2017年を代表するキーワード
先程の流行語大賞には、経済や投資に関連するキーワードは相対的に少なく、政治、芸能、スポーツに関連したものが多く見受けられます。
そこで、私の独断と偏見で、経済や投資分野における「2017年を代表するキーワード」を選びました。それが下記の3つです。
- 北朝鮮
- ビットコイン
- ハイテク株
<キーワード1:北朝鮮>
1番目は「北朝鮮」です。2017年に入って、「北朝鮮」関連のニュースが急増しました。Jアラートの警告音に怯えた人も多かったと思います。
ここまで朝鮮半島における地政学的リスクが高まった時期は、現代を生きる私達にとっては初めての体験でした。
<グーグルトレンド「北朝鮮」>
朝鮮半島の地政学的リスクの高まりは、来年以降も継続すると思われます。今後も北朝鮮が核実験やミサイル発射を行う度に、検索回数が跳ね上がるでしょう。
<キーワード2:ビットコイン>
2番目は「ビットコイン」です。今年はビットコイン等の仮想通貨に関係するニュースが本当に多かった1年だったと思います。
グーグルトレンドで調べてみると、案の定、2017年の後半から上昇して、今がピークです。
<グーグルトレンド「ビットコイン」>
ただ、この傾向はおそらく来年以降も続くでしょう。ビットコインは暴騰するにしろ、暴落するにしろ、価格変動がとても大きいので、ニュースで取り上げられやすいという面があります。また、大儲けした人も大損した人も多いので、話題になりやすいと思います。
<キーワード3:ハイテク株>
最後の3番目は「ハイテク株」です。投資家の資金がフェイスブック、アマゾン、アップル、ネットフリックス、グーグル等の一部のハイテク企業に隔たっている点について、「正しい」とか「間違っている」とか、様々な議論が巻き起こった1年だったと感じました。
<グーグルトレンド「ハイテク株」>
去年に比べて、今年の方が圧倒的に注目度が高くなっています。ハイテク企業については、「AI革命(第四次産業革命)」という長期的なテーマがあるため、今後も注目は続くと思います。
また、仮に一時的に下火になったとしても、必ず、長期では注目が集まるでしょう。
逆に注目されなくなったキーワード
逆に、2017年に入って注目されなくなったキーワードは、「アベノミクス」や「黒田バズーカ」の2つです。キーワードの検索傾向は次のようになっています。
<グーグルトレンド「アベノミクス」>
<グーグルトレンド「黒田バズーカ」>
2013年4月に異次元緩和を行うことを決定して、年間インフレ率を2%程度に引き上げる予定でした。しかし、残念ながら、結果が出ませんでした。政府が2017年12月1日に発表した消費者物価指数は次の通りです。
<消費者物価指数2017年10月分(2017年12月1日公表)>
時の政権は常に「足踏み状態が続いている」とかいう、わけのわからない曖昧な表現で逃げようとします。しかしながら、データは正直です。
インフレ率は概ね横ばいが続いていて、継続的に上昇していく気配は感じられません。つまり、リフレ理論は間違っていたのです(リフレ派のエコノミストですら「アベノミクス」「黒田バズーカ」関連の書籍を書くのを断念している状況です)。そして、理由は不明ですが、その後、リフレ理論が検証されることもなく、そのまま忘れ去られようとしています。