マネックスがコインチェック買収で失敗するワケ~なぜゼロから取引所を作らない?=今市太郎

マネックス証券がコインチェックを36億円で買収することが正式決定しました。しかし、問題山積のシステムを買収してこの業界を勝ち抜けるのか、大いに疑問です。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2018年4月6日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

マネックスは大丈夫か?稚拙なシステムで生き残れる業界ではない

現・経営陣は退場へ

コインチェックをとうとう、マネックス証券が買収することが正式決定しました。

まだ金融庁はこの業者を正式に認可するかどうかはわかりませんが、既存の経営陣は株式だけもって退場し、経営権は完全にマネックスが握ることになります。

こうした既存のビジネスをM&Aで手中に収めるというのは、2000年代以降グーグルやアップル・フェイスブックが実に得意としてきた、いわゆる「インオーガニックグロース(外部の取り込みによる成長)」と呼ばれるものです。

これは、スクラッチ(まったくのゼロ)からシステムを開発するよりもかなり早く市場をキャッチアップして利益を確保でき、業界のリーダーとして振る舞っていける可能性を秘めたディールということなのでしょう。

買収額「36億円」は妥当なのか?

現状では購入価格は数十億円とされていますが、これが20億なのか80億なのかでは、ずいぶんといい買い物かそうでないかが分かれることになりそうです(※編注:原稿執筆時点4月5日。その後の発表によると買収額は36億円、アーンアウト条項付きとなっています)。

なにより、どういうデューデリジェンス(投資対象となる企業や投資先の価値やリスクなどを調査すること)を行っているのかはわかりませんが、コインチェックなる会社は、本当に一定以上のカッティングエッジな技術力を持った会社なのかどうかについては、かなり首をかしげるところもあります。

マネックス証券のこの判断が正しかったのか、失敗だったのか。それはここから数年の動向を見ないと、拙速には判断できない状況と言えます。

問題を起こしたシステムをそのまま買収

確かに平時におけるコインチェックであったならば、顧客数やサイトの使い勝手など、競合他社と比べて明確な付加価値要素もしっかりと確認できたことでしょう。

しかし850億円という膨大な損害を引き起こしたシステムは、オンラインに接続したウォレットが原因だとはいえ、そのハッキングされ具合は決してレベルの高い状況下で起きているものとも思えません

なんとか取引所の要件こそ満たしていたものの、高額の資金を投入して買収してまで手に入れるべきシステムなのかどうかには、かなりの疑問が残るところです。

Next: とんだお荷物を買い取った? 問題山積のシステムに利用価値はあるのか

1 2

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらTwitterでMONEY VOICEをフォロー

ついでに読みたい