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プロ視点で考える「日銀のETF買い」本当の効果。官製相場はいつまで続く?=高梨彰

日銀の株ETF買いは基本的に「前日の終値よりも値が下がった場合」に入ります。朝イチの時点で「今日は日銀ないな」という状況でも、油断はできません。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)

※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2017年12月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:高梨彰(たかなし あきら)
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。

典型的な官製相場。「前日比マイナスの押し目」は拾う価値あり?

前日比マイナスになると日銀への思惑が高まる

前場が引けたので、「金のビーフカレー」でも温めようかと思ったのですが、前引けに合わせて日銀の株ETF買いへの期待と思わせる株先物買いが入り、相場に巻き込まれ続けています(※編注:原稿執筆時点12月1日)。

日銀の株ETF買いは基本的に「前日の終値よりも値が下がった場合」に入ります。今日(12月1日)は朝から乱高下で日経平均は一時23,000円直前まで上昇後、米国の税制改革法案への思惑、「審議難航か」との報を失望し22,600円台まで一時下落しています。

ということは、朝イチには「今日は日銀無いな」だったのが、前引け時には「そりゃ買うでしょ」へと変化です。

日銀ETF買いの「下落抑制」効果は絶大

日銀の株ETF買いによる最大の効果はここにあります。前日比で下落すると日銀への思惑が高まるため、値下がり材料が出ても朝方に売りが一巡した後には、売りの手が自然と弱まります

そのため、日銀の株ETF買いが無かった時と比べて、相場下落時の値幅が総じて小さめです。

また、基準は「前日の引け値」です。今日のように前日比200円近く上昇して始まったとき、相場が売りに転換しても暫くは日銀の存在を気にする必要はありません。そんな中でも株先物大口売りです。

この昼休みも、前日比マイナスの段階で先物買いが入ったものの、前日比プラスまで上昇すると上げが当然のように一服します。「官製相場」の典型ですが、金融政策がそうである以上、付き合うしかないのです。

Next: 「前日比マイナスの押し目」は拾ってみる価値あり/まとめ

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