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スタバの本音はどっち?「難民1万人雇用計画」の理想と現実を見極めよ=児島康孝

トランプ米大統領がシリアやイランなど7ヶ国からの入国を規制した問題で、スターバックスが難民1万人の雇用計画を発表。これは本当に「素晴らしい計画」なのでしょうか?(『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』児島康孝)

スタバの計画は本当に「素晴らしい」のか?見極めのポイント

「難民1万人雇用」

トランプ大統領が「シリア」や「イラン」など7ヶ国の入国を規制した問題で、スターバックスが難民1万人の雇用計画を発表しました。

これは難民1万人の雇用が、どのような形で行われるかによって、評価が大きく異なります。つまり、現在の人員または採用計画に上乗せして「さらに難民1万人を雇用するのかどうか」です。

上乗せする(=人件費増を負担する)のであれば、これは素晴らしい計画です。一方で、雇用の置き換えであれば、評価はできません。

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例えば、日本の店舗みたいに、同時に5人が働いているスタバを例にしましょう。日本人5人+難民1人で「6人体制」にすれば、ハッピーです。一方、日本人4人+難民1人で「5人体制」となれば、会社としては同じですが、これまで働いていた日本人1人分の仕事がなくなります。日本人1人分の給料→難民1人分の給料で、会社の支出は同じになります。

つまり、こういうことです。

採用予定1万人+難民1万人=2万人?
採用予定1万人-採用なし1万人+難民1万人=1万人?

難民1万人を雇用することで、アメリカ人など各国の採用数が1万人減らされるのであれば、これはアメリカ人など各国の人にとっては「採用削減計画」であるのです。本来、スタバで働けていた人が、働けなくなるわけです。

ですから、グローバル化で職を失った・仕事がない人にとっては、難民を雇用するよりも、自分を先に雇ってくれという話になります。

これは、トランプ大統領の政策について、見方が大きく分かれる理由でもあります。グローバル化で貧困化し、生活が厳しい人はトランプ支持グローバル化の恩恵でマネーがあり、余裕がある人はオバマ支持。本来は、金持ちがトランプ支持で、貧困層がオバマ支持となりそうなものの、逆になっているわけです。

ですから、反トランプ・デモが大きく報じられていますが、デモよりも雇用生活を第一に取り組んでほしいという米国民が大量に「隠れている」ということになります。そういう人たちは、デモに出てきません。

もっとも貧困層でも、不法移民で立場が危ういという人はオバマ支持でしょう。アメリカでは、不法移民がすでに1000万人以上になっています。

Next: パイが限られる「雇用」というイス、そこに座るのは誰か?

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