2. マネープランの実行と課題
たとえば老後資金などのように、目標が現在地から遠ければ遠いほど、「月に3万円も貯めるはしんどい…」となりがちです。特に未来像が明確に見えていない我慢は辛いでしょう。そこを明確にするのが、マネープランです。
ここでは、具体的にマネープランの基礎知識についてお伝えします。
【マネープランを組む上で欠かせない“5つの要素”】
手元に残るお金を増やす方法とは、基本的には2つしかありません。それは「収入を増やすか」「支出を減らすか」のいずれかです。ここでたいていの人は、収入を増やすことに目が行きがちです。しかし、大きな問題が立ちはだかります。それが何かというと、「収入を増やすのは簡単なことではない」という事実です。
最近、副業や兼業が注目されており、それ自体はいいことには違いありません。その他、投資を検討する人も増えていますが、どのみち「簡単に儲かる」と思っていては、うまくはいきません。事業の多くは初期投資が必要ですし、特に投資の場合は先に原資を用意する必要があります。私が運営しているマネースクールにも、「投資をしたくてもお金がありません」という相談が数多く寄せられているのはそのためです。
現実には、たとえ給料による収入が増えなくても、支出をコントロールし、手残りを増やすことによって、そこから原資を捻出することは可能です。ただ単に「お金が欲しい」「老後が心配」というのではなく、将来のために、意図的に貯金をしていくことが大切です。
貯金を含めた資産形成を進めていくに際し、いくつかの段階があります。それが、
第1ステップ:マネーレコーディング → 現状把握
第2ステップ:マネープラン → 予算組み
第3ステップ:プランの実行と改善 → 貯金をつくる環境づくり
第4ステップ:投資や副業などの検討 → 余剰金をさらに殖やす手段の選択
の4つのステップです。
ご安心いただきたいのですが、マネレコもマネープランも、やること自体は決して難しくはありません。使ったお金を項目ごとに分けて記録し、予算に対してどうだったのかを計算するだけです。マネレコに関しては、当メルマガのバックナンバー【Vol.41】をご覧ください。はじめにマネレコを行って、マネープランに必要な“材料”を揃えます。
マネープランを行う上で、外せないのが以下の5大要素です。
- 収入→給料、副業以外に投資の利益やネットオークションの利益等含む
- 支出→わかっているようでいて、実態を把握できていない場合が多い
- 資産→現金、預金、仮想通貨、株券、投資信託、国債、不動産、保険等々
- 負債→いくらあるか?返済のペースは?
- 働くことが可能な期間→あと何年、働くことが可能か?年収の変化は?
これらが、マネープランを組む際に必要となる項目です。ここにさらに、家族構成などから、ライフイベントを想定すれば、今後必要なお金の概算がわかります。ライフイベントとは、たとえば子供にかける教育費、結婚や出産、入学、病気やケガなどのアクシデント等々…のことです。
これらを算出することによって、自分自身の課題が浮き彫りになってくるでしょう。この「現状を把握する」ことが、マネープランを行う重要な役割の1つとなっています。
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