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いちご、3Q純利益は前年比129.7%増 関東最大メガソーラー早期売電開始で長期利益創出へ

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2018年1月12日に行われた、いちご株式会社2018年2月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

2018年2月期第3四半期決算説明会

長谷川拓磨氏:本日は、当社の2018年2月期第3四半期決算説明・カンファレンスコールにご参加いただき、ありがとうございます。それでは早速、第3四半期決算について、ご説明します。

営業利益 -8%、純利益 -15%(前年同期比、累計)

まず、6ページをご覧ください。この第3四半期までの業績のご説明です。資料でお示ししている今期累計の「前年同期」は、営業利益はマイナス8パーセント、純利益はマイナス15パーセントです。ただ、通期予想に対しては順調に進捗していまして、営業利益で76.3パーセント、純利益で81.1パーセントの進捗率です。

第3四半期のみで見ますと、営業利益は前年同期比で48.9パーセント増、純利益は129.7パーセント増です。

前期は、第1四半期・第2四半期に物件の売却があり、大きく(業績の)数字に貢献しました。今期は、第1四半期から第3四半期まで、比較的まんべんなくフロー収益の貢献・売却益が出てきました。第3四半期で見ると、資料のようなかたちになっております。

利益率で見ますと、売上総利益率は43.2パーセント、営業利益率は35.1パーセントです。比較的、利益率の高い物件の売却を実現できております。前四半期の決算説明会でお伝えした港区の物件売却が、まさにこのような(高い)利益率の案件でした。

各セグメントにおける損益内訳

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7ページをご覧ください。各セグメント別の内訳について、ご説明します。

総じて、通期予想に対しては、順調に進捗している状況です。アセットマネジメント事業につきましては、ストック収益を構成する期中運用フィーが、前年同期比で24パーセント増となり、順調に収益が増加しています。

心築事業は、ストック収益である賃貸損益については微増ですが、物件の入れ替えや内部成長がございます。期初からしっかりと心築してきた物件が、ようやく業績に貢献するかたちで追いついてきました。前期比で見ると、第3四半期にきてトントンというところまで、しっかりと内部成長できました。

売却益については減少しましたが、これは今期の予想どおりです。進捗ベースで見ると、順調にきています。

最後に、クリーンエネルギー事業です。こちらは、当社にとって大きなプロジェクトであった、昭和村の売電開始が前倒しになったことにより、早い時期(第3四半期)からストック収益に貢献できております。

さらに、今期は売却を見込んでいなかった、いちごグリーンから2発電所のオファーがありました。こちらの売却が、今期の数字に貢献しています。そのため、クリーンエネルギー事業については、すでに第3四半期で(通期予想を)100パーセントを達成している状況です。

強固な事業モデルを支える財務の健全性

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続きまして、8ページです。当社の継続的な事業モデルを支えるための、財務体質についてご説明します。

まず、長期借入というところでいくと、(借入期間は)10.1年となっています。前期末と比較すると若干下がっています。こちらの要因は、昭和村のファイナンスに関して、コーポレートのファイナンスで借入れていたものを、ノンリコースローンに切り替えたためです。

基本的に不動産に関しては、平均10年以上の借入を目指しています。また、メガソーラーについては、借入期間を20年としています。その分が大きく影響して、(コーポレートローンの2017年11月末の借入期間が)10.1年になっております。

一方で、借入金利は、引き続き好条件となっております。1.03パーセントということで、(2017年2月期末から)0.21パーセント下がったかたちで、借入ができています。

収益モデルの特長 ① ストック収益とフロー収益の融合

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続きまして、第3四半期のトピックスについて、ご説明します。

今回の資料の10~12ページで、当社の収益モデルの特長をご説明させていただきます。まず、ストック収益とフロー収益の融合です。このハイブリッドな収益構造について、バランスを意識していて、今は(ストックとフローで)だいたい50:50というところです。

できるだけ、よりストック収益を増やしていきたいという思いを持っていますので、心築事業の賃貸収益・アセットマネジメント事業、そしてクリーンエネルギー事業の売電収入を、これからも着実に増やしていきながら、安定的な収益の体制を作っていきたいと思います。

一方で、コスト(固定費)については、こちらの資料にお示ししている通りです。2018年2月期3Q累計実績では40億円弱となり、ストック収益に対するカバー率では200パーセントを超えてくるというところですから、安定的な収益を確保できている状況です。

当社では、コストをセーブしながら、筋肉質な経営体制を作っているところです。

収益モデルの特長 ② 将来収益の着実な創出

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続きまして、11ページです。心築事業の収益がどのようなものかについて、ご説明します。鑑定評価ベースの含み益を、「将来収益」というかたちで表現しています。

(資料のグラフのとおり)2014年2月期末から、含み益が順調に伸びているのが、見て取れると思います。将来収益を心築で伸ばしていき、収益を最大化したところで物件を売却していくのが当社の事業モデルです。

収益モデルの特長 ③ 含み益を超える売却益を継続的に実現

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12ページをご覧ください。将来収益(鑑定評価ベースの含み益)は、資料の薄いブルーのグラフです。2016年2月期に売却した物件の将来収益は、33億円です。この(鑑定評価ベース含み益の)33億円に対して、実際に売却した際の売上総利益(資料の濃いブルーのグラフ)は、72億円です。これはまさに、当社の心築事業のノウハウの中で、プラスアルファの付加価値を生んでいるということです。

2017年2月期は、鑑定評価ベース含み益の64億円に対して、売却による売上総利益が105億円です。

今期(2018年2月期第3四半期時点)は、鑑定評価ベース含み益の12億円に対して、(売却による売上総利益が)90億円です。

そのため、11ページに記載している400億円弱の鑑定評価ベース含み益の実態は、当社がしっかり心築事業を行っていく過程の中で、より大きな付加価値向上を果たし(それにともなって)着実に成長していくということです。

売上総利益率を見るとおわかりのように、2016年2月期は23.0パーセント、2017年2月期は13.7パーセント、今期(第3四半期時点)は32.1パーセントです。

昨年の売上総利益率が若干へこんでいるのは、いちごオフィスで、大きなブリッジ案件の売却があったためです。売上総利益率が2パーセント程度であったため、加重平均すると、これぐらいの利益率になっています。

当社は、心築によって高水準の粗利を出しています。このようなマーケット感の中でも、含み益をしっかり増やしながら、かつ売上総利益率も出しており、私たちが、マーケットにコミットして物件を買っているわけではなく、心築によってしっかりバリューを伸ばしていると、ご説明できるのかなと思います。

資産順回転の進展

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13ページをご覧ください。物件の取得・売却について、ご説明します。

第3四半期までで、物件の取得は435億円、売却は191億円です。今期の取得のイメージでは、おそらく500億円ぐらいで着地すると思います。前期・前々期に7~800億円の物件を取得していることと比較すると、今期の物件の取得は、少なめの着地になりそうです。

不動産マーケットが大変好調ですが、その一方で、物件の取得は大変難しい環境になっています。そのような中で、当社はできるだけ物件の買い方を工夫したり、新しいアセットにチャレンジしたり、成長市場に参入していくことを心がけて、物件の取得・事業展開を進めてきました。

この第3四半期で顕著に表れているのが、期初に立ち上げをした、いちごオーナーズ株式会社の物件取得です。取得全体の435億円に対して約180億円で、全体の40パーセントぐらいを、オーナーズが貢献しています。

一方、売却は、物件取得が少なかったことからも、簿価ベースで200億円、売却売上合計は280億円です。セレクティブに工夫して取得しながら、物件の売却もタイミングを見ながら売るべき時に効率の良い売却を行い、利益を予定どおりにしっかりと出しているのが、第3四半期までの実績の状況です。

徹底した現場主義による心築の成果

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続きまして、14ページです。一昨年(2016年)の10月ぐらいに買わせていただいた「トレードピアお台場」の心築の状況について、ご説明します。

当社は、中規模の不動産を得意分野としており、今回は300億円近い大規模オフィスビルということでチャレンジでしたが、(取得から)1年強経って、しっかりと心築の成果が出ております。この機会に、みなさんにご説明したいと思います。

状況は随時ご説明してきましたが、取得時に91.0パーセントだった稼働率が、98.4パーセントになりました。賃料の平均坪単価も、11.4パーセント向上しています。

収入となる月額賃料は20.5パーセント増加し、逆に、コストは20.5パーセントの削減をしています。また、NOI利回りは取得時に4.1パーセントでしたが、現在は6.0パーセントということで、大幅に成長できています。

中小ビルの心築とは若干違うかたちの、いろいろなノウハウを勉強しながらでしたが、このような大型の物件についても、心築が十分に通用すると実感しています。今後もこのような大型案件の物件取得のチャンスがあり、そのうえ心築余地のあるものであれば、積極的に物件の取得をしていきたいと考えております。

20年間安定収益を創出する関東最大メガソーラーの早期売電開始

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続いて、いちごECOエナジーの進捗について、ご説明します。先ほど申し上げたとおり、当社の大型案件である「いちご昭和村生越ECO発電所」が早期売電を開始しています。(20年間の)売上総利益は約152億円で、1年間あたり約7.6億円です。税引後当期純利益は(1年間あたり)5.3億円のストック収益を見込んでいます。

メガソーラーのパイプラインは、順調に進捗しています。こちらの資料にあるとおり、高確度のパイプラインとして、約50メガワットを確保できております。

メガソーラー事業に続く新しいクリーンエネルギー事業として、風力発電にも積極的に取り組んでおります。(資料に記載している)6物件に関して、今回から固定買取価格や売電開始見込時期を、入れております。案件のステージに関して、よりプロジェクトとしての確度が高まってきたことを踏まえ、このようなかたちで記載しています。第1号案件は、2019年12月に売電開始予定です。

風力発電については、風況調査やデューデリが終わり、より確度が高まったところで、みなさまにプロジェクトのタイミングや細かい数字について、ご説明したいと考えています。

アセットマネジメント事業の成長推進

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続いて、16ページをご覧ください。アセットマネジメント事業の進捗について、ご説明します。

まず、いちごオフィスです。当社との資産入替を実施しています。また、先日決算発表がありましたが、J-REIT最長の15期連続増配を達成しています。

いちごホテルにつきましては、内部成長をしっかりやるというところと、自己投資口買いを行い、価値向上を図っております。まずは投資口価格の向上について、しっかりと貢献させていただいています。

最後に、いちごグリーンです。先ほども申し上げましたが、今期はレバレッジを使った2物件の取得と、それに伴って上方修正もしています。加えて、投資口の分割も行っています。

結果的に、3つの銘柄ともに、投資口価格は徐々にマーケットからの評価をいただいています。できれば来期以降、より投資口価格の向上を目指しながら、外部成長も視野に入ってくるといいなと思っています。

注目を集めるデザインホテル「HOTEL THE KNOT YOKOHAMA」

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17ページをご覧ください。当社の新しいコンセプトのホテルというところで、「HOTEL THE KNOT YOKOHAMA」が、(2017年)12月1日にオープンしています。今回は、いくつか新しいチャレンジをしています。家具購入が可能なホテルということで話題性もあり、いろいろなメディアに取り上げていただいています。

「KNOT」という言葉は、一期一会からもきているのですが、「結び目」という意味です。人と人、人と街を結んでいくようなホテルを、目指していきたいと思っています。横浜に限らず、全国展開をしていきたいと考えています。第2段は東京で展開できそうな状況ですので、みなさんにご説明できるタイミングで、随時ご案内したいと思います。

この2~3年で、全国で5ヶ所ぐらいで「KNOT」を展開できたらいいなと思います。現在、オペレーターのみなさまや物件関係者のみなさまと、しっかりとお話をさせていただいているところです。

いちごオーナーズの顧客ニーズに合致した資産取得の加速

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続きまして、18ページをご覧ください。今期当初に設立しました、いちごオーナーズの進捗です。今期はスタートということで、物件の取得100億円・粗利10億円を目指してきました。物件の取得については、プレマーケティングをしていたことも大きく貢献して、順調に進捗しています。

現在の取得は、約185億円・40棟です。期末では恐らく、200億円近い物件の取得を想定しています。そのため、目標に対して、倍くらいの物件取得ができそうです。

一方で売却は、累計で約23億円です。半年から1年くらいの保有期間で物件を取得して、売却をしていくイメージです。

お客さまのニーズがあるところで物件を取得して、私どもがデューデリをしたり、心築を施したりしながら、お客さまに自信を持って(物件を)お渡しできる状態に整えています。短いサイクルでお客さまに物件を提供していくというモデルなので、第4四半期・来期に向かって、今取得した物件の売却も、随時進んでいくと思われます。

現状、「オーナー代行サービス」の受託は2物件です。資産規模でいくと、まだこれぐらいのものですが、これから随時お客さま・ファンを増やしていき、来期は人と資金もより投下しながら(利益の)倍増を目指して、進めていきたいと考えています。

堅調な出店加速、「フィル・パーク」とのシナジー

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19ページをご覧ください。M&Aで取得した、セルフストレージ事業についてのご説明です。セルフストレージ業界は、一般的な成長率が4パーセントから8パーセントと言われています。しかし当社のセルフストレージ事業は、1年前の約1,900室に対して(今回は)約3,200室ということで、64パーセント増加しています。

今年に入ってから、株式会社セントロに、当社へジョインしていただきました。私どもとのシナジーが順調で、いい関係で物件取得・成長ができているのかなと思います。

また、株式会社フィル・カンパニーさんと、資本業務提携をさせていただきました。私どもは、引き続きこのようなかたちで、当社とシナジーのある企業さまとの業務提携・資本提携を進めていきながら、営業力を強化していきます。

さらに、いちごオーナーズとのシナジーもあるということで、BtoCのお客さまに向けて、安定的な収益物件の提供という機会も含め、この事業について、より一層の成長をさせていきたいと考えています。

心築事業のさらなる成長に向けた新会社設立

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続いて、心築事業のさらなる成長ということで、(2017年)10月に新会社を設立しています。当社は「サステナブルな社会」への貢献を実現するために、いちご土地心築株式会社を設立しました。「心を込めて既存不動産に新たな価値を創造する『心築事業』のさらなる強化」ということです。

港区の物件売却についてお話ししましたが、旧耐震のビルで、テナントさまとの間で普通借家契約だったものを定期借家契約にし、結果的には建て替えを想定している方に、売却させていただいたというかたちの事業に取り組みました。

当社が持っている物件の中には、このように心築によりバリューを上げていきながら、いずれは建物を土地に戻していくことになる案件もあります。

そのようなことも踏まえ、この心築を循環型のモデルとして完成させるため、いちご土地心築株式会社を設立しました。それにともない、港区の中規模商業ビル1棟の事業承継をしています。

これからも、私どもが保有する物件の中で、土地心築というかたちで事業を推進するものについては、事業承継に伴う吸収分割をしていくことを考えています。

株主価値向上に向けた着実な配当の成長

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21ページをご覧ください。株主価値向上に向けた着実な配当の成長について、ご説明します。当社の累進的配当政策として、株主資本配当率(DOE)を3パーセント以上としています。

2018年2月期(予想)は、6.0円としています。そして、中期経営計画の目標を含めて、来期(2019年2月期)は7.0円というところで、事業として成長させていきます。

ストックとフローのバランスを取りながら、株主のみなさまに累進的に配当を実施していくことを目指して、進めてまいりたいと考えています。

今期2回の自己株式の取得

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最後に、22ページをご覧ください。今期は、2回目の自己株式の取得を実施しています。こちらの自己株式の取得は、(2017年4月の)1回目と同じく15億円というかたちで、すでに株式取得を完了しており、総額で30億円ほど自己株式を取得しました。

以上で、第3四半期の決算説明を終わります。ありがとうございました。

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