益計画

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それから、クラウドサービスの収益計画ということで、目下の見積もりをお知らせしたいんですけれども、今期は売上がトータルで4億3,000万円と見ていまして、それに対応する損益が1億1,400万円の赤字ということで考えています。

事業を始めた当初からこの期まではおそらく損益は赤になるでしょうということで、お知らせしていたと思います。今のところ、来年、19年6月期をもって単年度で黒字化ということを目指して、今進めているところになります。

受注残高の推移 ソフトウェア開発が増加

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受注残高についてですが、ご覧のとおりで、高い水準で推移を続けていまして、今期90億円の売上目標との予想がありますが、それに対しては1つの内容のある材料というか、背景になると考えております。

セグメント別受注高(個別)

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ということで、終わった期は営業減益ということになりましたが、売上に対しては受注の残高であるとか、引き合いの状況を考えても、非常に環境が好ましい状況で推移を続けています。

今期から中期的に当社としては売上を伸ばしやすい環境にあるということが言えると思いますし、また、その売上の伸びに伴って、収益力も高めていけるような施策をいろいろと講じておりますので、今後ともご期待いただければと思っております。

以上です。

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