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米国株を空売りする天才アインホーンは「成長の罠の罠」に敗れるのか?=東条雅彦

現在の株式市場の「異常性」とは?

アインホーンが最近のグロース株に警戒感を露わにするのも理解できます。シーゲル博士の著書『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』(P88)にもハッキリと「3桁のPERは避けよ」と書かれています。

そして、同書には高成長企業に投資する危険性について解説されています。シーゲル博士は「成長の罠」と表現して、グロース(成長)株には既に将来の成長が株価に織り込まれているため、投資家に大きなリターンをもたらすことはないと結論づけました。おそらくアインホーンも「成長の罠」を信じているがゆえに、近年のグロース株の高リターンに首を傾げている状態だと推測します。

以下のグラフは、バンガードのVTV(バリュー株)とVUG(グロース株)のリターンを比較したものです。

<バリュー株 VS グロース株(2004/2/6~2017/12/8)>

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リーマンショックが起きる2008年以前は、バリュー株の方がハイリターンでした。ところが、リーマンショックを境にだんだんとグロース株がバリュー株をアウトパフォームするようになっています。さらに、直近1年で見ると、圧倒的にグロース株が大勝ちしている状況です。

<バリュー株 VS グロース株(2016/12/13~2017/12/11)>

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そして、今年のS&P500の上昇分の20%以上は、FANG(Facebook、Amazon、Netflix、Google)の4社の株価上昇によってもたらされたリターンになっています。500社のうち、たった4社だけに資金が集中しているのはどう考えても異常事態です。

アインホーンだけではなく、グロース株の狂乱相場が終わって、バリュー株の相場がやってくるはずだと固く信じている投資家は多いはずです。

しかし、それはわからない。アインホーンですら、「笑われるのは自分たちかもしれない」と付け加えて、予防線を張っています。

Next: グロース株(成長株)の大暴落を予想するアインホーンの根拠とは?

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