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数多くの上場企業が行う「決算説明会」ってどんなもの?実例を交えて紹介!

現在、上場している企業の一部では、業績や戦略などをアナリストや投資家に説明する「決算説明会」が数多く行われています。この決算説明会の意味合いや、実際の様子について『億の近道』の著者の1人である「炎のファンドマネージャー」さんがにコラムを寄せています。

決算説明会ラッシュの中で

2015年3月期決算説明会がラッシュとなっています。

多くのアナリストが企業にアプローチする際に決算説明会への出席は欠かせない年中行事です。そこでの企業側の説明と専門的な知識を備えたアナリストが質問を浴びせ、その回答を聞きながら株価の方向性を読み取り、投資判断を下す材料を投資家に伝えながら評価が決まって参ります。

上場企業にはさまざまなタイプがあり、それぞれにユニークな事業活動を続けていますので、業績の見通しを聞き出すプロの技も多種多様で実に面白いものがあります。

株価は業績の成長性を織り込みながら形成されますし、リスク要因を見逃すとあとで業績の下方修正に見舞われ、アナリストとしての責任が果たせないので、質問する立場のアナリストも真剣です。私はすこし手抜きをして発行済み株式数×株価=時価総額が経常利益の何倍かを算定して評価しながら買いか売りかを判断するように心がけています。

投資のモノサシとして良く使われるPERだけでは特別損益などがのっかると役に立たなくなりますのでさまざまな評価のモノサシを用いることが必要となりますが、私の場合は時価総額を判断基準に使っています。

企業はどのような業績数字を期初において算定し、公表するのかが最初の財務担当や経営者の役割。連綿と行ってきた決算発表が期初の計画や期中の修正に対してどうだったのかまずは評価されます。

企業によってはこれが実にいい加減なところがあっていつも結果の業績が下方修正されたり、反対に大幅な上方修正に至ったりします。東証1部上場企業の多くはそうしたことがないように努めていますが、新興市場の企業などはかなり変動が激しい現実があります。

それは業種にもよりますが、規模が小さいと費用の出方次第で利益は大きく違ってきます。
逆に想定以上の売上増で業績を大きく上方修正する場合もあります。

最近では中間期の業績見通しを出さない企業もあり、通期だけを出しているケースも見かけます。
このことは私にしてみれば滑稽に見えます。より近い時期の見通しを出さずに先のことをさも正しい見通しのように示すことは業績計画に対する自信のなさなのかも知れません。

また、業績計画に対してレンジを設けて投資家に判断をゆだねるケースもありますが、この場合はしっかりとそのレンジがなぜ設けられているのか、下限のケースの場合と上限のケースの場合とに分けて説明がなされる必要があると思われます。

先日開催された創薬ベンチャー企業、リボミック<4591>の説明会でも中村社長がレンジで今期見通しを示したことに対して、慎重な姿勢で出してはいるが、実際には結果的には上限で出る確率が高いけどラインセンスアウトが本当にできるまでは慎重に数字を出しているとの話でしたので、集まったアナリストは自らのレポート作成の参考にしたと思われます。

その際に著名医薬品アナリストが言い放った「そうした細かい数字は良いから社長はもっと夢を語ってはどうか」という言葉が耳に残りました。中村社長はどなたかのアドバイスに従い、業績のレンジを示したのでしょうが、創薬ベンチャーの常識となっている開発費用先行で大赤字の連続ということが、リボミックに関しては上場直後の決算から黒字として約束を果たせたというのです。しかも今期も大手製薬メーカーへのライセンスアウトが実現したら黒字化するというのですからどこかほかの万年赤字垂れ流しの創薬ベンチャー企業にも刺激になりそうな話ではあります。

そのリボミックは残念ながら上場後の株価が一度も公募価格を上回ったことがないという状況なのですが、やっていることはRNA活用型の創薬ベンチャーで面白いので億の近道の読者のみなさんも関心を持って頂くと良いかと思います。

億の近道』(2015年5月25日号)より一部抜粋
 

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