薄れつつある日銀「長期金利抑制」の意義
しかし、今回はこれで長期金利の上昇が抑制できるかは疑問である。米国に限らず欧州の国債利回りも上昇している。欧米の物価もいまのところ抑制されているとはいうものの、原油価格は上昇基調となっており、これが物価に反映されてくることも予想される。
日本の景気についても10~12月期のGDPが約30年ぶりとなる8期連続のプラス成長予想となるなど、日銀が無理矢理長期金利を押さえ込む必然性が薄れつつある。
日銀としては2%の物価目標を掲げ、紆余曲折しながら長短金利操作付き量的・質的緩和政策という政策にたどり着いてしまった手前、長期金利の目標水準の引き上げはなかなか容認できない面もあろう。
しかし、それを果たして市場が許すのか。そもそも金利という我々の収入を制限してまでそれを行う意味が果たしてあるのか。
今後、市場との攻防戦が繰り広げられる可能性もありうる。
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『牛さん熊さんの本日の債券』2018年2月2日号より
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