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寂しくて空気が読めない「自分のことばかり話す」人たちの病理とは?=午堂登紀雄

孤独を恐れる人は、他人に依存している

疎外された」というのは基本的に受け身の感情ですが、孤独を感じやすい人ほど自分からは何もせず勝手に恨み言をいう傾向があります。

そもそも、ハブられた、仲間外れにされたなど、「された」というのは、受け身で他人に依存しているときの発想です。自分はそこにいない。自分の行動が伴っていない。

それは相手に依存しているからです。依存しているから、自分から何かをするのではなく、相手が自分に何かをすべきだと考えています。黙っていれば向こうから何かしてくるはずという奇跡を期待します。そういう依存心の塊なのです。

そもそも相手はエスパーじゃないわけなのに、心を閉ざしてじっとしていても、自分を理解してくれる人が現れるはずはありません。

だからたとえば、ちょっとした相手の不遜な態度だけで「嫌われた」と勝手に思い込んで自分から距離を置いて関係を断つ傾向があります。

たまたま悪気なく出た態度だったのかもしれないわけですから、「どうしたの?」と聞いてみればよいのにそれをしない

あるいは「挨拶をしないアイツはけしからん」と思ってプイッとします。これも、たまたま相手が心配事で頭がいっぱいだっただけかもしれないのですから、自分から挨拶すればいいのにそれをしない

自分から能動的に他者とつながる勇気もなく、努力もせず、それでいて自分のコミュニケーション能力の低さを棚に上げ、疎外されたと被害妄想を抱き、孤独だ寂しいなどと勝手に不安がる

このように孤独をこじらせ、中二病を抱えたまま大人になる人は少なくありません。

孤独を恐れる人は、攻撃的になって嫌われる

孤独を恐れる人は、つねに他人と一緒にいようとします。それは周囲の人との関係性の中でしか自分の存在を確認できないということですから、他人の評価をつねに気にしています。

人からどう思われるか過剰に気になる人は、人の顔色をうかがいながら生きている人。だから他人の一挙手一投足を気にする。そうやって過敏に注意して監視しているから、他人の非常識や非道徳な行いも目につきやすい。だからイライラする場面も増える

また、周囲から嫌われないように自分を隠してつきあうようになります。しかしそれは本当の自分ではないですから、自分が受け入れられている感覚が持てません

そして前述のような態度を取るわけですから、よけいに「自分は理解されていない」という被害者意識が強くなり、攻撃的に態度を取りやすくなります。

たとえば「なんでメールの返事をくれないの」「既読スルーなんて許せない」という感じで、ひねくれ、ふてくされ、減らず口の子どものように何でもかんでも文句をつける人が周りにいないでしょうか。

ややこしい人、うざい人、かかわると面倒な人、何かと不機嫌な人、何かを言うとつねに否定的な反応をする人、人を応援できず人の幸せを祝えない人というのは、たいてい孤独感が強く、孤独はイヤだと思っている人です。

その瞬間は気分が晴れたり溜飲が下りたり何かスカッとするのでしょうが、本質的に幸福になれるわけではないですから、いつも満たされない気分が続きます。

それが匿名になると、さらに自分の欲望をむき出しにします。特に自己承認欲求の強さが、相手を貶めるという行為になり、炎上を起こします。

彼らは自分が認められたいから、自分の正義を周囲に押し付けます。自分の正義とは異なる人を見つけると、徹底的に叩きます。またこういう人は、自分が勇気がなくてできないことを他人が平気でやっているのを見ると、嫉妬にかられます

こうして、嫌われたくないという孤独力の低さから、逆に人間関係でつまずき、自分の人生を追い詰めてしまうのです。

Next: 孤独感から逃れようとすればするほど、依存体質になっていく

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