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神か悪魔か。ベーシックインカム時代の勝ち組と負け組、あなたはどっち?=田中徹郎

BI時代の幸福シナリオ~西暦2057年の明るい暮らしとは?

考えられる1つのシナリオは、子供への投資の成功である。

長期にわたり高度な教育を受けた結果、両親の期待通り娘2人は、今後のAI化時代に適応した高いスキルを身につけることに成功する。

長女はアメリカの有名ビジネススクールを卒業し、いまでは社会人向けに起業スクールを経営している。次女はしばらく外資系金融機関に勤めた後、いまでは富裕層向け相続アドバイスを個人事業として行っている。

2人とも家庭を持っているが、それぞれ夫と仕事を分担し、なんとかうまくやっているし、子供たちへの教育費の支出も惜しまない。自分たちが親からそうしてもらったように。

近い将来「人生100年時代」が到来するといわれているが、2人の娘は100歳を超えて生き続ける可能性は十分あるだろう。長寿化に伴って人の働き方も随分と変わったが、2人が身に着けたスキルは一生ものだ。

例えば、会社勤めをしながら小規模な事業を起こしたり、他の会社を掛け持ちしたりというように、社員は会社とより柔軟で緩やかな関係を持つことになるだろう。その場合最も重要なのは個人のスキルだ。

幸いにも2人の娘は身に着けたスキルに見合った高い収入を得て、豊かでかつ健康的な長い人生を謳歌できる可能性が高いだろう。人生100年時代の勝ち組だ。

一方で両親のほうはどうだろう。ベーシックインカムの支給に伴い年金は廃止されたが、幸い40年にわたって蓄えてきた預金がある。ベーシックインカムのうち毎年100万円を貯金できたとすれば40年で4000万円だ。

しかも自己研鑽として取り組んだ投資知識のおかげで、株式で運用してきた部分はすでに元本の3倍ほどにもなっている。いまと比べ物価は2倍ほどに上がっているが、豊かな老後を送るには十分な財産だ。

すべての家計がこのようにうまくいくとは限らないが、ベーシックインカムという制度がうまく機能した場合、このような明るい未来を描くこともできるだろう。

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