開戦の決意か? トランプが駐韓米国大使の就任を急遽取り消したワケ=浜田和幸

トランプ大統領は朝鮮問題を外交的に解決する気をなくしたようだ。これだけ緊張関係が高まる中、駐韓大使を任命しないまま、1年以上が過ぎている。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)

※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2018年2月2日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。

一般教書演説で示した「北朝鮮との対話はない」という最後通牒

米駐韓大使候補だったビクター・チャ博士

ぶっちゃけ、トランプ大統領は朝鮮問題を外交的に解決する気をなくしたようだ。これだけ緊張関係が高まる中、駐韓大使を任命しないまま、1年以上が過ぎている

とはいえ、昨年末の時点では韓国系アメリカ人のビクター・チャ博士を新駐韓大使に指名し、上院での承認手続きに入ることが決まっていた。韓国政府に事前承認を求めたところ、「チャ大使を歓迎する」とOKが出ていたのである。

当のチャ博士はブッシュ政権下では国家安全保障会議においてアジア部長を務め、卓越した業績が認められ、国家貢献勲章を2度も受賞。ホワイトハウスの主が民主党に代わった時点で、同氏はワシントンの有力シンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)とジョージタウン大学の両方に籍を移し、朝鮮半島問題を中心にアジア情勢全般をカバーするオピニオンリーダーとして活躍するようになった。

そうした経験や人脈が豊富にあるため、危機的状況の朝鮮半島に乗り込み、米朝、米韓関係の改善、安定化に貢献することが大いに期待されていたはずだった。

ホワイトハウスの人事局ではチャ博士の身辺調査を行い、金銭問題とか外国との不審な関係がないことを確認したという。そのため、上院での承認も間違いないと言われていた。

チャ博士本人も「平昌オリンピックの前にソウルに赴任したい。上院での承認が得られ次第、CSISもジョージタウン大学も辞職する」と述べ、新たな任務への決意と抱負を語っていた。

突然の「指名取り消し」が意味するもの

ところが、トランプ大統領による初の「一般教書演説」の直前に指名取り消しの報が流されたのである。

これは一体全体どういうことだろうか。

アメリカ議会での一般教書演説を聞いて、がってんがいった。

トランプ大統領はこの演説の中で、北朝鮮を残虐非道なテロ国家と声高に糾弾した。北朝鮮で拘留され、帰国後死亡したアメリカ人大学生の両親や北朝鮮からの脱北者を招き、「彼らをこんなひどい目に合わせたような国を放っておくわけにはいかない」と明言。

要は、北朝鮮に懲罰を加えたり、場合によっては先制攻撃を行うのも「アメリカと世界の自由を守るためには必要だ」と内外に訴えたのである。

これは「北朝鮮との対話はない」という最後通牒に等しい。

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