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投資家を殺す「ブラック商品」の見抜き方、「ホワイト商品」の探し方=俣野成敏

運用リスクはゼロにできない

さて。ここまで、信用リスクと運用リスクの違いはご理解いただけましたでしょうか? 一般に、信用リスクは極力、抑えることが可能です。もちろん、中には付き合いが長くなるうちに、徐々に本性を現す詐欺師もいますから、「一度、信頼できる相手を見つければ、後は全面的に相手に任せても問題ない」という話ではありません。お金を他人に預ける以上、信用リスクはついて回ります

仮に、相手が信用リスクに関して問題がない場合であっても、運用リスクについてはゼロにはできません。先ほどもお伝えした通り、市場や状況の変化によって、常に「想定外」の出来事は起きる可能性があります。この2つのリスクは、常に認識しておくことが大切です。

なぜリスクを取る必要があるのか

これでホワイト案件の定義である「極力、信用リスクを抑えながら」の意味はおわかりいただけたことと思います。続いて「必要な分だけの運用リスクを取る」についてご説明します。運用リスクをゼロにできないことはすでにお話しましたが、逆になぜ、運用リスクを取らなければいけないのかと言うと、一般にリスクとリターンは釣り合っているからです。

ですから、「リターンだけ取ってリスクは取らない」ということはできません。利回りが欲しければ、必ず何かしらのリスクを取る必要があります。ということは、問題はリスクそのものではなく、「どれだけのリスクを取れば、自分の希望している資産額に達することができるのか?」という、取るべきリスクの分量を把握していないことにあります。

元来、リスクなどゼロであるほうがいいに決まっています。つまり、投資をせずに必要金額が手に入れられる人は、そもそも投資など必要ありません。投資をすればその分、資金がロックされますから、それよりは、ほぼリスクがなく、いつでも引き出し自由な普通預金に入れておいたほうがよほど便利です。

ですから投資とは、現状と理想のギャップを今までの延長線上では埋めることが難しい人が真剣に検討するべきものです。

なのに、ほとんどの人は「自分は本当に投資をする必要があるのか?」と考えようとはしません。たいていは、ただ単に周りを見て「投資で儲かった人がいるらしいから、自分も」とか、「とにかく、お金がたくさんあれば安心できるだろう」といった理由から手を出しているにすぎません。そこを詐欺師に見透かされ、騙されてしまうのです。

Next: 自分にとっての「ホワイト案件」はどこにあるのか?

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