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次期FRB議長は誰だ? 有力候補者5名の金融政策が市場に与える影響まとめ=児島康孝

意外とタカ派ではない? ウォーシュ元FRB理事

ウォ─シュ元FRB理事は、タカ派の金融政策で市場を混乱させるのではないかと危険視されています。

しかし私は、パウエルFRB理事の話とは逆に、長期的に考えればウォーシュ元FRB理事も適任であると考えます。

今後、FRBは金利の引き上げを進める時期に入ってきます。恐慌の時期には恐慌の専門家のバーナンキ氏が議長であったように、これから金利を引き上げる過程では、ウォ─シュ元FRB理事が議長となっても歴史の必然のような気もします。

また、ウォ─シュ元FRB理事が単なるタカ派であるのかというと、そうではないと思います。現状の経済は、過去の雇用の喪失が大きかったために、以前のようにすぐにインフレにはならないという考え方も持っています。柔軟に経済の現状を分析する人物でもあるのです。

FRB議長人事の報道では、ウォ─シュ元FRB理事がタカ派であることと、市場を混乱させるという話が強調されていますが、詳しく主張を見ますと必ずしもそうではありません。とはいえ、ウォーシュ元FRB理事がFRB議長に指名されれば、短期的な市場の混乱は避けられないでしょう。

短期の混乱を避けるのか、長期的な先の事を考えて人事を行うのか、悩ましいところでしょう。

金融政策面は未知数のテーラー教授

スタンフォード大学のテーラー教授は、「テーラー・ルール」といわれる中央銀行の金融政策(政策金利)決定の算式を考案したことで有名です。インフレ率やGDP(国内総生産)をもとに、望ましい政策金利の水準を算出するわけです。

この「テーラー・ルール」は、インフレ率やGDPが高まれば金利を引き上げるという、現在の中央銀行の金融政策と概ね整合性があります。しかしながら、FRB議長にふさわしい「大物」である一方、実際の金融政策をどのように行うのかは、意外とわからない部分もあります。

コーン国家経済会議委員長は圏外?

コーン国家経済会議委員長は、当初は次期FRB議長に有力視されていましたが、トランプ大統領を批判した頃から雲行きが怪しくなり、現在はあまり有力視されていません

叩き上げでゴールドマン・サックスを上り詰めた人物であり、トランプ大統領と似た感じの経歴を持つ実力者です。反面、エリートコースを歩んできたわけではないため、FRBには向いていないとする意見もあります。

さて、このような感じで、次期FRB議長の選定作業が進められています。FRBは世界の金融市場を大きく左右する存在であるだけに、来年2月の任期に向けて、マーケットの関心が高まっています。

Next: 市場は2018年初めに調整入り?そろそろポジション調整のタイミング

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