「いざなぎ超え」は大本営発表なのか?
ところがいま、政府や大手メディアは「景気拡大」「いざなぎ景気超え」という言葉で好況をアピールしています。「いざなぎ景気」といえば、カラーテレビや自動車で消費ブームが起きた、1960年代の高度経済成長期に4年以上に渡って続いた好景気のこと。いざなぎ景気超えで好況に沸く日本と、幸楽苑が潰れてサバに殺到する日本。果たして、本当の日本はどちらなのでしょうか。
評論家で国士舘大学客員教授の小浜逸郎さんは、政府による「好景気」の発表は見せかけであるとして「大本営発表も真っ青」と発言しています。
驚くべきことがあるものです。6月15日、内閣府が、景気の拡大や後退を判断する「景気動向指数研究会」なるものを、約2年ぶりに開きました。座長はあの悪名高き吉川洋・東大名誉教授です。
その報告によりますと、安倍政権が発足した2012年12月から今年4月までの拡大期間が53カ月で、バブル景気の51か月を抜き、このまま9月まで続けば昭和40年代の「いざなぎ景気」を抜いて、戦後2番目の好景気となるそうです!(産経新聞6月16日付)
なかでもビックリなのは、この研究会の記者会見で、消費増税を行った2014年でも景気が後退しなかったと発表していることです。このいけしゃあしゃあぶりは、かの「大本営発表」も真っ青です。
そう考えると、「好景気が実感できない」「インフレどころか、むしろデフレが進んでいる」という声が少なくないのも、仕方のないことでしょう。そして、さらに気になる動きがあります。