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「人材格差」が「経済格差」に。モバイル決済1,000兆円の中国と日本を分けたものは何か?【大前研一「2018年の世界」(完)】

日本が生き残るための提言

経済については、心理経済学を踏まえ、低欲望社会を前提として、将来に対する不安を取り除くことに専念することです。経済政策はこれ1つです。先述の通り、いざとなってどうしようもなくなった時には国が面倒を見ると言ってやったほうが、この1,800兆円の個人金融資産がバーッとマーケットに出ます。1パーセント出てきただけで18兆円です。消費税で言えば6パーセント分以上に値します。

外交については、ロシア、中国、米国と基本的には等距離を置き、独裁者に迎合しないことです。独裁者の中にはトランプ大統領も入っています。

教育では、トライリンガルで世界のどこでも勝負できる人材を育成します。日本が20万円の月給に甘んじてしまう理由は、語学ができないからです。インド人は語学ができるから年収10万ドルまでいくのです。そして、これからは英語だけでは駄目です。トライリンガルというのは、日本語、英語、プログラミングの3言語です。また高校まで義務教育として無償化し、大学には生涯2~3回入り直して職能教育を受けます。こういうことをやらなければいけません。

国防は専守防衛をやめて、国益を脅かす勢力に対抗するのに十分な攻撃力を維持します。

財政に関しては、現役世代で借金を返済し、景気刺激よりも健全化に軸足を置きます。財務省も本当はこれをやりたいと思っています。

福祉ではバラマキを廃止、自助努力奨励、母子・父子家庭などの全面支援でメリハリを付けるべきです。(本連載は今回で終了となります)

『大前研一 2018年の世界~2時間でつかむ経済・政治・ビジネス、今年の論点~』著:大前研一/刊:good.book ¥9002017~2018年の世界・日本の動きを俯瞰し、国と企業の問題・トレンドを大前研一が解説。トランプ政権はどうなった? BREXITの行く末は? 中国の存在感はこれからどうなる?これらの世界の動きに対して日本はどうするべきなのか。2時間の講義で、2018年のビジネスのためのしっかりした知識を身につけることができます。

大前研一 2018年の世界~2時間でつかむ経済・政治・ビジネス、今年の論点~
著:大前研一/刊:good.book ¥900
2017~2018年の世界・日本の動きを俯瞰し、国と企業の問題・トレンドを大前研一が解説。
トランプ政権はどうなった? BREXITの行く末は? 中国の存在感はこれからどうなる?
これらの世界の動きに対して日本はどうするべきなのか。
2時間の講義で、2018年のビジネスのためのしっかりした知識を身につけることができます。

記事提供:biblion

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