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中国は「日本の二の舞い」になるか? 米中貿易戦争は長期化の覚悟を=田中徹郎

中国はやられたらやり返す

構造的には、日米と同じく新興経済と既存の経済の対立です。しかし日米のケースと決定的に違うのは、どうやら中国は日本ほどお人好しではなく、しかも軍事的な覇権まで視野に入れている点ではないでしょうか。

つまり中国は、日本のようにアメリカに対して遠慮する必要が無く、必ず報復的な行動をとるということです。つまり、「やられたらやり返す」です。

ただし、だからといって中国が徹底抗戦するとも思えません。なぜなら経済的に見て米中は一蓮托生だということを中国はよく知っているはずですし、少なくとも現段階で、彼らは経済的にアメリカに勝てると思っていないのではないでしょうか。

少しでも優位に立ちたい米国

一方で、トランプさんの方はどうでしょう。

たしかに予測不能なところはありますが、予測不能に見えるのは、行動に信念の裏付けがなく、その時々の利で動くからだと思います。その観点から米中経済摩擦を見るとどうでしょう。

輸入関税の適用は、自国産業からの支持を得る一方で、中国側の報復によって農産業や航空機など中国への輸出で稼いできた産業は大きなダメージを受けます。

このような利害を天秤にかけながら中国と交渉し、いかに有利な条件を引き出すかがトランプさんの胸の内ではないでしょうか。

決着への道のりは長く険しい

つまりアメリカも中国も、お互いを徹底的にやっつけるということなどは考えておらず、落としどころを図りながら交渉を続けることになると僕は思います。

ただしその道のりが遠いのは、日本とアメリカの間で起きた貿易摩擦が半世紀近くも続いたという歴史を見れば明らかです。

先週以降また世界の株価は大荒れですが、いずれ株価はこの問題の超長期化を見越し、その変動幅を縮小していくことになるのではないでしょうか。

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一緒に歩もう!小富豪への道』(2018年3月27日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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