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2018年「カネ余り」の終わりの幕開け。それでも日経平均は4万円を目指す=矢口新

リスク10:カネ余り相場の終わりの始まり(FRB新体制の利上げ政策)

過去8年近く、世界は空前の緩和政策を採り、カネ余りと、超低水準の資金調達コストを維持してきた。空前、前例がないことは、正常とは見なされない。ニュー・ノーマルという見方もあるが、さらなる危機が起きた時には、もはや打つ手が何もない状態だったことを鑑みれば、やはり、異常事態だった。

そうした事態から、いち早く正常化への舵取りを行ったのは、米国だ。そして、日本を除く主要各国はいずれも、近い将来の正常化への舵取りを明言している。このことは、いずれ「カネ余り」相場は終わることを意味している。

いずれは、2018年ではない。2019年でもないかも知れない。だが、数年という期間で見れば、カネ余りは解消し、投機バブルは間違いなく崩壊する。

最高値を更新し続けてきた米国株でも、2017年後半には奇妙な兆候が見られた。主要3指数と、VIX指数との値動きに乱れが生じてきたのだ。それまで、3指数共に上昇し、VIS指数が低下する、あるいは3指数が低下した時には、VIX指数が上昇していたのが、4指数マチマチな動きとなってきた。

「カネ余り」相場の特徴である、基本的に何でも買われる相場から、個々の値動きに注目する相場に変わりつつあるように思える。

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とはいえ、相場で先を読み過ぎることは禁物だ。収益に繋げるには、目先を読む必要がある。その意味では、多くのリスクがありながらも、引き続き米株が世界の資金を引き付ける可能性が高いと見ている。

日本株は、金融緩和が継続することに加え、外貨や債券に比べて、最もリスクが小さいことから、引き続き上昇すると見ている。あえて、予想するなら、2019年10月までに、日経平均4万円超えもあると見ている。ちなみに、2019年10月には消費税率が10%に引き上げられる。

このコラムに、多くの過去のコラムを引用してきたように、私の基本的な見方は何年経っても変わらない。お時間のある方々には、他のコラムもご覧頂ければ幸いだ。また、6年ぶりに編集者の手が入った書籍『矢口新の短期トレード教室』を出したので、よろしければ。

2018年が良い年でありますように!

image by:Gahsoon / Shutterstock.com

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2018年1月4日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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