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モバイルファクトリー、通期は黒字着地 ブロックチェーン参入で新プラットフォーム獲得へ

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2018年1月19日に日本証券アナリスト協会で開催された、株式会社モバイルファクトリー2017年12月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

01. ハイライト

宮嶌裕二氏:株式会社モバイルファクトリー代表の宮嶌です。本日はありがとうございます。2017年12月期の決算説明を始めます。

本日は本決算ということで、決算のまとめからご説明いたします。

こちらの決算短信を見ていただくと、いちばんわかりやすいと思います。

通期前期比で、17.6パーセント増収・20.5パーセント増益です。

01. ハイライト|通期 定量振り返り

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詳しくは、(決算説明資料の)7ページに出ております。

(4ページに戻って)いちばん注目していただきたいのは、前四半期比です。前四半期比で、21パーセント増収・27パーセント増益という数字です。

02. 決算概要|四半期売上高/営業利益推移

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まず、10ページをご覧いただけますか。売上高が上がり、利益も上がっているように見えます。

02. 決算概要|第4四半期営業利益振り返り

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その内訳について、さらに深掘りしていきます。第4四半期は、前四半期比で増収増益ではありました。ただ、のちほど触れますけれど、新作(の位置ゲーム)を作っていたものの、開発を中止しました。

第4四半期に、原価を約7,000万円計上しています。つまり、今回の「1億9,000万円」という営業利益は、7,000万円の経費をこなした上での1億9,000万円です。もしこれ(新作の位置ゲーム)の開発を継続していた場合には、2億6,000万円以上になっていたということです。

02. 決算概要|四半期販売費及び一般管理費内訳/推移

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もう1点、弊社の投資額として大きいものが、広告宣伝費です。こちらは、17ページをご覧ください。

第4四半期に関しては、ほぼ第3四半期と同じぐらいで、1億5,100万円を使っています。こちらは例年、第4四半期はかなり投資を増やすタイミングです。(2017年12月期も)第3四半期に引き続いて、かなり広告投資を増やしました。

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(10ページに戻って)通常であれば、やはり広告投資を増やすと、短期的には利益が減ります。実際に、第3四半期の営業利益は1億4,800万円になっています。

広告費を大幅に増やした影響もあって、第3四半期には(グラフの数値のような)利益が出ています。第4四半期に関しては、広告費をさらに増やした上、7,000万円の原価を計上しています。新作(の開発)を中止した原価計上をこなして、なお第3四半期と比べても、第4四半期は増益になっています。

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(17ページに飛んで)実質に、17ページの広告宣伝費のグラフをご覧ください。こちらをご覧いただくとわかるのですが、(広告宣伝費は)定常モードでは(2017年12月期第1四半期・第2四半期のように)だいたい1億円以下だったのです。

それを、第3四半期からはちょっと投資モードに入って、第4四半期に関しても投資モードを続けています。それでもなお、これだけの営業利益を出すモードにあるということです。

だから仮に、広告宣伝費を1億円以下に抑え、新作(の開発)も中止しなかった場合、四半期ベースで3億円以上の営業利益を出せていたことになります。だから実態としては、かなり稼ぐ力が上がっております。

02. 決算概要|四半期位置ゲーム売上高推移

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15ページの、四半期位置ゲーム売上高推移をご覧ください。

かなり売上高が伸びております。弊社の主力ゲームである『ステーションメモリーズ!』の売上が、ぐんと上がっているということです。

これはやはり、第3四半期・第4四半期に非常に広告費を使って、会員数を伸ばしてまいりましたので、着実にマネタイズできているという状況です。

ただ、通常は短期的に広告費をかければ、営業利益が減ります。第3四半期で広告費をかけて獲得した会員に、この第4四半期で、しっかりお金を使っていただいたということです。

広告を投資して、それがきちっと会員化していき、その会員がきっちりお金を使ってくれました。その結果、第4四半期は広告費増をこなし、実質最高益というかたちになっています。

位置ゲームの話に移りますけれど、『ステーションメモリーズ!』に関しては、DAU・課金ともに、大幅に増加しています。

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(17ページに飛んで)先ほど説明しましたが、第3四半期に広告投資を多くして、会員をかなり獲得し、(その会員に)第4四半期できっちりお金を使っていただいた結果です。第4四半期にもかなり広告費を使って、会員も増えておりますので、おそらく(2018年12月期)第1四半期にもかなり反映されるのではないかと、私は考えております。

01. ハイライト|補足

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一方で、大きなトピックスとして、新作の開発中止がございます。こちらに関しては、5ページをご覧ください。理由は「投資回収が難しいと判断したため」と書いてありますが、かなり厳密なシミュレーションを行いました。

今回作っていた作品も位置ゲームでしたので、弊社の位置ゲームで一番成功しているサービスである『ステーションメモリーズ!』のKPIを参考に、新作に関していろいろシミュレーションを行いました。その結果、総合的には「このタイミングで開発中止をするのが、一番いいだろう」という意思決定をして、今回発表いたしました。

サンクコストの問題があって、「ここまで作ったのに、止めるのか?」という思いはございます。ただ、やはり弊社は位置ゲームをずっとやっていますので、「だいたい位置ゲームをやると、このようなKPIが出る」という経験値を持っています。

そのため、(新作の位置ゲームに関しても)ある程度はシミュレーションできますので、何度(シミュレーションを)繰り返しても、「これが大幅な投資に対して、利益を生み出してくれるか」という視点では、「なかなか投資を続ける積極的な理由が見出せなかった」としか、言いようがありません。

非常にご期待をいただいていたところもあって、とても苦しい決断ではありました。ただ、かなり儲かる確率の低いサービスを、(一度リリースしたら)そのままずっと続けることになります。サービスを一度リリースしたあとは、遊んでいただくユーザーさまのためにも、(儲かる確率が低いからと言って)すぐに閉じることはできません。そのため、私は経営者として、それも考慮して、このタイミングで止めるという決断をしました。

こちらに、今期ベースで1億1,000万円ほどの総コストがかけられています。(開発中止により)今期の第4四半期で、7,000万円ほど追加コストを計上しています。すでに4,000万円を今期中のコストとして計上していたので、合わせて1億1,000万円が、ある意味無駄になったということになります。

(4ページに戻って)ハイライトの3点目に、「ブロックチェーン関連サービス開発開始」と記載しています。

04. 今後の方向性|ブロックチェーン技術補足

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こちらは、24ページをご覧ください。非常にわかりにくい表現をしていますので、シンプルにご説明します。今日(2018年1月19日)の報道にも出ていましたが、弊社は(ブロックチェーン関連サービスの)第1弾として、ブロックチェーンを活用したゲームを、ただいま開発中です。

04. 今後の方向性|ブロックチェーン技術活用事例

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ただ、今回の(ブロックチェーン関連サービス)事業に関しては、ゲームに留まらないものです。25ページをご覧ください。

例えば「ゲーム」は、確かに(「コンテンツ」の)ジャンルとしてありますが、ブロックチェーンを使った技術を活用したサービスの、1つでしかないのです。

そのため、可能性としては、例えば「SNS」「メッセンジャー」などがあります。今、「SNS」ではFacebook、「メッセンジャー」ではLINEがあります。他にも、例えば(「商流管理」の)「マーケットプレイス」でも、楽天やAmazonなどがあるわけです。

弊社は今まで、もちろんゲームを提供してきて、ゲームに知見を多く持っておりますので、第1弾は「ゲーム」を提供します。ただ、ブロックチェーンを活用したサービスは、多分これから多く出てくると思います。可能性としては、今多くの人が普通に使っているジャンルに、ブロックチェーンを活用したサービスが、間違いなく出てきます。

例えば、すでにSNSなどでは(ブロックチェーンを活用したサービスが)出てきています。ただ、今後使われるかどうかというのは(断言できません)。

一般的に仮想通貨は、今ボラティリティが非常に高くて、投機的な目的で使っている方が多分多いと思います。私は、それが「鶏が先か卵が先か」だと考えています。仮想通貨を使うネット上のサービスが、今はほとんどないのです。

ビックカメラで使えるといった、いろいろな「リアル社会で使う」というソリューションは出てきていますが、この「ネット上で使うためのサービス」が、今はほとんどないのです。ただ、世界を見渡すと、出てきています。

弊社が第1弾として提供するゲーム分野でも、(すでにネット上のサービスが開始されていて)日本経済新聞さんの報道で、あるゲームについて書かれていました。仮想の猫をイーサリアム上で売買できるという、育成ゲーム(『CryptoKitties』)です。確か、1匹あたり1,000万円以上で売買されているという実績があるそうです。

ゲーム上のキャラクターを育成して売買するという、カナダの会社が開発したものだと思いますけれど、実際にブロックチェーンを使ったゲームになっています。売上は、今20億円以上だそうです。(2017年)11月に(サービスを)スタートしたと聞いていますけれど、(2018年1月時点で)約2ヶ月半ぐらいですか。

(約2ヶ月半で)すでに売上が20億円以上たっているというデータがあります。つまり、ブロックチェーンを使ったゲームは、すでに実際に世界で出ていて、(その上)もう20億円という売上がたっているわけです。

ブロックチェーンを使った、ネット上のサービス……つまり、「便利な」サービスではなく、仮想通貨を実際に使って「楽しむ」サービスは、今まであまり出てきていませんでしたが、今後はどんどん出てくると思います。そこに、弊社はまず「ゲーム」で参入するということです。

だからみなさん(にお伝えしたいことは)、「新作を止めます」という決断をしました。(その上で)「ブロックチェーン技術の第1弾として、『ゲーム』をやるぞ」と言いました。だから弊社にとっては、あまり「流行りに飛びついた」という感覚はないのです。

どちらかというと、「インターネット上に新しいプラットフォームが生まれようとしている」ということです。かつてはゲームジャンルに、「モバゲー」や「GREE」などがありました。それから「Apple Store」と「Google Play」という、ネイティブアプリのプラットフォームが出てきました。そしてついに、次のプラットフォームが誕生し始めました。それが、ブロックチェーンだということです。

そのため、弊社からすれば、「新しいプラットフォームにいち早く入って、知見を積みたい」ということです。

今はネイティブアプリの「Google Play」や、Appleさんの「Apple Store」を、非常に多くの人が使っていますけれど、かなりの激戦区です。

だから弊社としては、「今多くの人が使っているマーケットに、普通にゲームを出すのか? それとも、これから爆発的に伸びる可能性がある市場・プラットフォームに、サービスを出すのか?」という選択だったということです。

それならば、これから爆発的に伸びる(市場に参入していくことを選びました)。ライバルも、多分これからたくさん出てくると思います。私が知る限りでは、多分「(ブロックチェーン技術を使って)ゲームを出す」と言っている会社はありませんので、(弊社が)多分、日本初でしょうか。

そのような(爆発的に伸びる)可能性がある市場に対して、いち早く参入するということです。それこそやはり、「モバイルファクトリーのやること」かなと思います。

当然、「位置ゲームの新作を出してほしい」という方は、いっぱいいらっしゃいました。ただ、位置ゲームは『ステーションメモリーズ!』が好調で、今はリリースして3年目になりますけれど、最高の売上を更新しています。

あえて「新作をやるのであれば、(ネイティブアプリの位置ゲームではなく)新しいプラットフォームで出す」という計算をしたと、受け取っていただければと思います。

(4ページの)ハイライトに戻り、まとめます。

1点目に、決算としては、通期前期比で17パーセント増収・20パーセント増益です。前四半期比で、21パーセント増収・27パーセント増益です。ただしこれは、7,000万円のコスト増・広告費増をこなした上での数字ということです。

2点目に、位置ゲームに関しては、『ステーションメモリーズ!』のDAU・売上高が大幅にアップしています。新作に関しては、開発中止いたします。

3点目に、新事業として、ブロックチェーン関連サービスの開発を開始しました。第1弾は、ゲームを開発しています。これは、弊社にとっては「新しいプラットフォーム」という認識で、とくに「流行りの『ブロックチェーン』というキーワードに乗ったわけではない」ということです。

以上になります。

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