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メルカリ、もうすぐ上場。時価総額4000億円にして実は「赤字企業」の落とし穴=栫井駿介

フリマアプリ市場は「レッドオーシャン」

しかし、メルカリがスタートトゥデイと同じ基準で評価されるためには、大きな壁があると考えます。それは競合環境です。

スタートトゥデイはアパレルのショッピングサイトです。アパレルのインターネット通販としては、Amazonや楽天などの大手を含む他の追随を許しません。その要因の1つは、早くから著名ブランドを囲い込んだことがあると考えられます。

一方のメルカリには強力な競争相手がいます。Yahoo!の「ヤフオク!」はインターネットによる個人間売買の先駆けであり、メルカリへの対抗策も次々に打ち出しています。また、楽天の「ラクマ」は、メルカリなら10%かかる販売手数料を3.5%に抑え、顧客の奪い合いを行っています。

Yahoo!と楽天はいずれも資金力豊富な巨大企業ですから、マーケットシェアを取るためには採算度外視で手数料の値下げや広告費の投下を行うことができます。

このようなサービスは1社総取りになることも多いため、メルカリは現在の高いシェアを取られないために広告宣伝を続けなければならないのです。

スマートフォンの普及による個人間売買市場の拡大を考えると、メルカリの売上高は大きな成長余地があるでしょう。しかし、その市場は競合がひしめく「レッドオーシャン」なのです。

国内ではすでに利益が出ていますが、おいしいビジネスだとわかると競合は攻勢を強めるでしょうから、再び広告宣伝費により利益が削られます。

同質の商品(サービス)の利益が逓減するのは、経済学の基本原理です。

Next: メルカリは買い? 先駆者の強みを活かせるかが今後のポイントになる

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