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オールアバウト、NTTドコモとの資本業務提携を発表 通期営業利益は過去最高値を更新

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2018年5月11日に行われた、株式会社オールアバウト2018年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

平成30年3月期決算説明会

江幡哲也氏(以下、江幡):本日はお忙しい中、決算説明会にお越しいただき、ありがとうございます。

それではさっそく、平成30年3月期決算の内容についてお話を申し上げたいと思います。最後にご質問をお受けしたいと思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします。

本日の内容を、ざっと申し上げます。まず、決算ハイライト、そして事業ハイライトにつきまして、ご説明します。そののち、この先の成長戦略(における事業領域と今期の主要な取り組み)、業績の見通しということで、ご説明を終わりたいと思っています。

本資料の前提となる連結対象企業構成

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毎回のことですが、当社は連結で決算を発表させていただいていますので、今回の(決算説明の)前提となる連結対象企業構成について、ご紹介したいと思います。

(当社グループの)株式会社オールアバウトが(中心に)ございまして、連結子会社が6社ございます。期中では、ミューズコー株式会社が(平成29年)7月から連結(対象)に加わりました。

一昨年度の3月末に(資本参加をいただいて)株主になられた日本テレビ放送網と8月に合弁会社(日テレ・ライフマーケティング株式会社)を設立しています。

これらの連結対象企業構成が前提になっているということを、お伝え申し上げます。

オールアバウトグループのセグメント

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それらの連結対象企業構成を、セグメントとして2つに分けてご紹介します。

1つ目は、マーケティングソリューションセグメントです。こちらは主に、法人のお客さまからお金を頂戴するビジネスを中心としたセグメントです。現在の収益の柱の1つになっているものに、メディアビジネス系のビジネスがありますが、こちらのセグメントに属しているものが中心となっています。

2つ目は、コンシューマサービスセグメントです。生活者個人のみなさまからの収益をいただくビジネスが中心のセグメントです。

(コンシューマサービスには)いくつかの事業がございますが、株式会社オールアバウトライフマーケティングが行っている(トライアルマーケティング&ECの)「サンプル百貨店」を中心としたコマース系の事業が、収益の柱になっている部分を含むセグメントです。

このような構成の中で(業績について)ご紹介しますが、1点注釈です。こちらの資料は昨期の(セグメントの)状態で、今期(平成31年3月期)から、ファイブスターズゲーム株式会社が連結子会社ではなくなっていることを、申し添えておきたいと思います。

連結売上高の推移(年度)

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それではさっそくですが、ハイライトに移りたいと思います。

まずは連結売上高の推移(年度)です。おかげさまで成長を続けていまして、このようなかたちで、年度ごとの売上高が伸びています。

現在の大きな戦略は、第一指標として売上高にこだわっています。さまざまな投資をこなしながら利益も確保していますが、第一指標の売上高がこのように伸びているということが、非常に大きなポイントかと思っています。(通期ベースで)7期連続増収で、過去最高売上高を更新しています。

平成30年3月期の決算ハイライト①

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平成30年3月期の決算ハイライトを申し上げます。まずは、通期業績です。

(売上高は)対前年で34パーセント増です。営業利益も過去最高の6億円を超えまして、対前年で20パーセント増になります。

先に、2つのセグメントのポイントを申し上げます。

まず、マーケティングソリューションセグメントは、インターネットの広告ビジネスです。メディアビジネスが中心です。

売上高が、前年比で6億6,000万円伸びました。オールアバウトおよび、グループ会社のオールアバウトナビともに、広告売上が堅調に推移した結果、このような数字になっています。

増収にともないまして、営業利益も上がっているところがポイントです。(マーケティングソリューションは)我々が創業以来17年取り組んでいる事業ですので、まだ堅調に伸びているかと思います。

もう1つが、コンシューマサービスセグメントです。このセグメントの中心にございます「サンプル百貨店」は、毎年伸び続けていまして、当該期におきましても前年比で21億円の増収で、成長させていただきました。

このセグメントには、さらにファッション分野のeコマースのサイト(を運営する)ミューズコーを(第2四半期から)連結開始しています。売上で言うと、当該期においては8億5,000万円の増収効果がありました。

後ほどご説明申し上げますが、この会社は(グループに)取り込む前は、大きな営業損失を計上している会社でした。PMIプロセスにおいて、昨期は「マイナス部分もできるだけ圧縮して、グループにマージしていくフェーズだ」とご報告申し上げました。

グループ入りする前は、年度ベースでだいたい5億8,000万円の損失の会社でした。それを、1億円ぐらいに圧縮できました。このセグメントにおいては、さまざまな投資をこなしながら、営業利益は本業の伸びによって横ばいとなりました。

以上が、平成30年3月期の決算ハイライトです。

平成30年3月期の決算ハイライト②

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数字につきましては、こちらの一覧表にある通りです。

平成30年3月期通期は、売上高が139億4,100万円、対前年34.4パーセント増です。営業利益が6億6,800万円、対前年20.1パーセント増です。経常利益は22.4パーセント増、親会社株主に帰属する当期純利益は40.5パーセント増です。

全指標において、成長した期だったということです。

連結売上高の推移(四半期)

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連結売上高の四半期推移を、グラフにしています。堅調に伸びてきているところを、見てといただけるかと思います。グラフは、グレーがマーケティングソリューション、ピンクがコンシューマサービスです。

売上高としては、コンシューマサービスが大きく占めています。利益の構造で言いますと、メディアを中心とするマーケティングソリューションの利益率が高いので、こちらがまだ利益頭であるという状況です。ポートフォリオとしては、いろいろなかたちを組み合わせながら成長しています。

連結営業損益の推移(四半期)

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連結営業損益の推移は、このようなかたちになっています。(四半期ごとに)まだデコボコがございます。

これは、コンシューマサービスセグメントにおきまして、さまざまな投資やいろいろなオペレーション上の影響で四半期によって影響を受ける部分があります。

投資の部分も、先ほどのミューズコー社の取り組みや、日本テレビとの合弁会社の立ち上げを含めて、全セグメントにおいて2020年に向けた投資を継続するということです。いろいろなタイミングでそれが始まりますので、四半期毎の推移については、このようになっていきます。

当期実施した株主還元施策について

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昨期に実施した、3つの株主還元施策です。

1つ目は、半年前(の決算説明会)にご紹介申し上げましたが、9月末の株主さまから、株主優待制度を新設しています。

弊社はIT企業ですし、メディアを運営していますので(それにともなって)特色のある株主優待です。個人の株主のみなさまを中心に、もう少し保有株数を増やしていただいたり、もう少し長期でお持ちいただいたり(してほしい)という、我々の願いです。

そのような株主のみなさまには、株主優待ポイントを高く出させていただいて、そのポイントをもとに商品と交換していただけるような(株主向けの)特設サイトを始めさせていただきました。

また、昨日(開示した)決算短信でもご報告申し上げていますが、配当につきましては、増配とさせていただいています。安定配当という施策は取っていませんので、毎期ごとの議事で判断させていただく配当になっています。

昨期は(従前の)ご報告の通り、業績を伸ばすことができました。この部分を鑑みながら、前年の1株当たり3.0円から5.0円に増配させていただいています。配当性向では21パーセント程度です。配当性向はその都度判断してまいりますが、だいたい20パーセントぐらいをベースに考えていくことを、今のところやっていければなと思っている次第です。

また、期中には、資本効率の向上・経営環境の変化等に対応しながら、株主還元も含めて、(機動的な資本政策の一環として)自社株買いをさせていただいています。金額で7億円程度、パーセンテージで3パーセント程度です。

これらの3点が、期中の株主さま向けの還元施策でした。

以上が、連結決算ハイライトです。

2. 事業ハイライト マーケティングソリューション セグメント

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ここからは、セグメントごとに掘り下げてご説明申し上げたいと思います。

まずは、マーケティングソリューションセグメントです。(スライドに)ロゴがいろいろと並んでいますが、それぞれインターネットで展開している、メディアプラットフォームのサービスのロゴです。だいぶ、増えてまいりました。

マーケティングソリューションの売上・営業損益推移(四半期)

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まずは、こちらのセグメントのハイライトをご紹介したいと思います。

一昨年度末……昨年の頭から実質機能していますが、日本テレビとの資本提携を始めています。昨年度の中では2つの取り組みをやろうということで、ご報告を申し上げたと思います。

1つは、ソーシャルメディアとテレビの組み合わせで、新しいことを目指していく。このセグメントは、その部分に該当するものです。ソーシャルメディアの戦略子会社であるオールアバウトナビに、期中はさらに追加で、日本テレビからご出資をいただきました。

この会社が、実質合弁企業になるように進化するというかたちになって、その効果もあり、オールアバウトナビの売上・利益が、まだまだ成長段階ではありますが、倍増しました。

また、もう1つのハイライトは、インバウンド需要ですね。東京オリンピックに向けて、海外からのお客さまが増え続けていますが、そのような市場に対して数年前から取り組んでいる、日本のよさを伝えるための海外向けの情報サイトとして「All About JAPAN」というサービスを行っています。こちらも成長いたしまして、そのサービスだけでも、利益が1億円を超えているというかたちです。

このような業容拡大に伴いまして、人を中心とした固定費が増加していますが、それを上回り、前期比で2億円以上の利益に貢献しています。

売上・営業損益の四半期推移は、こちらのグラフのとおりです。

マーケティングソリューションの営業費用の明細推移(四半期)

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マーケティングソリューションの営業費用の四半期推移が、こちらに示されています。

自社コンテンツや広告への集客力向上(のため、外部誘導枠の調達が増加しました)。例えば、All Aboutという1つのメディアをとっても、お越しいただくユーザーは月間で3,000万人規模です。

今や、生活者・利用者のみなさまからすると、インターネット全体が1つのメディアとなっています。そのため、All Aboutという場にお越しいただかなくても、我々のコンテンツをご利用いただけるようにしなくてはいけないということで、さまざまな場所にコンテンツを配信しています、提携など(を行い)いろいろなかたちで露出するようになっています。

それは、アプリもあれば、ソーシャルメディアのサイトもあれば(ということで)いろいろなところ(と提携しているの)ですが。そのようなところが増えるに従って外部との連携で集客・送客することも増えました。外部の誘導枠も、広告主さまに提供していくことがあります。

そのような場合には、ある種原価の増加になり(それにともない)売上も増加するような構造があります。

また、人材を中心として、メディアの開発等のために投資もしています。その部分の固定費が、若干ですが、上がったというかたちです。

マーケティングソリューションの主要トピックス

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このセグメントの定性的なトピックはたくさんあるのですが、今日はお時間の関係もあるので、2つほどご紹介したいと思います。

1つ目は、冒頭で申し上げた日本テレビとの取り組みです。ソーシャルメディアとテレビのシナジーを(スマホ・SNS時代で)どうやってやっていくのかという(最適化にあたり)第1弾を始めているということで、「チルテレ」というショート動画メディアを始めています。これを、後ほどご紹介したいと思います。

2つ目は、昨今我々のプレーヤーや業界では、必ずデータという言葉が出てまいります。AIやディープラーニングのもとになるデータを、いかに拡充・蓄積し利活用していくのかというところがございます。オールアバウトも、古くからデータの蓄積・活用にはこだわっていまして、このようなデータ活用をさらに進化させるかたちで、広告主のみなさまのコンテンツマーケティングのお手伝いが進んだということです。このあたりを、後ほどトピックとしてご紹介したいと思います。

マーケティングソリューションのハイライト①

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「チルテレ」です。そもそも「チル」という言葉は、耳慣れないかもしれません。とくに10代、20代の若い方を中心に(流行っている言葉で)もともとはヒップホップで「チルアウト」という用語がございます。日本語にするといろいろな訳がありますが、「まったりする」「のんびりする」「くつろぐ」とか、そのような意味をとっています。今は若い方の間で、ソーシャルメディア上で「チルってる」「チルする」とかいうのが、流行り出しています。

その「チル」をとりまして、そのようなターゲット像……つまり、ミレニアル世代向けに動画を中心としてリーチをしていこうという戦略意図のメディアになります。

また、構造として新しい取り組みでいうと、そのような動画のコンテンツは、日本テレビは当然お持ちで、どんどんつくっていただく能力が高い部分で、我々は一緒にやらせていただいています。その部分と合わせて、テレビ・インターネット・スマートフォンなど、いろいろなもののデバイスや環境の変化が起こっている中で、どのように多くの人にリーチしていくのかという構造が、複雑化しています。

いろいろな方法でいろいろなお客さまにリーチしていくということを、業界では「分散型」と言っています。分散型メディアの構造にチャレンジすることが、もう1つのポイントです。

そのような中でいうと、あまり長い時間の動画というよりは短尺(の動画)になりまして、さくさくと見て楽しんでいただけるということです。「ミレニアル世代のユーザーに向け、スマホ・SNS時代に最適化したショート動画メディア『チルテレ』を開始」を始めています。

昨年(平成29年)12月に、β版を開始しました。β版というのは業界用語で、まだ完全版ではなくて、いったんテスト版として公開して、いろいろなご意見をいただくものです。

4月から本格スタートとなっていまして、そのコンテンツのお届け方法の1つとして、週1回のBS日テレの30分番組の「チルテレ」というそのもの(の番組名)にしました。その番組枠と、我々のオールアバウトナビが持っているFacebookを中心としたソーシャルメディアの、440万人のリーチを組み合わせる。

さらに民放各社でやっていらっしゃる「TVer」という、見逃したあとの番組を見るサイトがございます。こちらも、かなり多くのアプリのダウンロード数があります。もう約1,000万のダウンロード数がございまして、ここにも配信するということです。

このような組み合わせでメディアを開始するということを、まだ実験的な部分もあるかと思いますが、始めています。

収益としては、動画のタイアップ広告をここに流していくということも、チャレンジとして始まっていることを、トピックスとしてご紹介したいと思います。

出だしとしては、初めての試みなので非常に関心が高く、業界もしくは広告主のみなさまから(引き合いを)いただいているという状態です。

マーケティングソリューションのハイライト② -ⅰ

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2つ目の(閲覧行動)データ(を活用したコンテンツマーケティングの推進)と申し上げたところです。

弊社では、もともとネイティブアドネットワークの「All Aboutプライムアド」というものをやっています。横文字で、少し難しいですが。

アドネットワークとは、インターネット全体に対して、どのサイトにおいても来た人の属性に合わせて広告を配信するという、アドテクノロジーの仕組みです。その広告のコンテンツの中身として、ネイティブアドとは、よりコンテンツに近いかたちで、ユーザーのみなさまに使っていただけるようなコンテンツの形態となっています。

そのようなものを、オールアバウトは(創業以来)17年間得意にしていますので、そのかたちでのAll Aboutにとどまらない、インターネット全体へのネットワーク型の広告を、「All Aboutプライムアド」としています。昨年(平成29年)の夏にリリースを出させていただいています。

そのような広告の形態をやるために、我々の面だけではなくて、提携媒体のみなさまが今30媒体強ございますが、それらに対してデータの活用も横断で行えるようなことを始めています。ある種、AIや機械学習のようにデータを分析しながら、より役立つ情報としての広告を目指したかたちで始めています。この(スライドの)図にあるとおりです。

そのような、メディア間でのデータ横断で、より深いユーザーのインサイト・ニーズを発見して、より複雑化しているインターネットの利用環境の中で、広告主のみなさまに新しい価値を提供する。これとともに、利用者のみなさまにも非常に役立つ広告、邪魔にならない広告です。ともすると、今は広告があふれかえってしまいますので、そのようなものを目指すということを、しっかりとやっているということです。

オールアバウトの1つの特徴ですので、取り組みをしています。

マーケティングソリューションのハイライト② -ⅱ

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もう1つデータの切り口でやっていることがございます。

All Aboutという媒体には、月3,000万人のユーザーが訪れます。

1,300の分野があり、常時数十万の記事があり、そこへのアクセスデータがございます。これと広告主さま……我々はクライアントと呼んでいますが、このデータを突合いたしまして、自分の会社のサイトに訪れ、興味を持ってくれたお客さんが、どのような情報に興味があるのかを、客観的に把握することができます。

これによって、そこを訪れたお客さまに、例えば自分のサイトで見せる情報を出し分けたり、登録したお客さまであれば、その後eメールで何回かアクセスをするときに、どのようなコンテンツを送っていったら、最適化してお客さまの購買を促進できるのかにご活用されたり。

業界で言うと、いわゆるマーケティングオートメーションという、非常に伸びている分野です。メディアをやっているオールアバウトだからこそできる仕掛けということで取り組んでいるのが、このパターンです。

クライアントのサイトでのコンバージョン……コンバージョンというのは、購買とかに対してのアクションですけれど、そのような行動を分析して、より広告主の広告効果の高いコンテンツマーケティングが可能になる施策も推進していくことを進めた期でした。

2. 事業ハイライト コンシューマサービス セグメント

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続きまして、コンシューマサービス系になります。こちら(のスライド)もサービスのロゴを描いていますが、これも増えてきています。ミューズコーと日テレライフマーケティングの、2つのサービスが始まっています。

コンシューマサービスの売上・営業損益推移(四半期)

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こちらの収益の推移です。左側のグラフをご覧いただくとわかるとおり、ここ数年で急拡大して、売上高を伸ばしています。前期も「サンプル百貨店」の、主に商品拡充をベースにしまして、前年比で約21億円伸ばすことができました。ご案内のとおり、ミューズコーによって、売上高を8.5億円(加算しています)。こちらは、連結開始で9ヶ月分が加算されています。

あわせて投資や会員増強・システム投資・人員増等のいろいろな投資がありますが、まだまだこのマーケットは伸びますので、投資も「サンプル百貨店」の増益が吸収しながら、利益としては対前年と同等のものを出した結果になっています。

コンシューマサービスの営業費用の明細推移(四半期)

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コスト構造につきましても、変動費は商品の原価がかなり多く計上されます。この部分は、規模の拡大とともに大きくなっていく部分です。一方で、(グラフの)下の固定費の部分が、その伸びに対してあまり伸びていないことは、見てとっていただけます。利益構造をしっかりと作れるところになっていまして、今はまず、サービスの規模を大きくするところに、アクセルを踏んでいる状態です。

コンシューマサービスの主要トピックス

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このセグメントでの主要トピックスを、3つ挙げさせていただいています。

1つ目は、商品調達の強化により、「サンプル百貨店」(の掲載商品数)が伸びたことです。

2つ目は、合弁会社・日テレライフマーケティングが始まりまったということです。

3つ目は、ミューズコーのPMIが順調に推移したということです。

コンシューマサービスのハイライト①~サンプル百貨店トピックスⅰ

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取り扱い商品数(SKU)は、「サンプル百貨店」の1つの指標として重要なテーマです。こちらが、2017年の10月時点と比べまして、2018年3月末は、かなりの量を増やすことができたということです。

従来の自社発送……「サンプル百貨店」が持っている倉庫に、1回商品を入れまして、そこから発送することだけをやってきていましたが、加えて「直送モデル」と言っているのですが、商品を売られるお客さま側で、商品登録機能を提供して、ご自身で配送する仕組みの導入を昨年度推進いたしました。これにより、多数の商品を広げていくことができました。これは、今期もますます推進していくポイントになっていくと思います。

また、利用者数です。こちらは、指標のところに注釈を入れています。「サンプル百貨店」につきましては、我々が運営している「サンプル百貨店」本店と、他の事業者さまのいろいろなプラットフォーム上で「サンプル百貨店」の展開がございます。

この2つが今伸び始めています。その両方の指標を合わせた、全体の利用者の規模をお示ししています。このようなかたちで、どんどん伸びています。今はこの2つの伸びが、事業をドライブしています。

トライアルマーケティング&EC領域で狙う市場

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「(『サンプル百貨店』には)どれぐらい伸びしろがあるのだろうか?」ということですが、現在の商品の取り揃えや方向性を見ますと、ターゲットとなる購買者属性は、お子さんがいらっしゃるご家庭(「夫婦と子」からなる世帯)になります。

これはかなり広いですが、総務省等の調査によると、今はだいたい1,200万世帯ございます。現状で、約193万人にご利用いただいていますので、まだ6倍~7倍ぐらいのポテンシャルがございます。商品はコモディティが多いですから、どなたでもお買いいただいてメリットを享受いただけますから、まだまだ伸びるということです。

そのような意味では、事業として、今はまだまだ伸ばせる部分の基盤を強化する。会員を増やしたり、商品を増やしたり、システムを増強したり。必要な投資は、やっていく時期と考えている次第です。

コンシューマサービスのハイライト①~サンプル百貨店トピックスⅱ

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先ほど申し上げた「直送モデル」です。これによって、取り扱い数商品数が、経年で言うとこのようなかたちで伸びてきています。これは「SKU」という、eコマースのサイトで使われる商品管理単位です。今期も、もっと伸ばしていくことを考えています。

コンシューマサービスのハイライト②

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合弁会社・日テレライフマーケティングです。こちらは、日本テレビがネットワーク局のみなさんとともにご展開されている「全国うまいもの博」というイベントです。

こちらは、地方の百貨店・ローカル局さんと一緒になってやっているイベントで、歴史があります。全国13ヶ所・約70~80万人ぐらいの来場者がある非常に盛り上がるイベントです。それぞれの地域で開催しています。

リアルイベントですが、こちらに集まっていただいている方を、ECに引き込んでいくことを、まずはやっていこうとしています。それにより、その(イベントが開催されている)ときしか買えなかったいろいろなものを、通年でご購入いただけるようになりますし、地域間の連動もやりやすくなるということです。フロー型でやっていた事業を、ストック型に変えて、進化させていく。そのようなことをまず始めた、1年でした。

まだ途中からでしたので、全13ヶ所を回るにはもう少しかかるのですが、それをやっているところです。ローカル局さま・日本テレビのキー局を含めて、テレビとeコマースをどう進化させていくのかが、(コンシューマサービスの)もう1つのテーマでした。その具体策として始めたということをご報告いたしました。

コンシューマサービスのハイライト③

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(ハイライトの)3番目は、ミューズコーです。ミューズコーにつきましては、20代中盤ぐらいの女性をターゲットに、ファッションコマースをやっている専門サイトです。前期は7月から、PMIが順調に推移したと思っています。

コスト構造では、マーケティング費用の最適化を行いました。また、多くのコンテンツ作成プロセスの最適化も行いました。フルフィルメントと言われる物流・カスタマーサポート・バックオフィス系といったところも、グループの資産を使って統合いたしました。

この結果、こちらにございますように、コストの圧縮に成功しています。売上もまだまだ堅調ですので、今期はラグジュアリー・アパレル・コスメ領域にさらに注力しながら、黒字化へ持っていくかたちです。

以上3点が、コンシューマサービスのハイライトでした。

成長戦略における事業領域

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続きまして、成長戦略に移りたいと思います。

これは毎回お出ししている図ですが、2020年と、その先もまた10年間、さらに成長していける事業基盤を作る、そこに向かっていろいろ戦略を推進していくというときに、「それでは、どのような分野で注力していくのか?」について、ご説明している図です。

薄くなっているもの(クラウドソーシング、ウェルネス)はまだ手が付いていませんが、いくつかサービスは展開しています。この(目標の)2020年まで、あと2年です。

収益面から見ますと、現在の主力は2事業です。「メディア広告&ソリューション」と「トライアルマーケティング&EC」。(後者は)「サンプル百貨店」を中心としたコマース系です。今後2年間(の目標)は、この2本柱をより太くすることと、2本柱ですと倒れてしまうかもしれませんから、ちゃんと3本柱にして倒れないようにすること。基盤を作るところが、この2年の目標です。

これは従来から申し上げているとおりですが、いくつかの分野を今試行しています。例えば、ヘルスケアは、大きなチャンスがあるかなと取り組んでいるところです。

成長戦略を推進する上での注力ポイント

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その(成長戦略を推進する)ために注力するポイントです。2つの点が、我々にはまだ欠けています。

具体的に申し上げます。1つ目は、(現在は)そこそこの規模で事業をやっていますが、「圧倒的な規模感」が足りない。インターネットの分野で、プラットフォーマーという言葉があります。例えば、Google・Facebook・Amazon・Apple。このようなところが、ユーザー接点を強力に抑え、プラットフォーマーとして業界の中心になっています。

そのようなところの出現にともないまして、圧倒的な規模感がないと、なかなか戦えない状態になっていきます。我々はもう1歩、やはり高めなければいけない、非連続にしなければいけないというのが(強化ポイントの)1つ目です。

2つ目は、データです。我々が持っているデータは、完璧なデータではなくて。例えば、All Aboutというサイトを1つとってみても、業界でもかなり大きな規模で、非常に多くの方のコンテンツの閲覧データを持っています。

ただ、その方がどのようなプロフィールなのか……例えば、位置としてどこにいるのか。そのようなデータが欠けています。そのような部分を、補っていかないといけないわけです。

なので、データの質と量……データ資産を飛躍的に高めないと、勝ち残れない。先ほどのような主力事業(メディア広告&ソリューション、トライアルマーケティング&EC)を太くすることも、3本目の事業を確立することもできないと考えています。この2点を課題にしながら、ずっと進んでまいりました。

NTTドコモとの資本業務提携に関するお知らせ

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具体策として、昨日(2018年5月10日)発表させていただいたのですが、この(利用者規模・データ資産の)2点を強化していくのに最適なこと。これは、やはり我々だけではできないということで、良きパートナーができました。

NTTドコモと資本業務提携しました。ずっと温めてまいりましたが、締結させていただいたことを発表させていただきました。

まさに、利用者数、リーチの飛躍的な拡大。また、データ資産。この部分については、両社の強みが活きると思います。(資本業務提携の)締結日は昨日で、株は、我々の大株主の1つである大日本印刷が、一部譲渡いただくかたちで実行するということで、本日終了しています。

議決権比率で16パーセントをお持ちいただきまして、NTTドコモの持分法適用会社になる予定です。非連続なユーザ規模拡大とデータの利活用を両社でやっていくことが、スタートとしては揃ったかなと思っています。

資本業務提携の狙い

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(資本業務提携の狙いについて)もう少し狭く申し上げます。まず、具体的に何をやっていくのかというお話です。

「ユーザーの態度変容を促す広告効果」。ちょっと耳慣れないことかもしれません。オールアバウトが一番強みにしていることで、実際に情報にアクセスしていただいた後に、そこから影響を受けて、自分の考え方を変えたり、理解を深めたりすることを「態度変容」と言います。そのような深いコミュニケーションを、我々は得意としています。

これは、もう業界で言っても(我々が)一番長くて自信やノウハウがあります。これを、いかに多くの人に、多くのタイミングで、適時に狙っていくのかを一緒にやっていくことで、求められている広告の業界でのニーズにお応えできる部分になります。

そのためには、データの活用が必須です。多くの生活者のインサイトの発見・行動予測をしていくということです。

両社の強みがあります。我々のデータの規模で言うと、(月間総利用者の)3,000万人からの毎日のアクセス履歴がたまっています。これは、非常に多くのかたちで、インターネット業界でも使われています。そこに加えて、例えば、NTTドコモの「dメニュー®」はじめ各種サービスがありますが、こちらでは約5,000万人のユーザーがいらっしゃいます。

また、昨今進められている「dポイント」決済やIDとか、このようなプラットフォームを他の事業者に提供されていますが、ここでは約6,500万人のユーザー接点があります。ユーザー接点の量と質、両面から両社でデータを活用し、事業に取り組んでいく。これを、まずはインターネットのメディアビジネスにて、スタートしようと決めています。

ですので、業務提携の内容については、この部分を明確に入れています。今期1年をかけて、非常に大きな取り組みなのですが、準備をいたします。収益への貢献は来期からになると思いますが、2020年に向けて、先ほどの(ご説明にあった)我々にかけている2点(利用者規模・データ資産)を補っていくスタートが切れたのかなと思っています。

NTTドコモとの業務提携内容

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具体的には、コンテンツマーケティングの強化、さらには共同広告商品の開発・販売です。業務提携の中には、NTTドコモとオールアバウトの提携はもちろんですが、NTTドコモの広告分野の子会社であるD2Cとの業務提携も、合わせて行わせていただいています。また、両社でやっているユーザー向けのサービス・メディア。そして、新たなメディアも共同で(立ち上げを)検討していこうということも、お話をさせていただいています。

さらに、インバウンドです。NTTドコモも、「WOW! JAPAN®」というインバウンドのサイトを運営されてます。「インバウンド」とは、海外からの訪日旅行ですが。主に来られる方の視点から言いますと、「タビマエ」「タビナカ」「タビアト」という、3つのフェーズがあります。NTTドコモは、タビナカ……日本に来られてからのところをご支援されている。

我々の「All About JAPAN」というプラットフォームは、タビマエをやっていますので(NTTドコモとは)補完関係になるだろうと思っています。その他、ネット分野における共同事業を、さまざまな分野で検討することを考えていまして、2020年に向けて、大きな飛躍になると考えている次第です。

時間の関係もありますので、成長戦略については、主に昨日発表させていただいたNTTドコモとの件で、ご紹介を終わらせていただきたいと思います。

現在の事業ステージと将来イメージ

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それでは、業績見通しです。

これは(ご紹介している)先ほど申し上げた2020年に向けた将来イメージです。「利益水準を一段上げます」と、前期が始まるときに申し上げましたが、それは、前期に達成できました。引き続き2020年に向けて(重点領域における)事業基盤の確立を進めますので、指標としては、売上を見ていくと思っています。これが、いわゆる業界・お客さまに対する影響力の強さを表しているということで、指標にしています。

利益水準は引き続き投資を適時やっていきますので、今期はさほど強くしていません。そのような趣旨で中期的な成長のためにやっていると捉えていただければと思っています。

【業績予想】平成31年3月期 業績予想/配当予想

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平成31年3月期の業績予想です。

対前年で言うと、通期の売上高は13.3パーセント増。営業利益・経常利益は微増です。まずは(平成31年3月期の)スタートとして掲げさせていただいている数字だと捉えていただければと思います。

何度も言うようですが、2020年以降の事業基盤構築に向けた継続成長を図るために2本の柱を太くし、3本目の柱を確立すること。欠けている部分をしっかりと補って、非常に大きなゾーンで戦えるようにしていくことが必須だと考えています。

成長ができるように、この2年はしっかりと投資をしながら、結果としてはしっかりと増収を図っていく期にしたいと考えています。

駆け足ではございましたが、以上で、平成30年3月期の決算についてのご説明を終えさせていただきます。ここまでご清聴いただきまして、どうもありがとうございました。

質疑応答:ドコモとのアライアンスについて

質問者:ご説明ありがとうございます。質問がいくつかあるので、1つ1つお願いできればと思います。

まず、ドコモさんとのアライアンスについてです。御社はいくつかの専門メディアを持たれているので、(例えば)「この専門分野とこの専門分野に興味がある方」のデータ。このような付加価値をデータとして持たれていて、それが御社の行動データの本質的な価値だと思います。

それに加えて、dカードやdポイントの決済のデータが入ると、デジタルマーケティングの世界では本流のそのデータと、決済のデータを掛け合わせて、何かやろうということだと思うので、かなりおもしろいことができるのではないかと期待しています。

その中で、唯一の懸念なのが、データ分析は統計学も含めて、かなり今は、デジタルマーケティングの世界が相当進化していっています。そこの部分のケーパビリティというか、データサイエンティストが、実際にどれくらい御社とドコモさんで準備できて、どのような分析ができる体制が整っているか。そのあたりが今どうなっているかと、今後どうしていくかを教えてください。

江幡:ありがとうございます。今おっしゃっていただいたポイントは、弊社だけではなくて、日本全体に問われている部分もあるかと思います。

もちろん、いつも完璧ではないわけですが……我々も、先ほど説明の中で申し上げた、例えば「All Aboutプライムアド」であるとか。それよりもずっと前から、オールアバウトのデータを利活用してきました。

ある種実践型で社内にいるデータサイエンティストが、実際に効果をあげている実績がありますので、弊社においてはデジタルマーケティングの分野において、日本のマーケット変化に即したかたちの実行ができる体制にあると思っています。

また、NTTドコモも当然大量のデータを保有されていて、専門の子会社もお持ちで、そのようなアセットをお持ちになっていると私は思っています。これら両社の強みを合わせてやっていくのかなと思っています。

質問者:そうすると、人員交流も含めて、がっちりドコモさんと、そこの部分をやられていくという意見でよろしいでしょうか?

江幡:そうですね。(将来的には)そのようなことがあると思っています。

質問者:これは質問というかご提案なのですけれど……株主に(いらっしゃる)御社のもともとの母体ではリクルートさんが、かなりこのような分野が得意な会社さんだと思います。そことも何か、いろいろ提携できると、かなりおもしろいかなと思っています。

江幡:そうですね。

質問者:あとは、筆頭株主の日テレさんとの事業。SNSの動画配信がかなり順調にいっていて、今後はECも伸びていくと期待しているのですが。こことドコモさんとの協業の部分で、パッと見はあまり関連がないように見えるのですが。もし今後の可能性として、何かあいだでシナジーを出せる部分が出てくるのであれば、もう少しヒントをください。

江幡:これは、私が申し上げる範囲を超える部分もあるかと思いますが。キーワードの1つは「動画」かなと思っています。これは、コンテンツとしての動画・広告としての動画です。

先ほど申し上げたような、分散型の世の中になっていますので、当然そのあたりを含めて、協業を考えていくときには関連するということがあるかと思います。

質問者:ありがとうございます。最後なのですが、今の(質問に)関連したところで、facebook naviでの動画配信のところも含めて、naviの売上利益は倍増しているというお話をいただきました。どうせ有価証券報告書で出てくるので、現時点でどれぐらいの規模感になっていて、将来的にどれぐらいの期待をされているのか、少し教えてください。

江幡:詳細は申し上げられないのですけれど、今のところで言いますと、年商で10億円弱ぐらいで、伸びています。

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