スケジュール遅れに有効な2つの対処方法
人員を追加することで、遅れているプロジェクトに対処することはできないのなら、一体、どうすればいいのでしょうか? ブルックスは、スケジュールが遅れている時は次の2つのことを提案しています。
- スケジュールを立て直す
- 仕事の規模を縮小する
この2つの対応策で鍵を握っているのは顧客との関係性です。顧客と密に連携が取れている場合、比較的、調整が効きやすく、そのプロジェクトは成功する確率が高くなります。
しかし、下請け的な立場で仕事を請け負って、顧客の言いなりになっていたり、そもそも顧客との関係性が悪かったりする場合は、当初の計画を遂行するために「新しい人員を投入しまくる」という選択を取らざるを得ません。
システム開発会社はなぜか顧客から「下請け」だと見られることが多く、なかなか顧客と良い関係を築けていないのが現状です。
密かにIBMのように長年にわたって、強固な顧客基盤を築いている企業はかなりレアな存在であって、大半のシステム開発会社はそうではありません。そして、そのIBMですら、時々、発注者である顧客から裁判で訴えられたりしています。
プロジェクトの失敗はおそらく、今後も続くでしょう。
システム開発は「人対人」
一般的にはシステム開発会社が『人月の神話』で語られている2つの対策を取ろうとすると、顧客はとても嫌がります。そして、仕方がなく、遅れているプロジェクトに新しい人員を投入していき、さらにプロジェクトが遅れるという流れになります。
最終的にはプロジェクト自体が空中分解して、システム開発会社も顧客も、悲惨な目に遭います。
結局、どんなに開発ツールが新しくなっても、開発手法や開発環境が変わっても、最後に鍵を握るのは「顧客との関係がどのぐらい深いのか?」という部分になります。つまり、システム開発はどこまで行っても「人対人」なのです。
そして、これはどんな仕事でも同じ。結局は「人対人」です。
『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』(2018年1月14日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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