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ビットコインはまだまだ輝く。待望される仮想通貨の「価値基準」=高島康司

金(ゴールド)のような仮想通貨が必要になる

このような視点から既存のビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を見ると、これらの通貨は消滅するどころか、これまでとは異なった役割が与えられ、存続する可能性が高いことが分かってくる。

それというのも、自立的小経済圏には共通した価値の尺度が必要だからである。無数にある仮想通貨が相互に交換されるためには、いわば現在の「金(ゴールド)」のような存在がどうしても必要になるということだ。

現在、日本の主要な取引所で取り扱っている仮想通貨は十数種類程度に過ぎない。この程度であれば、ある仮想通貨と別の仮想通貨の交換レートの表示はそれほど複雑ではない。たとえば1イーサリアムなら、その価値は0.25ビットコイン、1.5ライトコイン、25リスクというように仮想通貨の一定額で表示ができる。だから、仮想通貨の種類がこの程度であれば、相互の交換はさほど問題とはならない。それがいまの状況だ。

しかし、自立的小経済圏がたくさん誕生し、無数の仮想通貨が乱立するような状況になると、すべての仮想通貨の価値を一括して表現する金のような価値尺度がない限り、仮想通貨相互の交換はとても複雑になるので、困難となるはずだ。ではどのような仮想通貨であれば、価値の共通した尺度になることができるのだろうか? それは、どの仮想通貨とも無条件に交換可能な、それこそ金のような仮想通貨だ。

ビットコインに期待される役割「共通の価値尺度」

ところで、ビットコインのような仮想通貨はコンピューター上の単なるデジタルデータなので、金のような価値の実体的な基盤がないといわれる。金は手に取ることのできる物質として価値を持つが、デジタルデータである仮想通貨にはそれがないというわけだ。

しかし、金の本来の価値はその金属としての性質にあるわけではない。むしろ、市場であらゆる商品と交換可能な価値基準であることこそ、金の価値の源泉なのである。もし金が他の商品との交換ができないということになれば、金の価値はせいぜい宝飾品程度のものとなり、価値が大きく下がるはずだ。

これと同様なことが、どの仮想通貨とも交換可能で、その結果、すべての仮想通貨の価値基準となる通貨にもいえることである。こうした仮想通貨がデジタルデータで手に取ることのできる物質性を持たないことはなんら問題とはならない。そうした仮想通貨の価値は、それが他のすべての仮想通貨と交換可能であり、価値基準となることができるという事実にある。

無数の自立的小経済圏が形成され、無数の仮想通貨の交換が必要な状況になると、信頼できる価値基準として突出した仮想通貨がどうしても必要になる。

Next: どんな仮想通貨が金(ゴールド)ような価値基準となりうるのか?

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