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Suicaがポイント業界に殴り込み! 日本の現金主義を変える救世主になるか?=岩田昭男

共通ポイント「JREポイント」の整備と連携

JR東日本がこうした新しいサービスを付け加えたのは、乗客の利便性を考えたのはもちろんですが、もう1つ理由があります。それは昨年にスタートした「JREポイント」という共通ポイントが関係しています。

現在JR東日本は、アトレ、シャポーなど、ばらばらだった駅ビルのポイントサービスを統合してJREポイントとし、さらにSuicaポイント、ビューサンクスポイントなどを統合してグループ内の共通ポイント化を急いでいます。

昨年12月にはSuicaポイントが正式に加わり、この6月にはビューサンクスポイントも加わって、JREポイントがその威容を現すことになっています。

こうなると利用者の意識は確かに変わるでしょう。

JR東日本の全ポイントサービスがJREポイントに統合されたならば、首都圏各地にあるアトレ、シャポー、グランデュオなどエキナカのショッピングセンターでの買い物分もポイントで合算できます。

さらに街中でのSuicaの利用やビューカードで貯まるポイントも合算できるため、意識して買い物をすると、かなり大きな額のポイントを毎月獲得できるようになります。

他の電子マネーとの限度額競争も意識している

一方で、エキナカでの利用が増えると、買い物に使うSuicaの利用も増えますから、結果的に残高も少なくなります。そうなると、自動改札機を出ようとしても残高不足で扉が開かないケースも増えるでしょう。

そうした不便をなくすために、自動改札機を出る際にもオートチャージができるようにしたのです。

その背景には、さらにプリペイド方式電子マネーの過当競争が隠れています。SuicaはもちろんPASMO、nanaco、WAON、Edyも誕生当初は限度額が最大2万円でした。今もSuicaとPASMOは2万円ですが、nanaco、WAON、Edyは5万円に上がっています。

特にnanacoとWAONの発行会社は、ここ5年ほどで、スーパーから百貨店にまで業態を広げているため、2万円では少なすぎるという声があがりました。その声に応えて、早々に5万円にまで引き上げた経緯があります。

コンビニなら2万円でも十分でしょうが、百貨店となると5万円ぐらいないと買い物ができないという判断です。

実際、現在の電子マネーの中で最も利用件数が多いのはnanacoと言われます。一方で、利用金額が最も多いのがWAONと言われています。

これはnanacoがセブンイレブンを中心として展開しているのに対して、WAONはイオンモールで単価の高い買い物が増えていますから、利用件数は少なくても金額が大きくなるというのです。

Next: クレジットカードに代わり、電子マネーがキャッシュレス時代の主役へ

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