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「人生100年時代」の老後を惨めにしない資産運用、4つのポイント=田中徹郎

45年分の変化に対応するには?

まず定期的な不労収入の確保が重要だと思います。年金財政の悪化に備える意味でも、また長い長い老後に備えるという意味でも、手間をかけず安定的な収入を確保する仕組みが重要だと思います。

具体的には、不動産と債券の保有です。上記を満たす原資産は、いまのところこの2つしかありません(※保険や投信など、不動産や債券から派生する二次資産はいくつもありますが…)。

2つ目に重要なのは、インフレ対策として、株式の保有や現物資産への配分が効果的でしょう。

3つめは、銀行預金や現金といった政府依存型の資産ではなく、それそのものに固有の価値がある資産、つまり実物資産へ一定額配分しておくという考えです。

わが国財政への懸念を想定し、海外への資産逃避も1つの選択肢ではありますが、人は高齢化に伴い、煩雑な作業が難しくなります。さらに流動性の欠如など欠点もあり、高齢者は海外投資を避けたほうが無難ではないかと思います。したがって、あくまで国内で調達できる資産によって、地理的分散や質的分散を行うべきではないでしょうか。

認知症対策も重要に

最後は自身の健康問題、特に認知症対策が重要だと思います。意外と知られていませんが、例えば、銀行口座の名義人が認知症になり、本人が口座から出金できない状態になった場合、親族といえども出金や解約はできません。また保有している不動産に関する賃貸契約などの法律行為はできませんし、修繕などの発注もできなくなってしまいます

この場合、成年後見人制度の利用も考えられますが、費用の問題や手間の問題などあり、必ずしも使い勝手が良い制度ではありません。

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お元気なうちに家族信託を設定しておけば、奥さんやお子さんへの負担を減らしながら、認知症発症以降も(信託の受託者であるお子さん等により)、適切に物件を維持管理していくことができます。

子供にとって親の介護は大きな負担になりますが、家族信託を使えば、すくなくともお子さんへの金銭的な負担を、減らすことができるはずです。

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一緒に歩もう!小富豪への道』(2017年10月5日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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