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ツイッターは「オワコン」ではない。ついに黒字転換、今後の成長余地は?=栫井駿介

広告媒体としての認知向上と米国外での収益化が鍵

そうなると、問題はどこまでユーザー数を伸ばし、いつ利益を出すのかということです。これはインターネット系企業が必ず突き当たる壁と言え、避けては通れません。

売上の大半は広告収入です。しかし、ユーザーはたくさんの広告を見たいはずはありませんから、いきなり広告を増やしすぎるとユーザー離れにつながる懸念があります。そのような要因から、Twitterの売上の伸びは、ユーザー数の増加に遅れがちです。

私もTwitterを使用していますが、最近になって広告が増えてきたと感じます。特に目立つのが動画広告です。スマートフォンで動画を見ることに抵抗がなくなった結果、広告でも明らかに動画に使用が増加しています。動画広告は出稿単価も高く、Twitterの広告収入にプラスになる話です。

Twitterが広告効果の高いメディアと認識されれば、多くの広告を集められるのでしょう。創業者のジャック・ドーシーは、Twitterを単なるSNSではなく、「インタレスト・ネットワーキング・サービス」だとしています。意訳すると「興味をつなぐメディア」です。

ユーザーは自分が興味のあることをつぶやいたり、関心のある人をフォローしたりします。そのため、広告主は自社の商品に興味の有りそうな人にダイレクトに広告を出すことができるのです。これは、幅広い視聴者に向けたテレビ広告よりも明らかに高い直接効果を見込めるでしょう。

当社もTwitter広告を出稿していますが、その効果の高さに驚いています。Twitterの広告は、広告を表示させたい人の特徴を絞り込むことで自動的に的確なユーザーに表示させることができます。費用対効果は、GoogleやFacebook広告よりも圧倒的に高いのです。

当社としてはこのまま安い価格で広告を出せたら良いのですが、もし単価が上がってもまだ広告を出すでしょう。それだけ広告としての価値が高いメディアだと考えます。まだそれをしていないということは、売上の伸びしろが大きいということです。

売上の伸びしろと言う意味では、米国外に着目すべきです。ユーザー数は米国:米国外=2:8なのに対し、売上高では6:4と逆転します。これは米国外での収益化が進んでいないということです。

米国外で米国並みに収益化が進行すれば、米国がそのままでも売上高は3倍に成長する計算になります。実際に、米国外の売上高は1年で25%成長しています。

広告媒体としての認知向上と米国外での収益化の進展により、Twitterの売上はまだ十分に伸びる余地があると考えられるのです。

Next: SNSは競争途上。今後の展開から目が離せない

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