中国本土で炸裂しかねない「北朝鮮の核」
一方、政治、軍事面では中朝関係の悪化が気がかりです。
北朝鮮への武力行使は米国の専売特許と考えがちですが、中国が力ずくで北朝鮮の金体制を抑え込む可能性も浮上しています。先の、中国特使を訪朝させたものの成果を挙げられずに帰国した事例を見ても、両国の冷えた関係が浮き彫りになっています。
北朝鮮の脅威については、米国よりもむしろ中国の方が危機感を強めているように見えます。
米国としては北の核が拡散し、特にイランにわたることを警戒しますが、米国本土を脅かすリスクは小さく、金体制を倒す意図もないようです。むしろ金委員長を利用して北朝鮮の脅威を煽り、日本や韓国から防衛費をしぼれるだけ搾り取れるからです。北の核さえ抑え込めればよいはずです。
一方の中国はより切迫しています。北のミサイルは北京を向いていると言われます。金委員長は就任以来一度も北京を訪れていません。中国政府を信用していないのです。
北のミサイル実験で、射程が3700キロに延びましたが、これはグアムが危険になったというより、むしろ中国全土が北のミサイルの射程に入ったことを意味しています。
中国の核は、西部の山岳地帯に無数のトンネルを掘り、地下要塞を作って秘密裏に保管していると言います。かつて四川大地震が起き、核兵器を作る秘密都市が壊滅し、中国軍が市民よりも先に核やウランの処理をしていたことが報じられました。
北のミサイルがこれら核施設を攻撃すれば、中国は一大事です。