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話題にならないコインチェック流出事件の「その後」。盗難コインの行方は?=今市太郎

森友学園の報道加熱の影に隠れて、今ひとつ地味な報道しかされなかったご存知コインチェックからどっさり盗まれた「NEM」のその後について解説します。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2018年3月30日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

なぜ追跡は途絶えた?事件当初は日本人の技術者が大活躍したが…

コインチェック問題の「その後」

森友学園の報道加熱の影に隠れて、今ひとつ地味な報道しかされなかったご存知コインチェックからどっさり盗まれた「NEM」のその後について。

一時は正義の味方、ホワイトハッカーが登場して果敢に盗まれたNEMの後を追ったものの、結局は換金を阻止することは一切できず、盗まれたすべてのNEMがほかの仮想通貨に交換されて一銭も戻らずに終息するといった最悪の事態を迎えたようです。

国内の利用者はコインチェックが弁償したことから、もはや関心はないのかもしれません。結局のところ「盗んだもん勝ち」の状態になってしまっています。

今後、こうした犯罪の再発を防ぐことができるのかどうかが、大きな焦点になりそうです。

別の仮想通貨に交換されて無くなった…

最初は追跡可能という形であったわけですが、匿名性を高めた特殊な手段でのみアクセスできるダークウェブにおいて、NEMを匿名のまま別通貨に交換するように呼び掛けるサイトが登場

結局、盗難されたほとんどのNEMが交換されて終了、ということになってしまったようです。

悪い奴にはさらに悪い奴が味方して、結局は悪事を貫徹することができてしまうという…。困ったものですが、事実はこうした形で幕切れとなってしまったのです。

なぜ追跡は途絶えたのか?

今回の追跡騒動では、日本人の技術者が大活躍することとなりました。もともと仮想通貨はどの通貨であってもアカウント間の取引は公開されていますから、その検証は銀行間などのやりとりよりもよほど確実に検証することができると言えます。

今回の追跡では利用者が独自のトークンを定義・運用できる、いわゆるモザイク機能を使って返金処理のできないトークンを定義し、返金ができない印のついた口座を追跡可能にしたわけです。

しかし、盗難されてしばらくはトラッキングできたこの機能も、当初の想定をはるかに上回る形で分散が起きてしまったことから、分散先が2万件を過ぎたあたりからほとんど識別ができない状態に陥りました。

そして、前述のダークウェブ内に登場した交換促進サイトの登場で、ほぼすべてを追いかけられないままに失うこととなってしまったのです。

Next: コインチェックの教訓を活かせるか? 仮想通貨にある拭えないリスク

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