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Googleが飲み込もうとしている世界と、彼らの手がまだ触れない世界=シバタナオキ

Google is eating the world.

著名なベンチャーキャピタリストであるマークアンドリーセンは、数年前に次のようなことを言いました。

Software is eating the world.

これは「世の中のあらゆる部分がソフトウェアによって置き換えられてきている」という趣旨の発言ですが、最近のGoogleの人工知能周りでの進化を見ると、

Google is eating the world.

とも言いたくなるほどの進化を見せているとも思えてきます。

特に「音声認識の精度を上げる」「翻訳の精度を上げる」「綺麗な写真を撮れるカメラを作る」と言うように、数学的に記述できそうな問題に関しては、Googleよりも早く正しい回答をできる会社はこの世に存在しないのではないでしょうか。

Googleの手が(まだ)及ばない世界

そんなGoogleですが、一方で、弱点がないわけでもありません。今回の新製品発表会で発表された内容でも、いくつかの弱点が確認できます。

1つ目は、Pixel 2を発売する国がアメリカ、イギリス、カナダ、ドイツに限られているという点です。

Pixel 2は、Googleにとってはフラグシップデバイスであり、iPhoneに対抗していくのであれば、できるだけ多くの国で発売すべきものだったとも言えるでしょう。

私が日本人だからと言うわけではありませんが、スマホ大国である日本が含まれていないという点は、本気でPixel 2を広く普及させるていくという意味においては、非常にマイナスであると言わざるを得ません。

日本はiPhoneユーザーが非常に多い国でもありますが、Google playのアプリの売上を国別に見ると、日本はアメリカと並ぶほどに大きな市場であり、Googleにとって特にモバイルでは無視すべき市場ではないはずです。

2つ目は、アメリカでのPixel 2の携帯キャリアからの発売が、Verizonのみであった点です。

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アメリカでも日本でも、約$1,000(約10万円)もする端末を、一括払いで購入するユーザーはそう多くはありません。多くのユーザーは契約している携帯キャリア会社から、通常24ヶ月の分割払いでスマホ端末を購入します。

VerizonはアメリカにおけるNTT Docomoのような存在で、ユーザー数が非常に多いのも事実ですが、他にも3つの主要キャリアがあり、それらのキャリアでPixel 2が取り扱いされないというのは、販売台数を増やしていくという点では大きなデメリットになると言わざるを得ません。

Next: 技術力ではない、GoogleがAppleに及ばない点とは?

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