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オークファン、10期連続増収達成も「不甲斐ない結果になった」 新BtoCチャネルで事業領域拡大を図る

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2017年12月7日に日本証券アナリスト協会で開催された、株式会社オークファン2017年9月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

目次

武永修一氏(以下、武永):本日はお集まりいただきまして、ありがとうございます。オークファン代表の武永でございます。まず1番の「はじめに」と3番の「2018年9月期見通し」を、私からお話しさせていただきます。2番の数字的な部分(2017年9月期決算業績)というのは、田島(宜幸氏)からご説明させていただきますので、1、2、3という順でお話をさせていただきます。

4、5とあるんですけれども、5番は我々の各サービスの概要等を改めて記載しているAPPENDIXになります。もし、会社名とかサービス名で「これって何だっけ?」というご質問等があれば、お尋ねいただいても構わないですし、このAPPENDIXに各種の概要が載っていますので、ぜひご参考いただければと思います。

4番(事業進捗(サービス利用動向))は、各数字の進捗等が載っているので、必要に応じてそこのページをご覧いただきながら、ご説明を進めたいなと思っています。

別紙でお配りしているのですけれども、本日(2017年12月7日)、楽天株式会社さんからBtoB事業を当社が譲り受ける合意が行われたというリリースが出ています。これは、我々も出していますし、楽天株式会社も15時にアップをされているんですけれども。こちらも、後ほどご説明したいと思っています。

当社の事業モデル:データを核とした “2本の柱(事業)”

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「はじめに」のご説明でございます。1年ぶりの決算説明会ということで、かなり当社の事業モデル等も、いろいろ変わってきています。やはり4年前(2013年)に上場したときのモデルというのが、非常に今でも認知が高いところなんですけれども。ここの図でいくと、オークファンの「メディア」というところでございます。

こちらは今でも堅調な成長をしていまして、アクセス数が当時(2013年)は600万UV程度だったのが、今(2017年)は1,400万UVと。つまり、毎月1,400万人の方が当社のメディアを見て、価格をチェックしてくださるというところが堅調でございます。あと「77万人」というのは、プレミアム会員を中心とした有料・無料の会員。会員にならないと見られない機能とかがあるんですけれども、そちらのかなり意欲の高いユーザーさまが、77万人いらっしゃるということです。

これはメールアドレスとか個人の属性等を取っています。これでやってきたんですけれども、やはりメディアとして閲覧数だけではなく、実際に商取引の場も開設したいということで、2015年あたりから、「NETSEA」というサイトと「ReValue」という、いわゆる在庫流動化のアセットリクイデーション事業。この2つが、実際の商取引に我々が入っていくというところで、約2年ぐらい前から立ち上がりました。

右側(「ソリューション」)は、こちらも2年ぐらい前(2015年)から先行投資をやってきたんですけれども。企業に対する、さまざまなECに関する問題解決をしていこうということです。例えば、Hamee株式会社さんがやっている「ネクストエンジン」みたいなシステムで、我々も「タテンポガイド」というものを持っているんですけれども。

こちらは大手さまに非常に導入が進んでいまして、こういった一括ECソリューションの仕組みや、あとはデジタルマーケティングをやっている、株式会社デジファンという会社もあります。

今は「メディア」「マーケットプレイス」「ソリューション」という、この3つで事業を展開しています。

エグゼクティブサマリー

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エグゼクティブサマリーです。数字は、後ほど詳しく田島からご説明をさせていただきます。ちょっと今回は非常に申し訳ない、不甲斐ない結果に終わってしまったと本当に反省しています。

売上高は、会社が設立した2007年から、小さいながらも10期連続増収を達成しています。もちろん今期(2018年)も、大幅な増収を見込んでいるんですけれども。

一方利益が、営業利益・経常利益ともに、ちょっと振るわない結果になってしまいました。とくに営業利益は、対予算で未達・昨対でもマイナス。かつ、下方修正のラインを割ってしまったということで、投資家・株主のみなさまには、本当に申し訳ない結果になってしまいました。ただ今期は、これらも全部こなしながら、増収増益というところには、足元で強く向かっていますので、こちらも後ほどご説明できればと思います。

事業進捗としましては、オークファンは上場以来メディアも伸びてはいますけれども、いよいよマーケットプレイス(を主軸のビジネスへ本格展開)。とくに、上場会社のアスクル株式会社さんとか株式会社MonotaROさんがやっていらっしゃるような、BtoBの(事業)。我々はあくまでも中間財ではなく、消費財になるんですけれども。そういったジャンルを今後強化していくというところが、ハイライトになります。

中期経営計画 ~「DASH!2020」~

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中期経営計画に関しましては、こちらのページのグラフになるんですけれども。以前作らせていただいた2020年の計画(「DASH!2020」)は継続ということで、目標を変更することなく、(2017年からの)残りの3年間でこの地点に到達させたいということで、今やっています。

それでは田島から、業績の具体的な数値面をお話しさせていただきます。また(2018年9月期)見通しというところで、私から再びご説明差し上げたいと思います。いったん、代わります。

連結業績ハイライト

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田島宜幸氏:それでは代わりまして、私から2017年9月期の、数字周りの詳細をお話しさせていただければと思っています。みなさんからすると、いちばんご興味があられるのではないかなと思いますけれども。

こちらは、連結業績のハイライトになっています。お手元の資料だと、8ページ目です。真ん中の列に、2017年9月期の実績を書かせていただいています。

連結売上高が36億5,600万円、前年同期比で34パーセント増。逆に、開示予算に対しては4パーセントの遅れが発生しています。

続いて営業利益ですけれども、こちらは2億500万円、前年同期比で35パーセント減。開示比で言うと、50パーセント減という着地になっています。

経常利益が3億200万円、前年同期比で8パーセント減・開示比で34パーセント減。

当期利益は、2億1,800万円で着地をしています。前年同期比29パーセント減と、開示に対して31パーセント減というのが、着地の数字になっています。

こちらは、先ほど武永からもありましたけれども、非常に残念な、我々からすると悔しい数字になってしまったかなというところで、改めてこちらの数字をもとに、今期以降の成長を固く決心しているところであります。

連結売上高推移(四半期ごと)

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次のページは、四半期ごとの売上高の推移を書かせていただいているものです。こちらの2017年9月期の数字は一部、決算短信や有価証券報告書と、ちょっと違う数字もあるんですけれども。

我々は、年度末に決算修正を行っているんですけれども、監査修正の内容を一部、実際に起こったタイミングで各Qに均して表示しているのが、こちらのグラフになっています。

なので、お手元の決算短信等の数字とは若干の違いが出ていますけれども、より事業の実態を理解していただくにはこちらの方がわかりやすいかなと思い、あえてこのグラフでお話しさせていただきます。

2017年度の第1四半期は、売上高が全体で8億8,000万円という数字だったんですけれども、第4四半期は9億7,900万円。順調に、四半期ごとに積み上げができてきているかなというところでございます。

とくに、先ほど武永からも話がありましたけれども、2015年年度の第4四半期にNETSEAという事業と、2016年度の第3四半期の頭のタイミングで、Smart Sourcing・ReValueの2社を連結で組み入れています。それ以降、順調に右肩上がりの成長を続けているのではないかなと、我々は理解しております。

セグメント別業績 - 売上

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続いて、セグメント別の売上の詳細について、簡単にお話をさせていただきます。10ページ目です。

我々オークファンという会社は、ソリューションとメディアとマーケットプレイスという3つのセグメントから構成されておりますけれども、その3つのセグメントすべてで、前年同期比で増収を達成したのが、1つのトピックでございます。

連結だと、プラス34パーセントという着地です。この34パーセントの内訳の中でいちばん大きいのが、マーケットプレイスです。グラフで言うと真ん中の、黄緑色になっているところでございます。こちらはセグメントで、前年同期比でプラス63パーセントという伸びをしています。

この成長の要因は、2つあります。1つは、先ほどお話をしたReValueという事業が、初の通期貢献になったこと。それまでは半期貢献だったんですけれども、連結に与える影響が通期になりました。

もう1つは、NETSEA・ReValueともに、新規の営業の得意先が拡大したりとか、既存の得意先の深掘りができたりとか、事業進捗が順調に進んだことが大きなトピックとして、この63パーセントの成長の内訳になっております。

続いて、下のメディア事業(グラフの緑色の部分)。これは創業来の基幹の事業でありますけれども、こちらについては、プラスの15パーセントで着地しています。資料の右下に細かい文字で内訳を書いていますけれども、月額の課金のサービスは、実は横ばいで推移しています。

一方で、前期に非常に力を入れて取り組んだのが、こちらの「スクール事業」と書かせていただいているところです。これまでは、月額数百円のお金を頂きながら、できるだけ広いお客さまにサービスを提供していくかたちでやらせていただいていたんですけれども。逆にこのスクール事業は、月額10万円を超える非常に高額な商品です。

お客さまに、我々の会社や会議室に実際に来ていただいて、「物を売るときには、どんなノウハウがあるんだっけ」「どんな商品を仕入れればいいんだっけ」「オークファンって、どう使っていくと実際の事業に結びつくんだっけ」というところを、実際にコミュニケーションさせていただき、より深掘りしながらお客さまを育てていくことを1つの終着点として、スクール事業を始めています。

こちらは、個人の方が「物をオークションで買いたい」「相場をちょっと調べてみたい」「これは割安なのかを知りたい」ということよりは、個人事業であるとか、事業として物を売ったり買ったりするときに、「オークファンってどうやって使うんだろうか」「そのときのノウハウって何だっけ」ということを、学んでいただくスクールでございます。

こちらにかなり注力した結果、売上としては非常に伸ばしてきているかなというところで、最終増収で着地をしたというのがメディア事業です。

いちばん上の、ソリューション事業(グラフの灰色の部分)に戻ります。こちらは、在庫連動・受注連動等、ECショップ周りの細々とした、「日々使わなきゃいけないけれども、一つひとつやるのが大変だよね」という機能をまとめて提供する、ASPを提供している事業体です。

こちらも月額いくらという、お金を積み上げていく事業モデルなのですけれど。それに加えて、既存の会計・物流システムつなぎ込みをする、システムインテグレーションが必要になってくるので、そういうカスタマイズの案件を取りながら増収に結びつけているのが、ソリューション事業の概況でございます。

以上により、売上高はプラス34パーセントという推移をしています。

セグメント別業績 - 営業利益

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11ページ目が、営業利益の内訳になっています。こちらは先ほどとは変わって、3つのセグメントすべてで減益になっています。全体で、マイナス35パーセントという数字です。

まず、いちばん上のマーケットプレイスがマイナス18パーセントで推移しています。ここは先ほどお話をしたように、売上は63パーセント伸びているところではありますので、新規の開拓に対する一定程度の投資と見ていただけるのがいいのかなと思っています。

後ほど武永からもお話があると思いますけれども、非常に大きな市場を相手にしていますので、我々も新規取引先を拡大するといったところで、まずは先行投資をしながらシェアを拡大していく。ここに対する投資により、減益という結果になっています。

真ん中が、メディア事業です。こちらも33パーセントの減益になっているんですけれども、その内訳の大きなところは広告収入の減少です。我々は、もともとSEOにかなり長けたサイトとして、非常に多くのお客さまにきていただいていました。

しかし、2年ぐらい前(2015年)にGoogleのアルゴリズムの変更がありまして、「SEOでたくさん人を集めてきて広告を踏ませるようなことは、なかなかユーザー行動にそぐわない」というところで、「そういうサイトはSEO的にも評価を下げよう」という動きがありました。

もうちょっと、「ユーザーにたくさん長く使ってもらえるサイトを目指すべきだ」ということもあったので、そういう影響で広告を意図的に減らしています。もう少しユーザーに使いやすいサイトを作る施策の中で、広告収益が減っているのが、非常に大きなインパクトを持っています。

もう1つは、先ほどちょっとお話しさせていただいた、スクール事業です。これは一部業務委託であるとか原価が発生するので、そのあたりを含めて、減益という結果になっています。

ソリューション事業は、マイナス8,800万円という着地です。こちらも、先ほどお話ししたシステムインテグレーションがあるんですけれども。その中で、お客さまとの期待値であるとか「システムインテグレーションの要件が……」みたいなところで外注費がかさんで、マイナスの着地になってしまっているのが、ソリューション事業です。

利益増減要因の分析

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先ほどまでは、セグメント別に収益の推移を申し上げさせていただきました。続いて、経常利益の要因の内訳を分析したのが、こちらのページでございます。

我々としては非常に重要に思っている経常利益を、2016年9月期から2017年9月期までの間で、どう推移したかを書いたものです。2016年9月期に3億3,200万円あった経常利益が、売上の増加分で9億3,100万円増えて、原価の拡大で8億7,100万円かかり、販管費がプラス1億7,500万円かかり、その後営業外で8,600万円戻った結果、3億200万円という着地になっています。

こちらを見ていただくと非常に顕著にわかるのが、売上の伸びに対して、原価の拡大が非常に大きいところです。もともとオークファンというインターネットのメディアなので、だいたい8割ぐらい取れるような、非常に粗利益の高いビジネスモデルだったんですけれども。

先ほど冒頭で武永から話がありましたけれども、直近は、マーケットプレイスという事業に本格的に参入をしていくという意思を持って進めています。実際にものを我々が買っていくような、卸さんに近いような収益体に近くなってくるかなというところで、一定程度の原価率の上昇と、粗利率の低下は織り込み済みでございます。

ただ、今回我々としては、「9億3,000万円に対して8億7,000万円という原価が、想定どおりだったのか?」というと、正直なところ、「もう少し原価を減らせれば」というのがあったんですけれども。

市場の拡大と我々のシェアの拡大というところで、仕入原価を増やしてシェアを取りにいくことを、新規で参入している事業体でもありますので。それを優先した結果が、こういった経常利益の内訳につながったかなと、我々は分析しております。

資産の推移

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最後です。資産の推移を書かせていただいているのが、13ページ目でございます。

前年同期の2016年度末と比較すると、2億4,900万円と資産を減らしているというのが、内訳です。大きなところは、ソフトウェア・のれんであるとか、そのあたりの償却が順調に進んできているかなというのが、1つ。

一方で、右側(2017年度)です。純資産が非常に増えているので、自己資本比率が6割弱というところで、財務的には非常に健全な体制を保ったまま、事業の成長を実現できているのかなというのが、財務の状況でございます。

以上が、簡単な2017年度9月期の業績の内訳・要因分析でございます。

続いて、2018年9月期の見通しと、我々の目指している世界観であるとか、具体的に何をやっていくのかというところを、代表の武永から簡単にお話をさせていただければと思います。

2018年9月期 通期業績予想(連結)

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武永:それでは、3つ目のパートについて、私からお話をいたします。

まず、業績予想です。売上高60億円・営業利益4.5億円・経常利益4.5億円・当期純利益2.7億円という予想を、今回出しております。

営業利益は、もともとオークファン単体をやっていたときに、一時期売上が10億円・利益が4億円みたいな時期もあったんですけれども、いろいろな事業体を増やしていったこと。また、先ほど「シェアを取りにいく」という話が田島からありました。あと「タテンポガイド」いうシステムの先行投資もありました。

これらにより、前期は不甲斐ない結果だったんですけども、今期はだいぶ収益ベースに入ったものもありますし、あとは(事業の)選択と集中を強化していくことによって、この数字を必達できたらと思っております。

売上に関しましては、64パーセント増ということで、かなり大幅な増収になっているんですけれども。この中で、ネットプライスという会社がかなり影響していることがわかります。

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ネットプライスは、19ページ目に出てくるので、先に規模感をお話しさせていただきます。こちらは去年の実績なんですけども、年間でいくと、売上高が24億円・登録会員数が250万人ということでした。これは10数年サービスをやっておりまして、累計の購入者数なんですけれども。250万人のうち、女性比率が非常に高い(73パーセント)ということでございます。

このサービスは、かつて10年前は、120億円という売上がありました。当時の親会社だったBEENOSという会社が、まだネットプライスドットコムという名前だった時代があるんですけれども。当時の主力事業だったということでやっております。

そこから10年ぐらい受けて、徐々に売上が減っていたんですけれども、我々が深く関与するということで、下げ止まりからV字回復に、きちんとシナリオを書いてやっております。ただ、一応今期におきましては、非常に保守的にだいたい20億円の、かつ4分の3の15億円程度というところを織り込んでおります。それにより、このマーケットプレイス事業の売上高の連結計画は32億2,000万円になりました。ざっくりとした内訳としては、そんな感じになります。

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あとは、インキュベーション事業という項目があります。こちらは項目に(数値が)入っていないんですけども、実は今期から、セグメントに分けております。

当社は、たびたび特別利益を出してきたんですけれども。実はインキュベーション事業、つまりベンチャー投資を、けっこう積極的にやっていまして、かなり高いパフォーマンスを出しております。

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21ページの右側に、このインキュベーション事業の過去3年間の実績が載っているんですけれど。過去実績では、1社あたりだいたい1,000万円~2,000万円程度の出資をしていくんですけれども。かなりExit・IPO等も、今後あり得るだろうということで、「もはや特別利益がなく、これはもう営業活動である」と認識しまして、今期から(セグメントに)織り込みました。

初年度でよくまだ読めないため、こちらの予想は控えておりますので、これを含まない数字を、今回は出させていただいております。

18年度以降は、マーケットプレイス事業をさらに強化・拡大

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先ほどBtoB、マーケットプレイス事業の強化というところをハイライトで申し上げたんですけれども、どういうことかについて、ざっくりと全体観でお話しします。

我々は、オークファンというメディアのBtoC、CtoCのデータを保有しております。これと、最近統合されたNETSEA・ReValue・ネットプライスといったさまざまなチャネルでもって、何を狙っているかというところなんですけれども。

企業・メーカーさまは、だいたい年間のBtoBのGDPの、約7パーセントぐらいの棄損をしていると、我々も調査として推定しているんですけれども。20兆円から22兆円ぐらいの、いわゆる評価損が発生しているというところでございます。

この「商品」は、本当にすべての商品を含みますので、食品・アパレル・家電・建機とか、いろんなものが含まれていると思うんですけれども。この中でも、やはり捨てられる商品も非常にたくさんありますし、あとはいろんなブローカーに安く渡り、海外に流れていくものとか。もっというと、倉庫に5年や10年眠っている商品も、たくさんあります。

我々はやはり、ここを今後、我々のデータを含めた全体のソリューションを持って動かしていくことを目指しています。

上場以来、けっこういろいろと苦しんだ部分もあったんですけれども、今までの中で、22兆円の不動在庫を動かす仕組みができてきたなと、思っている次第でございます。

(資料の)真ん中に、我々が持つ、実際に在庫を流動化するような手段として、いろいろなサービスを挙げさせていただいています。

ReValueは、在庫を買い取って再販する、ある意味自己売買の部門でございますNETSEAは、BtoBのマーケットプレイス。今回「Rakuten B2B」を我々が引き継ぎ、ここに加わることになったんですけれども。プラットフォームとしても、BtoBを機能させていくということです。

一方、下のものは、BtoCになるんですけれども。ネットプライスは(年間売上高が)24億円というところです。あと「Otameshi」という、これはオールアバウトさんがやってらっしゃる、サンプル百貨店みたいな感じに近いんですけれども。企業の商品を、ある意味サンプル品として、我々もユーザーさまに提供する。かつ、その売上の一部を好きな団体に寄付できるということです。

こちらは、今非常に多くの財閥系の商社さまとか、あとはナショナルバンクのメンバーさまからたくさん引き合いをいただきまして、続々と商品が集まってきていると。

さらに我々は、いろいろなB・C・国内・海外もあると。そして、「何がいくらで売れているか」というデータを持っている。かつ、タテンポガイドというもの。これは後ほど出てくるんですけども、1つの商品をいろんな販路で一括に売れる仕組みです。これは今、ビックカメラさんとか千趣会さんとかで、大手の会社さんに導入されているシステムとなります。

これを自社活用することによって、企業さまの在庫を我々が登録した瞬間に、我々のデータでもって、「どこのチャネルでどれぐらいで売れる」というものを自動判別して、国内・海外、B・Cにどんどんと在庫を動かしていくような(仕組み)。そういったものを、達成したわけです。

いろいろな紆余曲折があったんですけども、着実に必要な機能は取り揃えてきております。強いて言うのであれば、あとは物流です。やはり、ものを動かすためにロジの機能は必須でございますので。物流や、あとは金融機能とか、在庫担保融資みたいな話もさせていただいたことがあるんです。

おそらく、金融の仕組みをどういうふうに実装するかというのは、残り(検討する部分として)あるのですけれども。今期においては、まずこれを強力・それぞれ有機的に絡ませながら、どんどん流通額を上げていきたいなというところを、我々は思っております。

なので、今期はこれ(創業来の「データ」×「流通プラットフォーム」で、唯一無二の事業モデルを確立・拡大)を、オークファングループの目指す全体像に掲げて、推進していきたいと思っております。

通期計画達成に向けた重点施策(1):メディア

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あとは個別の話になりますので、ざっくりお話しさせていただきます。

まず、オークファンというメディアの今期の取り組みというところです。こちらは、2点ございます。

1点目は、我々はメディアの中で100万人を超えるような副業主・個人事業主の方に使っていただいているんですけども、これをどんどん、彼らの稼ぐ力をより向上させながら、我々としても先ほどの在庫流動化のバイヤーになれるように、引き上げていくというところが1つ、大きな施策です。

実際にスクール事業は、足元も非常に好調でして。例えば、「日本で買ってアメリカのebayで売ろう」とか、そういったいろんなカリキュラムがあるんですけれども。そこで学んでいくと、ほとんどのみなさんは個人事業登録をして、「昼間はビジネスマンとして勤めながら、夜はいろいろ転売とかをして稼ぎたい」みたいなニーズもあるので。そういうのを、我々としてはどんどん提供していく。将来は、そこで育った方々に対して、我々が商材も提供して、在庫流動化の一端を担っていただきたいという思いもあります。

もう1点は、データ(起点のサービス強化)です。我々はフリマサイトも含めて、続々と主要サイトのデータをおさえていますけれども。それを、在庫流動化の社内ツールや、外部にもWikipedia的な感じで、各商品の値動きとかスペック等をどんどん出していきたいというところで、メディアは引き続き、第二の成長に向けてしっかり売っていくということでございます。

通期計画達成に向けた重点施策(2):マーケットプレイス①

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あと、マーケットプレイスです。「比重をこちら側に移す」という話を、さっきさせていただきました。これは、この2つのチャネル(ネットプライス・Otameshi)が手に入りましたので、しっかり伸ばしていきたいと思います。

ネットプライスは、年間売上高が24億円なんですけれども、かつては100億円規模を誇ったところもあります。いろいろな裏側のシステムとか、マーケティング市場等も含めて、 伸ばせる余地がたくさんあるなというところを感じております。

一方、右側(Otameshi)です。(ページを)立ち上げるとわかるのですけれども、実は(2017年)10月9日のWBSで9分間、このOtameshiだけの特集を組んでいただきました。今、財閥系の大手のメーカー流通さまに、続々と商品を出していただいてるということです。

この2つは、それぞれ相乗効果もありまして。「いったん、そのOtameshiとしてサンプルであるのだけれども、もっとその商品を売りたい場合は、こちらをいかがですか?」とか。あと、こちらのベンダーさまに対して、「通常では出さないんですけれども、その社会CSRを意識するのであれば、こちらにしませんか?」とか。それぞれベンダーと消費者の性質が異なりますので、そういう意味では、クロスセールとか、オペレーションの一本化も、今後進めていきたいと思っています。

通期計画達成に向けた重点施策(2):マーケットプレイス②

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また、今日(2017年12月7日)のニュースなんですけれども、楽天さんがBtoB事業を閉じるということです。「一部継承」と書いてあり、サービスのすべてではないのですが、実質的には我々がサプライヤーを引き継ぎまして、NETSEAに売場を移して売っていただく。このように、非常に我々の決意も含めた、BtoBのドメインに関するリリースだと認識しています。

通期計画達成に向けた重点施策(2):ソリューション/インキュベーション

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最後なんですけれども、ソリューション・インキュベーションというところでございます。

ソリューションに関しては、前期はちょっとすみません、赤字もあったのですけれども。「何をやっていたのか?」というところを、ご説明いたします。タテンポガイドという仕組みを、1年かけてずっと、開発を強化しているということでございます。

APPENDIXに詳しい概要が載っているんですけども、Yahoo!ショッピング・楽天・自社・KDDIさんがやっているWowma!とか、そういうものに全部一括で商品登録・配送ができるというような仕組みでございます。

我々が持っている商品データを組み込めば、いくらで値付けすればいいのか分かるんですけれども。「それは今期中にやりたいな」ということで、まずはこの作業を一括連絡にするという仕組みです。

お客さまも本当に大手さんがたくさんおられて、ご契約いただいています。千趣会さん・ビックカメラさんのグループ・ミキハウスさんとか、そういったさまざまな会社さまです。なのでけっこう、売上高300億円以上の会社さまに、(当社は)非常に他社よりも安いということで利用されている仕組みになります。

そういうものが、先ほどのソリューションという事業で、ちょっと一時期いろいろ体制等を先に組んだこともあり、赤字だったんですけれども、もう改善しています。今期から、他の大手さまにも導入を図りつつ自社で活用して、ベンダーさまの商品をネットプライス・NETSEA・ReValueモールで売り、自社で自動契約できるような感じで、扱っていきたいと考えています。

最後に、(資料の)右側のインキュベーションです。こちらは、我々がいろんなベンチャー企業に業務資本提携をしたニュースも、出しているんですけども。それ以外にも、実はかなり1,000万円から3,000万円の範囲でリスクをはっているんですけども、非常にこちらは好調です。

具体的なものは申し上げられないんですけども、損をしている会社というのは、本当に数えるぐらいで、他はだいたいバリューは上がってるのかなと思っています。これは別に、投資会社ではないので、こちらが本業ということはないんですけれども。

その過程で、また我々のソリューションが効いてくるとか、先ほどのBtoBの仕組みでご一緒できたということもありますので、これを今後2018年・2019年と、売却益とExitも増やしていきたいなと思っています。

オークファンのミッション

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我々は、会社が2007年にできたんですけども。当時から一貫して変わらないのが、このミッションということで、「あらゆる人が、あらゆる場所で、あらゆるモノを売り買いできる新たな時代を創る。」を掲げています。

4年ぐらい前までは、オークファンというメディア1本でやってきたんですけども、そこからBtoBのマーケットプレイスとか、今みたいなソリューションも加わりまして、より多方面からこのミッションに対してアプローチできるようになったのではないかと思っています。

オークファンのビジョン

オークファン、10期連続増収達成も「不甲斐ない結果になった」 新BtoCチャネルで事業領域拡大を図る

ビジョンとしましては「Trade is No BORDER!」と掲げておりますので、今期もこれに向かって、ちゃんと売上と利益を上げながら、やってもらいたいと思います。

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