fbpx

それって血税。内閣官房機密費という裏ガネは本当に必要なのか?

これまでその使途等の一切が「合法的」に非開示とされてきた内閣官房機密費ですが、先日最高裁からその一部開示を認める判決が出されました。そもそも年間十数億円とも言われる官房機密費は本当に必要なのでしょうか。メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんが、これまでに明るみになった機密費を巡るさまざまな「事実」、そして複数の政治家が暴露した「真実」等を取り上げながらその是非を問うています。

※本記事は有料メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』2018年1月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

ばら撒きで世論を操作か。年間十数億円「秘密の公金」の黒い使途

全面不開示から「一部公開」へ前進

裏金ではないが、裏金のような秘密の公金が官邸には存在する。年間十数億円。いわゆる内閣官房機密費というやつだ。官房長官が受け取り、領収書なしで何にでも使える。

これまで政府はこのカネの支出に関する文書を全て非開示としてきたが、一部の公開を求められることになった

市民団体「政治資金オンブズマン」が小泉内閣の約11億円▽麻生内閣の約2億5,000万円▽第2次安倍内閣の約13億6,000万円の官房機密費支出について、関連する全文書の開示を求めていた裁判。

最高裁は1月19日、関連文書のうち、「政策推進費受払簿の開示を認め、これまで「全面不開示」としていた国の処分を取り消した。

これにより、官房長官のポケットに入った金額と時期が明らかになる。ただし、何に使ったか、誰に支払ったかはこの文書には記載されていない。

菅義偉官房長官は19日の記者会見で「判決を重く受け止め適切に対応したい」と繰り返した。

使途や支払先が開示されないため、1月20日の毎日新聞は以下のように、ややネガティブな見方を示した。

今回の判決によって、時の政権が踏み込んで開示する可能性はかえって低くなるとみられる。

だが、官房長官が官邸の金庫からいつ、どのくらいの金額を引き出していたかが、これまでは分からなかったのである。それを国民が知ることができるのは一歩前進に違いない。

市民団体のメンバーは「開かずの扉をこじあけた」「11年もかかったが、やってきてよかった」と最高裁の判決を評価した。

Next: なぜ機密費の実体が露わになったのか?

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー