佐川とヤマトでは課題解決のアプローチが異なる
最終的な目的地は似通っているはずですが、佐川とヤマトではやはりアプローチが異なります。
ヤマトが掲げているのは「複合型ラストワンマイルネットワークの整備」「幹線ネットワークを含むネットワーク全体の効率化」といった「自社」で「ソフト」による解決です。また、物流の流れで言えば「川下」中心の考え方です。重要な施策ではありますが、あくまでこれまでの戦略の延長線上にあるものと言えるでしょう。
一方の佐川は2016年に日立物流との間で資本業務提携を行い、将来の業界再編に先鞭をつけました。今回の株式上場もその一環として行われたと考えられます。そこから見えてくるのは、現在の延長線ではない新たな物流業界を作っていこうとする戦略です。
佐川は、与えられた物を運ぶだけではなく、海外からの仕入れや工場・倉庫といった商品の流れを提供することにより物流のより「川上」に切り込もうとしています。また、新たに物流施設を整備すると同時に、それを賃貸したりREITに売却したりすることによって新たなキャッシュを生み出す動きも見られます。
佐川の動きは「業界再編」「川上」「ハード」を軸とした動きと言うことができるでしょう。
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