IMFへの返済期限を越えましたが、結局ギリシャは返済できませんでした。気になるのはこれからどうなるのか?というところですが『長谷川雅一のハッピーライフマガジン』を配信するベテラン投資アドバイザーの長谷川雅一さんは、ギリシャの思惑、やEUの思惑、最悪な事態になった時に想定されうるマーケットの動きなどについて「絶対」はないとしながら独自の見解を語っています。
EU離脱をちらつかせ資金を得たいギリシャ、他国への影響を考え、離脱させたくないEU
株、為替とも、ギリシャ問題が相場に影を落としています。
ギリシャは、いわば「小国」であり、経済的な影響も、直接的には小さいのですが、立ち回りが「うまい」んですね。IMFやEUから、うまく資金をいただこうと賢く交渉を続けています。
その交渉の「切り札」が5日に予定されている「国民投票」です。この国民投票は、EU離脱の可能性をEU側につきつけるものです。
EU側としては「離脱」は避けたいところ。なぜなら、ギリシャが脱退すればEUの結束が揺らぐからです。
経済的にあまり調子のよくないイタリアなどが、連鎖的にギリシャと同じ運命をたどるのでは、という「連想」も働きます。
IMFやEUの言うことは聞かず金は貸せと言うギリシャ
ギリシャに対するEUの要求は、「増税」や「年金改革」。つまり「税金を上げろ」「年金を減らせ」ということです。
たとえば日本がEUに加盟していたと仮定しましょう。莫大な借金をかかえて、経済的に立ちゆかなくなった日本に、EUが、「消費税を20%に上げなさい。年金は75歳からの支給とし、支給額は現行の7割にしなさい」といった財政緊縮策を突きつけてきた、と。
こうした要求を一般国民が受け入れるのは、なかなか大変なことです。
ギリシャのスタンスは、「IMFやEUの要求は受け入れない。でも、お金は貸して欲しい」というものです。
ここへ来て、ギリシャは中国やロシアとも接近するパフォーマンスを見せながら、自国の要求を通そうとしています。
お金を貸す側としては、とりあえずギリシャの自分勝手な要求には「ノー」と言うしかありません。
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