変化2:AI(人工知能)に対する期待が高まってきた
2番目の変化は「AIに対する期待感が高まってきた」という点です。これは1番目の「バフェットがハイテク企業に興味を示し始めた」こととも、もちろん関係しています。
AIは世界を変えようとしています。バフェットが投資してこなかったアマゾンとグーグルは、特にこの分野で先行している2社です。
<アマゾンの変化>
アマゾンは全自動コンビニ「Amazon Go」を開発しています。客が店内に入って商品を手に取り、そのまま店を出ていく。Amazon Goの店内にはレジ係の店員もいなければ、レジそのものがありません。ひと昔前なら考えられない光景がそこには広がっています。
一部、報道によると、運営上の問題を解決し、もうすぐ一般向けに営業を開始できるところまで来ているそうです。おそらく今年、買収した食料品スーパー「ホールフーズ」のチェーンに、この「Amazon Go」を組み込んでいく作戦なのでしょう。
<グーグルの変化>
そして、グーグルにも大きな大きな動きがありました。グーグルの最新AI「AlphaZero」は囲碁、将棋、チェスを自己学習して、人間の能力を遥かに上回って、さらに他のAIにも打ち勝って、世界最強AIになっています。
この3つのゲームで世界最強に上り詰めるまでにかかった自己学習の時間は、なんとたったの24時間。コンピューターの進化はとても早くて驚かされます。
特に囲碁については、コンピューターが人間に勝つまでにあと10年ぐらいかかると言われていたのに、大幅に前倒しすることに成功したのです。
AI革命は、2020年代の中盤頃から本格的に立ち上がってくると見られていますが、実際にはもう少し前倒しになる可能性もあります。
そして、このAI革命で最も社会的・経済的にインパクトの大きい分野は「自動運転車の普及」だと言われています。グーグルはこの分野の研究でも先行しています。
AIによる社会変革はほぼ確定した事項で、今後、長期に渡って引き起こされます。AI革命は、短期的な株価の下落、金融危機、政府の財政破綻などのイベントとは無関係に、必ず起こると確定している未来です。