なぜ家計の危機に気づかない? 破綻寸前の事例で学ぶ起死回生のマネープラン=俣野成敏

多くの人は家計が危機的な状況にあっても、それに気づきません。今回は、私が相談を受けた破綻もありえる危険な事例を紹介しながら、マネープランの重要性・対策を解説します。(俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編

プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
30歳の時に遭遇したリストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』及び『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが、それぞれ12万部を超えるベストセラーとなる。近著では、日本経済新聞出版社からシリーズ2作品目となる『トップ1%の人だけが知っている「仮想通貨の真実」』を上梓。著作累計は40万部。2012年に独立、フランチャイズ2業態5店舗のビジネスオーナーや投資活動の傍ら、『日本IFP協会公認マネースクール(IMS)』を共催。ビジネス誌の掲載実績多数。『まぐまぐ大賞(MONEY VOICE賞)』1位に2年連続で選出される。一般社団法人日本IFP協会金融教育研究室顧問。

※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2018年6月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

なぜ自分の家計は大丈夫に見えるのか?事例で知る無計画のヤバさ

あなたの行動を左右する「4つの圧力」

まずは、お金の使い方にも当てはまる、人は意識して自分を変えないと、流されてしまうということについて説明しましょう。

世界的な経営学者のP・F・ドラッカー博士は、かつて著書の中でこのように述べています。

彼らは自分ではコントロールできない4つの大きな現実に囲まれている。

それらの現実は、いずれも組織に組み込まれ、日常の仕事に組み込まれている。彼らにとっては、それらのものと共生するしか選択の余地はない。

しかも4つの現実のいずれもが、仕事の成果をあげ業績をあげることを妨げようと圧力を加えてくる。

出典:『経営者の条件』P・F・ドラッカー

ここで言う「彼ら」とは、組織で働いている人のことです。しかしこのことは、何も会社に限った話ではないでしょう。

もともと、組織とは2人以上の人が集まってできた集合体のことを言います。当然ながら、組織は会社以外にも、家族、仲間、学校など、「人がいるところには必ず組織がある」、といっても過言ではありません。

つまり、人は必ず何かしらの組織に属しています。ということは、この言葉は「すべての人に当てはまる」とも言えるものです。

では、《組織に属している人が必ず直面する4つの現実》が何かと言うと、

  1. 自分の時間を他人に奪われている現実
  2. 日々の雑務に追われている現実
  3. 「成果とは本来、他人に依存している」という現実
  4. 自分が組織の内側にいるという現実

の4つです。

それでは、ドラッカー博士の主張について順に解説していきましょう。

<その1:時間が奪われる現実>

これは誰でも思い当たる節があるのではないでしょうか。会社には、無駄な会議や意味のない雑談、不必要な資料作成など、私たちの貴重な時間を容赦なく消費する要素であふれています。家でも学校でも、状況は似たり寄ったりでしょう。深刻なのは、時間を浪費している現実に、お互いが気づいていないことです。

<その2:日々の雑務に追われている現実>

これも、ほとんどの人が同感するところでしょう。いつになったら終わるのか?も知れない、果てしなく続く日常業務。家に帰れば帰ったで、やらなければならない家事が待っています。ドラッカー博士は、「断固たる行動をもって変えない限り、日常の流れが私たちの関心と行動を決定してしまう」と言います。

<その3:「成果とは本来、他人に依存している」という現実>

これには少々解説が必要でしょう。一般に、仕事とは組織の維持・発展に必要な「やるべきこと」のことを指し、自分のために行うことは仕事とは言いません。通常、仕事で成果を出すには「自分が仕事で生み出したものを、他人に何らかの形で使ってもらう」必要があります。他人に使ってもらい、「世の中が便利になった」とか「他人が喜んだ」といったような結果を伴って、初めて「成果があった」と言えるのです。これが「成果は他人に依存している」所以です。

<その4:自分が組織の内側にいるという現実>

ドラッカー博士は、「組織に属している人にとって、その組織の内側こそが現実なのであって、外の世界からは隔絶されている」のだと言います。もしかしたら、この言葉を読んで、「組織に属していようとも、私たちは自分の行きたいところへ自由に行けるし、いくらでも外に出られるではないか」と思った人もいたかもしれません。しかし、博士は「人は厚く歪んだレンズを通して外の世界を見ている」のだと言います。実のところ、私たちはありのままの現実を見ているわけではありません。「自分というフィルターを通して、自分の見たい現実を見ている」のだと言うのです。

お金の使い方も「習慣」に流されてしまう

ドラッカー博士の言う「日常の流れ」とは、私たちの習慣のことだと言ってもいいでしょう。習慣が、私たちの行動だけに止まらず、考え方までをも決めています

もちろん「お金の使い方にしても」です。

そこで今回は、「マネープラン・人生アドバイス実践編」特集をお送りします。私が現在、金融の専門家とともに運営しているマネースクール(IMS)には、毎日のようにお金の相談が持ち込まれています。その中で日々、感じているのは「多くの人は、自分の身に危険が迫っているにも関わらず、それに気づいていない」という現実です。

人は、自分のことは見えなくても、他人のことはよく見えます。ですから、本特集を組んだ目的とは、「他人の家計状況を見ていただくことによって、ご自身の現状に問題がないかどうかを振り返るきっかけにしてもらおう」というのが趣旨となります。

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