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「ハワイの別荘」はどこまでお買い得なのか? 海外不動産投資の夢と現実=俣野成敏

【世間で言われている「ハワイに投資する利点」は本当にメリットなのか?】

先に答えを言ってしまうと、一般的な投資家目線で考えた時に、ハワイ不動産への投資には、そこまでのメリットはないでしょう。通常、外国人が検討するハワイ不動産と言えば、ほとんどがコンドミニアムになると思いますが、ハワイの物件は特別、利回りが良いワケでもなく、先ほど見てきたように、景気に強いワケでもありません。

中には、利点として「ハワイの知名度が高い」ことを挙げる人もいるでしょう。つまりリゾート地としての優位性ですが、実はそれ自体が不動産価格にそこまで大きなメリットをもたらすとは限りません。確かに知名度が高い分だけ、ハワイは他に比べると景気に左右されづらい、とは言えるでしょう。どんな時にもお金持ちはいるし、ハワイに保養にくる人はいるに違いありません。

けれどそのハワイと言えども、完全に旅行客頼みでいては、景気に応じて需要が落ちることは避けられません。よって、いくらリゾートとして名が通っていても、実際は思っているほど不動産で美味しい思いはできない、ということです。だったら、なぜ多くの人がハワイ不動産に興味を示すのかというと、やはり一番はブランド力でしょう。

ハワイの不動産投資でよく言われるのが、「不動産を利用した節税対策」です。土地が広いアメリカの不動産は日本とは逆で、建物のほうが土地よりも価値があるとみなされるため、減価償却費で経費計上できる比率が大きくなります。特に木造建築は節税効果が高く、昔から企業や個人の税金対策として、日本人の中にもハワイやアメリカ本土に不動産を買う人が多くいました。

この節税人気にあやかろうと、一般投資家に対しても「ハワイ不動産に投資をすれば節税になります」と宣伝する業者がいます。ですが実際問題として、投資額がそれなりに大きくなければ、十分な節税効果を発揮することはできません。たとえば年収1000万円前後の一般投資家が、1000万円クラスの物件をハワイで買ったとしても、下手をしたら減価償却による節税コストよりも、海外不動産の計算ができる税理士への税務コスト等が上回ってしまう場合があります。

たとえ節税効果の高いとされる木造建築を検討するようであっても、節税として有効に活用できる対象者としては、年収3000万円~5000万円くらいの方向けであり、資産が3億円以上の方や、それと同等の法人でなければ難しいのが実情です。

2. “地に足のついた”投資を行うために

これはハワイに限ったことではありませんが、もともとプロの投資家と一般の投資家が注目している投資対象には乖離があります。だったら「プロの投資家が重視しているものとは何なのか?」「それを踏まえた上で、私たち一般投資家にできることとは何なのか?」について、考えてみることにしましょう。

Next: 日本の不動産に割安感!?「プロの目線」の先にあるもの

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