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ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)の秘密。なぜ買収ではなくコールオプションに?=シバタナオキ

スタートトゥデイとStretchSenseの関係

今回「ZOZOSUIT」を提供するにあたって、StretchSenseから技術提供を受けていることが発表されているだけではなく、スタートトゥデイとStretchSenseの間でコールオプションの契約が結ばれていることが開示されました。
StretchSenseLimited社とのコールオプション契約締結に関するお知らせ(2017/11/22)※PDFファイル

主要なポイントを列挙しておきます。

・スタートトゥデイは、現時点で、StretchSenseの39.9%を(既に)保有
・スタートトゥデイが残りの全株を取得できる「コールオプション」を$20M(約20億円)で取得
・コールオプションは、2018年9月30日まで有効
・コールオプションを行使してStretchSenseを100%子会社にするために必要な資金は$72M(約72億円)

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そして、現時点でStretchSenseは、(約40%を保有しているにも関わらず)持分法の対象になっていません
株式会社スタートトゥディ 第19回株主総会招集通知(2017/6/12)※PDFファイル

【参考】通常は20%以上50%以下の議決権(株式)を所有している会社の業績を所有比率に応じて連結決算に取り込むことができますが、企業の重要性が乏しいものについては、持分法適用会社としないことも認められています。

本稿では、このコールオプションの契約内容とその背景を詳しく探ってみたいと思います。

【関連】本業はどうよ? 米アマゾンのEコマース事業が凄いことになっていた件=シバタナオキ

「コールオプションとは何か?」というところから始まり、「今回なぜこのZOZOSUITにとって欠かせない技術を100%買収するのではなく、コールオプションという形にしているのか?」という点も考察したいと思います。

コールオプションを詳しく理解している方や、なぜ今回は買収ではなくコールオプションを選択しているのかをすぐにイメージできる方は、今回の記事を購読する必要はありません。

今回の記事は、どちらかというと初心者向けです。大企業における事業開発やコーポレートデベロップメントに従事している方で、今後外部のスタートアップと業務提携・資本提携をしながら新サービスを開発していく可能性があるポジションの方には、必須の内容かと思います。

「コールオプション」とは

はじめにコールオプションとは何か? というのを簡単に説明しておきたいと思います。コールオプションというのは、将来のある時点においてあらかじめ定められた金額で、あらかじめ定められたものを買う権利のことを言います。この金額のことを権利行使価格と呼び、その権利を行使できる期限のことを期日あるいは満期日と呼びます。

今回の場合、スタートトゥデイが――

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「コールオプション」とは

「(今すぐ)買収」vs「コールオプションを取得」

買収ではなく「コールオプション」を選択した理由その1

買収ではなく「コールオプション」を選択した理由その2


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決算が読めるようになるノート』 2017年12月14日号『なぜZOZOSUITの技術提供元との契約は「買収」ではなく「コールオプション」なのか?』より抜粋
※記事タイトル・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部による

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アメリカ・日本のネット企業(上場企業)を中心に、決算情報から読みとれることを書きます。経営者の方はもちろん、出世したいサラリーマンの方、就職活動・転職活動中の方にも役立つ内容です。

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