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現役40代を“戦場”に放り出す「確定拠出年金」の残酷なメッセージ=持田太市

「トランプ後の世界」を見据えた確定拠出年金の活用アイデア

前述の通り、来月20日前後までは様子見です。大きく下がればエントリーのチャンスがでてきます。

例えば、国内や海外の株式・債券にバランスよく投資する「バランス型ファンド」で年金運用している方は多いかもしれません。それでほったらかしておけば、長期的にみればそれなりにリターンは期待できるでしょう。これは前回お伝えした「長期・国際・分散投資」ということになるからです。

しかしこのメルマガでは、為替動向に着目することで、より期待リターンを挙げることを目指しているのは、これまで何度もお伝えしてきた通りです。年に数回は何かしらのトレンドが形成されますし、年金という長期投資でいえば、数年単位のメガトレンドも狙って良いはずです。

例えばiDeCoの積み立て金額のうち、50%は元本確保型商品(定期預金など)、30%はメガトレンドが形成されそうな投資信託、20%は年に数回できるトレンドにあわせた投資信託、という分散も発想としてはできるかと思います。

50%の定期預金はあくまで待機資金という位置づけで、何か金融危機が起きた時に、安くなった資産を買い付けにいくための流動性確保、という考えも併せ持ちます。

トランプ後の世界では、大量の債券発行とインフレが想起されます。インフレ時には資産価格の上昇が期待される「株式投資」「不動産投資」というのがセオリーですので、トランプ政権時にはそういうセクターに入っていくメガトレンドがある。

その一方で、金利上昇局面では(借入れ状況に左右される)不動産投資がどうしても冷え込んでしまいがちですので、そこを意識して不動産投資を控えることも念頭に置く。

あとは毎年数回は発生しているビッグイベントに注意していく。○○ショックみたいなときがあれば、下がりきった底値で入ることができるかを見極めて、小さい金額でもエントリーしてみるなど。リーマン級のショックも数年内にあるとも言われていますが、それが起きた時はここぞという時のための待機資金、つまり定期預金からスイッチさせてエントリーする、というイメージもできます。

結論を急ぐ必要はないが

このように、ほったらかして勝手に(自動的に)リスクを取るよりも、時局に応じてリスクを(自分で)果敢にとっていくほうが、きっと勉強にもなりますし、今を生きている、自分で年金を作っている!という感覚になれるのではないでしょうか?

年金運用ですので、運用方針や方法論で結論を急ぐ必要はありません。試行錯誤ができるのが自分年金運用ですから、ぜひご自身に合ったものをみつけてみてください。

しかしながら第一にすべきことは、運用するための資金をしっかり貯めていくこと、それに尽きます。資金が無ければ、運用も何もありません。そして運用する時は少額からでもスタートさせること。最初はマイナスになるかもしれませんし、マイナスになったらドキドキして落ち着かなくなるでしょうが、それを経験しないと次に進めません

プラスであろうとマイナスであろうと、なぜそうなっているのかをきちっと理解すれば、次のアクションが見えてくるはずです。当初考えていたシナリオと違えば、損を確定させることも必要でしょうが、シナリオにまだ行き着いていないのであれば、そのまま保有し続けてプラスに転じるのを待つこともできます。

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image by:2p2play / Shutterstock.com
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週刊「年金ウォッチ」-自分年金作りのためのメルマガ』(2016年12月30日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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これまで年金は国や企業が用意してくれました。しかし昨今の日本経済は、それが困難になっているのも事実です。だとしたら、自分で作っていくしかありません。しかし、自分で作りなさいと言われても、どうしていいかわからないし、むずしいことや面倒なことは、したくありません。それが人として、普通です。このメルマガを読めば、自分の年金作りに対する考え方やアクションが理解でき、新たな一歩が踏み出せる。さらに、他の情報源はいいから、このメルマガだけ読んでいれば年金作りはOK、と言っていただけるようにするつもりです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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