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本当に幸せ?「アーリーリタイヤ」の理想と現実~ハッピーリタイヤ入門(中)=俣野成敏

1. リタイヤは「バラ色の世界ではない」

「リタイヤ」と聞くと、多くの人は「解放された世界」だとイメージするようです。中には「やれば何とかなる」と思い、早期リタイヤを強行する人もいるようですが、計画を伴わない行動は、いずれどこかでつまずきます。まずは、事例をご覧ください。

【理想のリタイヤをするには、「計画と実行」が不可欠】

私が運営しているマネースクールにも「アーリーリタイヤをしたいのですが、いくらあればできますか?」とおっしゃる方が時々、いらっしゃいます。しかし残念ながら「いくらあれば、しても問題ありません」と一概に言うことはできません

以前、当マネースクールを訪れた方のお話です。相談にこられたのは奥さまでしたが、52歳になるダンナさまが半年前に会社を辞めた後に、転職活動もせず、今月で雇用保険が切れるという時になって、「オレはサラリーマンには向いていないから、独立起業しようと思う」と言われた、という内容でした。

このご相談の場合、ダンナさまがセミリタイヤに憧れていて、何の準備もないままに「B(ビジネスオーナー)とI(投資家)だけで生活したい」と言い出したパターンです。子供なしの2人家族とは言え、パート勤めの奥さまから「マネースクールに入会し、今ある数百万円の貯金で投資をすれば、何とかなりますか?」と言われても、何とかなるワケがありません

BとIの収入だけで暮らしていこうというのであれば、当然ながら軍資金信用力などが必要です。特に元手の必要なビジネスをする場合は、借り入れも視野に入れなければなりませんが、それには過去の実績がモノを言います。

そうした計画も準備もないままに、夢想だけで貯金をはたいても、投資のリスクは許容できません。相談にこられた方には「ダンナさまに働くようにお伝えください」とご返答する以外にありませんでした。

意外に多いのが、こうした「リタイヤ自体を目標にしている人」です。しかしリタイヤするということは、「労働することをやめる」ということですから、要は「自ら望んで、老後生活に入る時期を早めている」ことを意味します。

事例のダンナさまは、ほぼ何も準備をしていない状態で老後をスタートさせようとしていたワケですが、実際、こういう人は結構います。

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