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「技術の日産」が抱える、リコール問題よりさらに大きな不安とは?=栫井駿介

割安な株価指標は気休めにすぎない

配当利回り4.86%・PER7.98倍と、数値だけ見れば圧倒的に割安な日産ですが、詳細なリスクを検討すると決して割安とは言い難い部分が見えてきます。数値から安直に「割安株」と判断してはいけない典型的な例と言えるでしょう。

表面的な数値だけで割安・割高を判断できるのなら、これほど簡単なことはありません。もしそれが真実なのだとすれば、コンピューターが一瞬にして判断し、あなたが買う前に株価は修正されてしまうはずです。

それでも株価の修正が入らないということは、数値には現れていない理由があるからです。その理由を探ることこそが、長期投資の本質と言えます。株式投資は単なる数字のゲームではなく、投資家の思惑が複雑に絡み合った心理戦なのです。

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北米の自動車販売がピークアウトし、新たな技術や新規参入企業が次々に現れる自動車業界は、大きな転換点に差し掛かっています。誰がその勝者となるのか、正確に予測できる人はいないでしょう。

自動車業界に身を置く会社は、いかに業界で高いシェアを誇っていようと予断を許さない状況です。「わからないものには投資しない」というバフェットの教えを貫くと、今は決して投資すべきタイミングではないというのが私の意見です。


つばめ投資顧問は相場変動に左右されない「バリュー株投資」を提唱しています。バリュー株投資についてはこちらのページをご覧ください。記事に関する質問も受け付けています。

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2017年10月10日)

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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