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ゆっくりでいいなら億万長者確定!常勝のS&P500インデックス投資法=東条雅彦

私たちは「常勝のS&P500」に“いつ”投資すればいいのか?

そこで多くの人がインデックス投資を実践する上で、「いったい、いつS&P500への投資を開始すれば良いのだろうか?」という疑問を抱きます。

一般的なインデックス投資論では、本稿で見てきたように「保有期間の長さ」がリターンを決定づけます。

そのため、S&P500への投資を開始するタイミングをうまく捉えるよりも、コンスタントに投資を続けて、保有を継続することに集中することが推奨されています。

インデックス投資について、膨大な歴史的なデータを用いて研究しているジェレミー・シーゲル博士の著書『株式長期投資のすすめ』の内容(127~128頁)を以下に引用します。

15年以上もロバート・エガートはエコノミストの予測を集計し、「ブルーチップ経済指標」として発表している。1979年7月のブルーチップ経済指標によれば、多くのエコノミストが景気後退はもう始まっていると予測していた。

しかし、NBER(全米経済研究所)は景気のピークは1980年1月と決定した。エコノミストは、1980-82年の厳しい景気後退の予測にも失敗した。1985年4月には、多くのエコノミストが景気拡大は1986年12月に終わると予測していたが、これは実際よりも3年半も早すぎた。1987年の株価暴落ののち、エコノミストは成長率予想を引き下げたが、実際には経済成長率は4%に加速した。<中略>

株式の価値は企業収益を基盤する。景気循環は企業収益の重要な決定要素である。もし景気循環を予想できたなら株のリターンはきわめて大きい。だが実際には難しい。さまざまな経済統計が開発されているが、予測の精度は上がらない。最悪のやり方は、景況感を後追いすること。これには株式をその高値で買い、安値で売ることになる。

投資家への教訓は明らか。経済分析をもってしても株に勝つのは難しい。景気の転換点を当てるのは、その時期を過ぎてからで、その時に株価はもう動いている。

注目すべきは「エコノミストは、1980-82年の厳しい景気後退の予測にも失敗した」という部分です。驚くべきことに、エコノミストの景気後退の予想にもかかわらず、S&P500はその後、約20年間にわたって黄金時代を迎えます。

1980年代、1990年代はほとんど負けることがなく、毎年のように+20%~+30%のペースで上昇が続いています。この黄金時代は、ITバブルが崩壊する2000年に入るまで続きました。

<黄金時代>

1980年+32.50%
1981年-4.92% ←小休止
1982年+21.55%
1983年+22.56%
1984年+6.27%
1985年+31.73%
1986年+18.67%
1987年+5.25%
1988年+16.61%
1989年+31.69%
1990年-3.10% ←小休止
1991年+30.47%
1992年+7.62%
1993年+10.08%
1994年+1.32%
1995年+37.58%
1996年+22.96%
1997年+33.36%
1998年+28.58%
1999年+21.04%

<ITバブル崩壊>

2000年-9.10%
2001年-11.89%
2002年-22.10%
2003年+28.68% ←バブル崩壊から脱出!

毎年、年初に「今年の株価は上がるか?下がるか?」という特集記事が出回りますが、この種の予想が当たらないのと本質的には同じ話です。景気後退を予想して、S&P500への投資を見送っていると、その期間分、機会損失になります。

シーゲル博士の結論は「いつでもいいから、とにかくS&P500に投入せよ!」です。

Next: いきなり全資金投入はアリ? 結局どういう買い方が良いのか

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