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中国、予想を上回るGDPも株価下支えにならず=人民銀行が次に繰り出す「勝負手」に注目集まる

中国が15日発表した2015年4-6月期の実質GDP成長率は、1-3月期同水準の7.0%となり市場予想を上回りました。しかし投資家の先行き警戒感は根強く、上海総合指数は前日比3.03%安の3805.70ポイントで取引を終えています。(『【DZH】中国株マーケット&ニュース』より)

中国の発表する経済指標にはその信憑性を疑う見方があるいっぽう、経済の減速が鮮明になれば「中国版バズーカ砲」を求める声が高まることも考えられ、当局の「次の一手」を慎重に見極める神経質な展開になりそうです。

GDPは市場予想を上回るも中国株は続落、先行きに警戒感

15年4-6月期の実質GDP成長率は7.0%、市場予想上回る

中国国家統計局は15日、2015年4-6月期の国内総生産(GDP、速報値)成長率が物価変動の影響を除いた実質で前年同期比7.0%だったと発表した。

伸び率は市場予想(6.8%)を上回り、1-3月期から横ばいだった。前四半期(1-3月)比の伸び率は1.7%となり、市場予想の1.6%から上振れた。

1-6月期の実質成長率は7.0%(市場予想は6.9%)だった。名目GDPは29兆6868億元。産業別の実質成長率は、第1次産業が3.5%、第2次産業が6.1%、第3次産業が8.4%だった。

本土大引け:上海総合指数は大幅続落、一時3800ポイント割れ

15日の中国本土株式市場で上海総合指数は大幅に続落。終値は前日比3.03%安の3805.70ポイントだった。上海、深セン両市場の売買代金は概算で1兆2460億7100万元。

上海総合指数は終日マイナス圏で軟調に推移した。午前に発表された2015年4-6月期の国内総生産(GDP)は前年同期比7.0%増と市場予想(6.8%増)を上回ったほか、1-6月期でも7.0%増と7%台を維持したものの、先行きに対する懸念は根強く、一時は上海・深セン市場に上場する1000銘柄近くがストップ安をつけるなど売りが広がった。

指数は後場に3741.25ポイントまで下落したものの、大引けにかけて下げ幅を縮小し、心理的節目の3800ポイントを守って取引を終えた。

A株市場では、国電電力発展(600795)や華能国際電力(600011)など電力株、光大証券(601788)や方正証券(601901)など証券株の下落が目立つ。石炭株も総じて売られ、エン州煤業(600188)や大同煤業(601001)はストップ安をつけた。半面、ペトロチャイナ(601857)やシノペック(600028)など石油株、中国民生銀行(600016)や招商銀行(600036)など銀行株が買われた。自社株買いに最大10億元を投じる計画を発表して14日に取引を再開した中興通訊(000063)は2日連続でストップ高をつけた。

上海B株指数は7.51%安の335.71ポイント、深センB株指数は3.60%安の1254.24ポイントとともに続落した。イータイ・コール(900948)や中国南玻集団(200012)が売られて指数を押し下げた。

香港大引け:ハンセン指数は続落、上海株安を嫌気する売りが優勢

15日の香港株式市場でハンセン指数は続落。終値は前日比0.26%安の25055.76ポイントだった。H株指数は1.31%安の11681.20ポイント。メインボードの売買代金は概算で1046億3900万HKドル。

ハンセン指数は前日の欧米市場が上昇した流れを引き継ぎ、反発して始まった。上海市場が大幅に続落すると本土系銘柄を中心に売りが優勢となり、後場に一時、相場の強気と弱気の分かれ目とされる250日移動平均(14日終値時点で24897.06ポイント)を割り込んだ。

大引けにかけてやや下げ幅を縮小し、心理的節目の25000ポイントを上回る水準で引けた。序盤には高く推移する場面もあった。中国の国家統計局が午前に発表した2015年4-6月期の国内総生産(GDP)が市場予想を上回り、材料視されたもよう。セクター別では銀行や保険、カジノが売られた半面、石油や香港系不動産の一角が買われた。

個別では、テンセント(00700)が寄り付き後に下げに転じ、相場の重荷となった。香港証券取引所(00388)や中国人寿保険(02628)も安い。前日高かったカジノ株のサンズ・チャイナ(01928)と銀河娯楽(00027)はそろって反落した。

一方、時価総額が大きいAIAグループ(01299)、チャイナ・モバイル(00941)、HSBC(00005)が堅調で一定の下支えとなった。中銀香港(02388)は全額出資する南洋商業銀行の売却手続き開始が好感され、2.29%高。シノペック(00386)は上海でA株(601857)が制限値幅の上限(ストップ高)まで買われ、つれ高した。

H株では、2015年6月中間決算が70-80%減益となる見通しを前日に明らかにしたウェイチャイ・パワー(02338)が12.35%安。油田サービスのシノペック石油工程技術服務(01033)、医薬メーカーの山東新華製薬(00719)も大幅に下落した。半面、前日に中間決算での黒字転換見通しを発表した大唐新能源(01798)が高い。

【DZH】中国株マーケット&ニュース』(2015年7月15日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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