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ビットコインはまだまだ輝く。待望される仮想通貨の「価値基準」=高島康司

政府管理ではない価値基準

このような価値基準としての仮想通貨には、さらに金と共通した特徴がある。それは、その価値が特定の政府や組織、また団体によって保証されるのではなく、市場の総意によって選ばれたものでなくてはならないという特徴だ。

たしかに、そのような統一的な価値基準となる仮想通貨が、市場の総意によって選ばれるのではなく、現代の不換紙幣のように、中央銀行による上からの強制力によって流通させることもできる。

しかしこの場合、流通性の基盤となる中央銀行や政府の信用が失墜すると、価値基準となる仮想通貨の価値も失われることになる。そうした場合、無数に存在する自立的小経済圏の間の仮想通貨の交換はできなくなってしまう。

このようなリスクを回避し、いついかなるときでも無条件に交換可能な状態にするためには、まさに金のように、共通の価値基準は市場の総意によって選ばれたもので、中央銀行や政府から独立していたほうが都合がよいはずだ。

特定の分野との結び付きのない価値基準

さらに、共通の統一した価値基準となるためには、もうひとつ重要な特徴がある。これがもっとも重要な条件かもしれない。それは、共通の価値基準となるように選ばれた仮想通貨は、特定の分野との結び付きがなく、独立しているべきだという条件だ。

たとえば自立的小経済圏では、送電網という分野で発生した仮想通貨や、不動産の登記を管理するブロックチェーンから発生した通貨など、さまざまな分野の通貨が乱立する。

そうした通貨の供給量は、特定の分野の需要によって左右される。もしそうした仮想通貨が共通の価値基準に選ばれてしまうと、結び付きの深い特定分野の需要によって供給が変化するため、すべての仮想通貨の価値は不安定になってしまう

これを避けるためには、統一した価値基準となる仮想通貨は、個別のどの分野にも属しておらず、純粋に価値基準としてあらゆる通貨と交換可能なものであるべき

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