建て替え費用は、1戸あたり200万円~1000万円以上
現在、日本にはマンションが633万戸あり、都内だけでも5~6万棟はあると推測されています。
そのうち、うまく建て替えができたのは、推定でおおよそ0.4%程度です。つまり、1,000棟のマンションがあったら、そのうち4棟くらいは、運よく建て替えができるという計算です。
なぜ、建て替えが難しいのでしょうか。
それは、建て替え時に多大な追加費用がかかるからです。マンションの建て替えは、戸数や規模にもよりますが、1戸あたり200万円~1000万円以上かかるといわれます。
マンションが老朽化した約50年後は、すでに所有者も高齢化していたり、相続して子どもの世代、孫の世代が所有していたりするようになります。
たいして思い入れもない人や、お金もない人たちが集まった区分所有の建て替えにおいて、そういった費用をはたしてマンションの住民全員が公平に負担することができるのか、はなはだ疑問が残ります。
「建て替えできないなら売ればいい」に潜む誤算
建て替えができないなら、売ればよいと思うかもしれません。
ですが、法定耐用年数を超えてしまったマンションに対して、金融機関はどれくらいの融資を出してくれるでしょうか。
融資が出ないということは、買える人が大幅に減るということになります。買いたい人、買える人が減るということは、需要が減るということです。
需要が減るということは、売買価格が下がるということです。最悪の場合、売れないということになります。
要するに、出口が見えないということなんです。
ワンルームで得をするのは業者だけ
総じて、ワンルームは利回りが低く、区分所有は最終的な建て替えや取り壊しに不確定要素が残るという点で、1棟ものよりも不利だと思うのです。
1棟ものであれば、最終的に取り壊して土地にするのも、自分自身の意志だけで決定できます。戸建などであれば、次も戸建用地にするなり、建て替えるなりしやすいと思います。
ワンルームのメリットは、売買単価が安く、業者が売りやすいということです。
一生懸命探せば、23区内で1000万円以下の戸建なども存在します。同じ1000万円を支払うのであれば、土地付きの戸建を買ったほうが、将来的な資産になると私は考えています。