fbpx

IT企業に投資する人なら知っておくべき『人月の神話』と失敗の本質=東条雅彦

スケジュール遅れに有効な2つの対処方法

人員を追加することで、遅れているプロジェクトに対処することはできないのなら、一体、どうすればいいのでしょうか? ブルックスは、スケジュールが遅れている時は次の2つのことを提案しています。

  1. スケジュールを立て直す
  2. 仕事の規模を縮小する

この2つの対応策で鍵を握っているのは顧客との関係性です。顧客と密に連携が取れている場合、比較的、調整が効きやすく、そのプロジェクトは成功する確率が高くなります。

しかし、下請け的な立場で仕事を請け負って、顧客の言いなりになっていたり、そもそも顧客との関係性が悪かったりする場合は、当初の計画を遂行するために「新しい人員を投入しまくる」という選択を取らざるを得ません。

システム開発会社はなぜか顧客から「下請け」だと見られることが多く、なかなか顧客と良い関係を築けていないのが現状です。

密かにIBMのように長年にわたって、強固な顧客基盤を築いている企業はかなりレアな存在であって、大半のシステム開発会社はそうではありません。そして、そのIBMですら、時々、発注者である顧客から裁判で訴えられたりしています。

プロジェクトの失敗はおそらく、今後も続くでしょう。

【関連】日本を襲う新たな貧困「ブロックチェーン格差」の自己責任を乗り越えろ=鈴木傾城

システム開発は「人対人」

一般的にはシステム開発会社が『人月の神話』で語られている2つの対策を取ろうとすると、顧客はとても嫌がります。そして、仕方がなく、遅れているプロジェクトに新しい人員を投入していき、さらにプロジェクトが遅れるという流れになります。

最終的にはプロジェクト自体が空中分解して、システム開発会社も顧客も、悲惨な目に遭います

結局、どんなに開発ツールが新しくなっても、開発手法や開発環境が変わっても、最後に鍵を握るのは「顧客との関係がどのぐらい深いのか?」という部分になります。つまり、システム開発はどこまで行っても「人対人」なのです。

そして、これはどんな仕事でも同じ。結局は「人対人」です。

【関連】「暗号通貨バブルを見通す男」の2018年ビットコイン・アルトコイン大予測=高島康司

【関連】毎年恒例、各社の「2018年びっくり10大予想」を深読みして見えてきたもの=東条雅彦

【関連】「人生どのタイミングで結婚相手を決めるべきか?」を数学的に解明する Secretary Problem=三浦茜

1 2 3

ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』(2018年1月14日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~

[無料 週刊]
■電子書籍『バフェット流投資入門(全292頁)』をメルマガ読者全員に無料プレゼント中♪世界一の投資家ウォーレン・バフェットの投資哲学、人生論、さらに経済や会計の知識が、このメルマガ一本で「あっ」と驚くほど簡単に習得できます!!著者はバフェット投資法を実践して、6000万円の資産を築き、さらにヒッソリと殖やし続けています。(ブログよりも濃い内容でお届け☆彡)●バフェットの投資法を小学生でもわかる例え話で学べます。●複利マジックで経済的自由の達成を目指します。●日本経済の現状から取るべき投資戦略がわかります。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー