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「ググれカス」はもう古い。賢明な投資家のための情報収集術(上)=俣野成敏

2. とびきりの情報は「人を介してしかやってこない」

多くの人は、情報とはネットや紙、書籍などといった2次元の中にあると考えがちです。しかし、特に「情報をビジネスに結びつけたい」と思うのであれば、3次元で行動することが第一条件となるでしょう。

前項では「真に有用な情報とは人がもたらす」というお話をしました。それでは、どうやって人とのつながりから、情報を収集していけばいいのでしょうか? 次のパートで事例等を挙げ、詳しく説明したいと思います。

【事例1:一流の人に直接、教えを請う方法】

最初の事例は、当マネースクールの共同運営者であるHさんです。現在、Hさんは金融の専門家としてご活躍され、所属する約300名のFP(ファイナンシャルプランナー)のうち、2013、14、15年とベストFPに選ばれています。とはいえ、もちろん始めからプロだったワケではありません。もともと、Hさんは一般投資家からキャリアをスタートしています(Vol.24「投資家VS詐欺師」参照)。

それでは、どうやって「一般投資家」から「金融の専門家」になったのでしょうか?

Hさんは当時、投資家としてもある程度の成功は収めていましたが、我流だったために、突き抜けるまでには至りませんでした。そんな時にセミナーを通じて知り合ったのが、現在の投資の師匠です。Hさん曰く、「最初に会った時の、師匠の自分に対する印象は薄かったと思います。しかも間に3人くらい取り次ぎがいて、師匠は遠い存在でした。でも私は『キーマンはこの人だ』とすぐに分かり、「直接話がしたい」と思いました」ということです。

そこでHさんは、「どうしたら相手に近づけるか?」と考えたそうです。最初に取った行動とは「師匠の顧客になる」ことでした。それも中途半端になるのではなく、「師匠のサービスすべてに申し込み、利用する」という徹底ぶりです。これはつまり「あなたを信用しています」という意思表示に他なりません。こうなれば、師匠も「この人は違うな」と注目するようになります。顧客になれば、相手も無下にはできなくなります。

次にHさんが行ったのは、「相手に物理的に近づくこと」でした。取り次ぎの方に師匠のスケジュールを聞いて、わざわざ地方まで出向いてセミナーに参加したり、「近くまで来たので、コーヒーを差し入れしますね」といったように、「あなたと近づきになりたい」という思いを全力でアピールし、猛アタック。

ついには一緒に海外に行き、1年ほど師匠のカバン持ちを勤めたそうです。しかも、ほぼ無償です。けれど、その見返りは大きなものでした。Hさんは師匠の真横で学び続けた結果、金融の専門家として自立できるまでになり、同時に師匠のビジネスパートナーとしての地位も獲得したのでした。

確かに、サラリーマンの方がHさんと同じことをするのは、少々難しいかもしれません。しかし、この「情報元に極限まで近づいて情報を得る」という方法は、大変有効です。この方法を応用するのであれば、たとえば「海外渡航など非日常空間(海外ツアー等)に一緒に行く」ことなどです。

実のところ、海外ツアーというのは師匠の真横で学べる良い機会です。これが仮に日本だった場合、セミナーなどが終われば「では、お疲れさまでした」で終わってしまいます。けれど海外であれば、移動で同じ乗り物に乗ったり、ホテルなどでも一緒に過ごせます。道中は暇になりますから、会話にも応じてもらえます。「この人から学びたい」という人の、「いかに近くで共に時間を過ごせるか?」という意味で、海外はオススメです。

もう1つ、重要なポイントとしては「目的を持つこと」です。万一、「この人の側にいれば、なんか良いことがありそうだな」というような、漠然とした目的で近づくだけでは、得られるものは少ないでしょう。「この師匠から、良い投資商品と悪い投資商品の見分け方を学ぶ」といったように、自分の中に具体的な目的を持つことによって、得られる情報の量に違いが生まれます。

Next: 事例2:現地の人から直接、生情報を仕入れる方法

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